不況だからこそのチャンスなのに /2003年10月 [第9章 和歌山死闘篇Ⅰ]
今でも、どの会社に行っても地方ロケというと、敬遠される。その中で、ようやく出会えたD社。
不況で厳しいからこそ「町で半額出資できるなら、やろう!」という発想が出てきたのである。
バブル時なら小さな町が全額出資しても、映画会社は受けてくれない。金は余っているので、海外でもOKなのだ。
今、この不況だから、地方映画がどんどん作られている時代だから、和歌山件の小さな町でも撮影が可能となる。
そんな状況で初めて「映画による町のアピール」が成立するのだ。が、Mさんはこう言う。
「いいチャンスなのは分かります。観光にプラスであることも分かります。町を宣伝できるのは、ほんまにええことです。
でも、私には、これ以上、どうすることもできません・・・」
(つづく)