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2003年3月23日 「三毛猫ホームズ」Ⅲ [第4章 尾道ロケハン篇]

 というのも、僕も助監督やメイキングの仕事を何本もしているが、監督が末端のスタッフにお礼を言うなんてことは1度もなかったからだ。
 
 職人の世界と同じで、弟子が師匠のことを気遣うのは当たり前であり、「バカヤロー」「気をつけろ!」「邪魔なんだよ!」とは言われても、「ありがとう」と言われたことは皆無であった。

 その後も数回、同じことがあり、監督はそのたびに「ありがとう」と微笑みながら言った。僕もいろんな監督とお仕事してきたが、こんなことは初めて。強い印象が残った。

 その大林監督と数日後にお会いする。尾道ロケと「ストロベリーフィールズ」の監修をお願いするためである。
 D社のPはすでに事務所に電話。アポを取っている。監督がOKをくれれば、D社とF社から製作費が出て、映画は公式にスタートする。

 が、断られると、全ては無になり、両社は「ストロベリー」を中止するかもしれない。そんな不安を胸に、深夜バスは東京へ向って走っていた・・・。(つづく)


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