腐敗の背景 /2004年7月 [第18章 腐敗の構造篇]
では、なぜ、そのような悪徳制作会社がはびこるのか? そこには映画業界のシステム問題がある。
先にも説明したが、最近の傾向はスポンサーが集まり製作委員会を作るところから映画製作が始まる。
そこで集められた資金を制作会社に預けて、映画を作る。が、映画館で興行し上がった収益が入るのはスポンサーだけ。
制作会社がどんなに努力していいものを作っても、手数料しか入って来ない。そのくせ、予算オーバーしたら自分たちの責任。すぐに負債が溜まる。
努力しても報われないなら、楽して儲けようとするのが人間。通常10%の手数料を30%にする。下請けに出してリスクを回避する。
それが制作会社が腐敗した背景。不憫な環境にあるのは分かるが、彼らのやっていることは、もうショービジネスではない。
「制作会社」という看板をかけた、詐欺師集団といえる・・・。
<つづく>