「ストロベリーフィールズ」のテーマを担う男 2005/8 [第七章 鉄男を探せ!編2]
その頃、僕の友人たちがどんどんと結婚。一児の親なっていた。
そんな1人。N君は親に勉強しろと言われるのが嫌で、大学進学を拒否。結婚した今、こう言う。
「子供には勉強しろと言っている。趣味ばかりやるなと言う。悲しいけど、それしか言えることがないんだ・・」
あれほど嫌っていた彼の親と、同じこと言うようになった。
演劇学校に通ってくる生徒たちを見て、気付く。子供たちは、家庭では見つからない大切な答えを探している。あの頃のN君と同じだった。
無意識に演劇を通して、それが見つかると感じている。
しかし、その答えは、皮肉にも親たちが持っているのだ。ただ、当たり前過ぎて気づかないだけ。
それが分かるのは、両方の気持ちが分かる真ん中の30代。つまり、僕らの世代。それが「ストロベリー」のテーマとなる。
物語の中でも親と子供の対立を描いた。その間で大切なことを伝えるのは30代。その役割を負うコメディリリーフ的な役を作る。重要な使命を担ったキャラだ。
喧嘩っ早く単純だが、情がある。誰にも優しい元不良少年。名前を「鉄男」とつけた・・・。(つづく)