伊丹十三式キャスティング/2005年7月 [第24章 最終決戦!篇]
でも、うるさ型の母親。おとなしい神経質な息子というのも、実際にはいる。その場合は父親がおとなしい人で、息子は父に似ていることが多い。
そうすると父親が物語に登場しなくても、息子の性格で存在を感じさせることもできる。
キャスティングだけで、いろんな表現が可能。伊丹十三監督も、メイキング・ビデオの中で言っている。
「マルサの女」では脱税王の権藤という役を表現するのに、愛人役のキャスティングにこだわった。
妻、愛人1号、愛人2号。その3人を、バラバラなタイプで選んではいけない。男の趣味というのは基本的に同じで、どこか似たところがある女性を好きになる。
そこから権藤の趣味や指向性が見えて来る。というのだ。なかなか深い意図がある。
夏美の両親。先生等を選ぶ時も、その辺を気をつけて進めたい。
<つづく>