忘れてしまった十代の思い/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
友人の話は続く。
「そんなとき、お前と会って映画を作るという話を聞く。何があってもやる! 絶対に作る!と言う。そんなお前を見ていて、何か忘れていたもの思い出した・・。胸を焦がすような熱い思い・・昔は、俺にもあったよなあ・・と感じたんだ。
もちろん、故郷で映画を撮るのは素人の俺が考えても、大変なことだと分かる。映画作りは何千万円もかかるんだし。
業界の友人が無理だ!不可能だ!と言うのは当然だと思う」
そう。仕事仲間からは非難の嵐だった・・・・。
「絶対に無理!」
「巨匠だってなかなか映画が撮れない時代」
「お前のように無名で、ヒット作のない奴に金を出すなんて奴がいる訳がない」
何人からもそう言われていた。 信頼している先輩も同じことを言う。これはキツかった。
当初は応援してくれていたのに、「もう無理だ。D社が投げた段階で、終わったんだよ・・」と宣言された。
生活は限界を超え、先が見えなかった。でも、友人は言う・・・。
<つづく>