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ある新人歌手の話 /2005/8/28 [第五章 夏美を探せ!編]

 思い出すことがある。
 
 確か、写真家の篠山紀信さんが、何かでしていた話。70年代にある新人歌手の撮影をしたときのこと。
 歌番組の収録を終えてからなので、もう深夜。その子はマネージャーに連れられてスタジオにやってた。

 芸能界の挨拶は、朝でも夜でも「おはようございます」だ。仕事が終わったら「さようなら」ではなく、「お疲れさまでした」である。

 ところが、その子は紀信さんのスタジオに「こんばんわ」と言ってやって来た。が、それがとても新鮮に思えたという。何か芸能人らしい気取りがなくて、いいと思えたと何かで話していた。

 その新人歌手というのが山口百恵。うまく言えないが、僕が佐津川愛美に感じたのは、それと同種のものだったような気がする。

 といって、その辺にいる子とは明らかに違う。佐津川。なかなかいい・・。

<つづく>

 


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