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撤退の理由/2004年12月 [第20章 裏切り地獄篇!]

 血が沸騰して、暴れそうになる・・・。

 そう言えば、彼をよく知る助監督からも注意されていた・・。

 「プロデュサーがいくらがんばっても、あの会社は固くて時間がかかるところ。製作費が絶対に出る保証はないから、覚悟は必要・・・」

 なのに、信じた。そんな僕が馬鹿だったのか・・。

 しかし、シナリオ営業をスタートした頃。どの会社でも「訳が分からない」「ベストセラー原作でないとね?」と誰も認めてくれなかったとき。

 彼だけはシナリオを読み感動してくれた。涙が零れたと言った。何度も一緒に酒を飲んだ。

 「この作品を映画にしたい・・泣けるいい話だ。絶対に映画にしたい・・」

 そう繰り返し、言ってくれた。大監督の前でも共に誓った・・。

 「必ず、形にしてご覧にいれます!」

 それがなぜ・・・。D社に詳しい友人に聞いた・・・。

<つづく>


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