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ロケ地への愛情 /2005年6月 [第23章 プレロケハン篇]

 カメラマンのSさんには、「ストロベリーフィールズ」のロケ地・和歌山県田辺市の美しさ、懐かしさを理解してほしくて何度も現地を訪れてもらっている。

 最初は春。そして夏。秋。冬にも行ってもらったが、紀南の冬は暖かく、そのときは特に暖冬だったので、暑くて全然冬らしくなかった。

 でも、これで四季を全て見てもらった。春夏秋冬を知った上で、夏に撮影してもらえば必ず違いが出る!

 仕事でポッと、現地に行き、撮影するよりも、「愛情」や「思い」がこもるはずだ。照明部のAさんと話をしていると、同じ事を言われた。

 「最近は、撮影直前になって、ようやくロケ地に行く。ドタバタと現場を見て終わり。下手するとロケハンがないこともある。

 制作会社側にすれば、目に見えない部分に金をかけたくないんだろうが、それじゃロケ地への「愛」が持てない。いいものを作るには町への愛情が大切なんだ・・」

 すかさず、聞いた。じゃあ、和歌山。行きますか? Aさんは笑顔で頷いた・・。

<つづく> 


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