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日本の美しさⅢ 2003年7月中旬 [第6章 和歌山営業篇]

 ご老人は嬉しいそうに頷く。

 「監督さん。嬉しいです。ワシもよくこの町には何もないと言います。みんなそう言うので、ついそう言うてしまう。
 ホンマは素敵な町なんです。ワシはこの町が大好きなんですよ。

 でも、若い子らは、何もない。詰まらん。そういうて都会へ出ていきます。中には、この子は見所ある。いずれ町のために、がんばってくれるはずや。と思てたら大学で都会へ行ったまま、もう帰ってけえへん。

 何でか? 故郷に誇りが持てないんですよ。何もない町。つまらない町。都会へ出ても出身地がどこか。恥ずかしくていえない。
 でも、監督さんは、この町を素晴らしいと言ってくれて、嬉しかった。子供らもそれを分かってくれたら、ええのになあと思います・・」

 もの凄く感じるものがあった・・・。(つづく)


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