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高山寺(5)演出のある建設  2005/9/3 [第十章 メインロケハン篇]

 参拝者は暗い不安感が漂う森を潜り、長い長い階段を上がって来ている。

 この先に何があるんだ? 

 そう思いつつ息切らせて上がって来ると、山の上なのに巨大で美しい三重塔が地面からせり上がるように出現する。初めて訪れた人は、感動もの。

 まるで苦行の末に修行僧が極楽浄土に辿り着いたイメージを演出し、体感させるかのような作りになっている。

 そう考えると、不安感漂う曲がった階段も、2番目の美しい階段も、塔が立つ位置も全て計算されたものではないか?と思える。

 そのことをご住職に聞いてみた。このお寺の設計者は「大工さん」というより、今でいう「環境デザイナー」というタイプの方。

 「単なる美しさだけではなく、演出を考えて建築しているはずですよ」

 やはり、そうか・・。そんな意味でも高山寺というところは興味が尽きず、様々な面で惹かれる。

 その結果。いくつものシーンの撮影をさせてもらうこととなってしまった。

<つづく>


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