シナリオについて(2)太田式執筆法 2005/8 [第八章 ロケハン出発篇]
太田組式シナリオ執筆法。乱暴にいうと、書かれた役に合わせて俳優を探すのではなく、俳優に合わせて役を書くこと。
厳密に言うと、まず、最初にシナリオを書く。そのときに、あまりガチガチにキャラを作ってしまわない。幅をとっておく。
それを未完成だと批判する人もいるが、その役に限りなく近い俳優を見つけたときに、本人に合わせ、さらに役を掘り下げて書くのである。
色でいうなら、主人公がもともと青だとすると、役者に近づけて水色や紺色にする。台詞や仕草も本人に合わせて直す。
もともと幅を取ってあるので、それが可能。映画を見た人は「あの役者はあの役にピッタリだなあ!」と思え違和感なく物語に入って行ける。
実はコレ。劇団のパターン。台本を書くときに戯曲家が劇団員をイメージして役を書く「当て書き」と同じ。
それにより俳優の魅力を、最大限に生かせるというもの。が、これは映画界の常識に逆らうものである・・。
<つづく>