大林監督は地元の協力を得て「転校生」の撮影を完了する。
映画にクレジットされた大手企業は、撮影後に参加したもの。こうしてあの名作「転校生」は完成した。監督はこう話してくれた。
「もし、あのとき諦めていたら、のちの尾道シリーズはなかった。そこからデビューした俳優たちも、今がなかったはず。今の自分もいなかったかもしれない。
だから、諦めてはいけない。映画には多くの人の『人生』がかかっているだよ」
「転校生」も「ストロベリ−フィールズ」と同じ、危機的状況に見舞われていたのだ。巨匠はそんな困難を越えて来た・・・。
僕も、負けてはいけない。必ず撮影まで行き着かねばならない。そう思えた・・。
<つづく>