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シナリオについて(3)本物の魅力 2005/08 [第八章 ロケハン出発篇]

 演出家はよく、こんなことを言う。

 「俳優はどんな役でも、演じられるようにしろ!」

 「今まで出来なかった役に、チャレンジすることが大切」

 「現場で監督に怒鳴られながら、がんばるのが役者だ!」

 或る意味、正論なんだけど、僕は違うと思う。 そもそも「うまい芝居」「下手な演技」って何だろう?

 一般的に「下手な演技」というのは、会話をしているのに体が直立不動、歩き方が変。

 台詞が一本調子、泣いているのに悲しそうに見えない。そんな不自然な状態が「下手!」と言われる。

 逆に言うと、自然であることが「うまい!」という訳だ。

 自然に話し、歩き、タバコを吸い、本当に悲しみ、怒っているように見えるのが、うまい演技ということ。

 そう考えると気付くことがある・・・。

(つづく)


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