天才女優・三船美佳Ⅱ /2005/8 [第三章 春美を探せ!編]
4本分のドラマに出演する俳優、全ての衣装合わせをせねばならない。1人当たりは、30分程度になる・・。十分な話合いもできなかった。
次に彼女に会ったのはもう撮影当日。が、驚きの展開が待っていた。通常、カメラを回す前にリハ-サルを行う。
その演技を見て監督が「もう少し優しさを出して」とか「もっと押さえて!」とか指示を出す。
それを何度か繰り返して本番に入る。僕の演出は特にうるさく、細かな表現を要求する。なのに、三船さんは一度目のリハから、ほぼ完璧な演技を見せた。
期待したニアンスや微妙な感覚も、全てクリアーされている。打ち合わせは、先の衣装合わせでの一度だけ。
その30分で僕が作品で描こうとしたものを、ほとんど理解したということなのか? こんなことは初めてだ…。
<つづく>