なぜ、分かってくれない! /2004年2月 [第12章 和歌山死闘篇Ⅱ]
ご老人にそう説明した。彼は言う。
「そんなに、この町で映画を撮りたいのなら・・そのD社という会社が先に、製作費の半額を出したらええんや! そうしたら、地元も考えるやろ?」
血が逆流する。何度も何度も説明しているのに、まだ現状を分かってもらえないのか? D社は本来はこんな田舎で映画なんて、撮りたくないのだ!
尾道のようなもっと有名な町で撮影したい。でも、シナリオを気に入り「何とかやりたい!」と言ってくれた。
見放してもいいだけの月日が経っているのに・・。いろんな方法を考えてくれた。
地元で製作費の半分が集まれば、あとの半分は出すと言う。大きなチャンスを提案してくれた。なのにご老人はこう言う。
「先にD社が金を出したら、どうや?」
爆発しそうになる!
でも、ご老人は映画作りというものが分からないのだ。選挙に例えることでしか、理解できない。
その構図で映画作りは、理解できない。間違った認識をしたことで、間違った答えを出している・・。
(つづく)