営業は続く! 変なプロデュサー /2005年8月 [第26章 殺されてもやる!篇]
ある映像関係の会社。プロデュサーがシナリオを読んでくれた。担当者は30代の若い男性なので、期待!
後日、感想を聞きに行くと、こう言われる。
「シナリオの冒頭はモノローグで始まりますよね? でも、僕はモノローグ。好きじゃないんですよね〜」
第一声がそれ・・・呆れた。業界で働く者なら、まず客観的に作品を理解することが大切。その上で批評。自分がどうこうより、観客がどう思うかを考えるのがプロだ。それをいきなり「僕は好きじゃない」と言い出す・・。
「このシーンは、モノローグでない方がいいんじゃないですか?」
これは分かる。芝居や映像で語った方がいいというのは、ひとつの提案。だが、彼は「僕は好きじゃないですよ」という。
自分の趣味を主張しているだけ。素人が「あの映画は嫌い」「あの俳優は好きじゃない!」というのはOK。
しかし、映像の仕事をしているのなら、最初に自分の趣味を上げない。プロとしての自覚がないと思える。
「僕はモノローグ好きじゃないから、外してもらいますよ・・・」
と言う意味なのか? だが、彼の趣味を満足させるために、シナリオを書いた訳ではない。この人と話しても無駄かな?と思えたが、最後まで感想を聞く。
「あと、主人公のお姉さん。かなり変ですよね? あんなに妹をいじめる姉なんていないでしょう? リアリティがない。僕も姉がいますけど、あんなじゃないですよ!」
はあ〜? 何ですか、それ?
<つづく>
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