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バブルが届かなかった町(下) 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]


 「そんな不便で時間がかかるところにある町だから、バブルの波も届かず、あの懐かしい街並や美しい自然が残ったんだよなあ・・。

 だから『ストロベリーフィールズ』のロケをする意味も、あるのかあ。安くて早く行ける場所で、こんな素敵な町はないもんなあ・・・」

 と納得していた。本当にその通りである。もし、交通の便がよければ、どこかの地方のように、町おこしのためにスペイン風の通りやオランダ風の街並を作っていたかもしれない。

 当時はそれができず、残念がった人たちもいたかもしれない。が、そんな町はバブル時代に多少の観光客が訪れたが、今は閑古鳥が鳴いている。
 国内で異国気分を味合う必要はなくなり、西洋風の建物が今は悲しく残るだけ。

 でも、田辺は幸いなことに近くて遠いという、ロケーションが町の大切なものを守ったと思える。今の日本人に必要なものを保存したといえる。

 不便だから、壊されずに済んだのだと考える。それが田辺という町の幸運であり、21世紀に必要とされる街の所以だと思える。

<つづく>


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