地方映画ブーム(10)アメリカは映画で観光地アピール 2005/9/3 [第十一章 ロケ地・田辺市篇]
「ローマの休日」を見た人がローマに行くと、必ず「真実の口」を訪れる。オードリー・へップバーンがアイスクリームを食べた石段を、歩いてみたいと思う。
なぜか? それはまず「ここで撮影されたんだ!」という感動。オードリーはここに立ったんだという感激。
そして映画の中の世界に飛び込んだかのような体験。ヘップバーンが演じた王女、グレゴリー・ペックが演じた新聞記者になったかのような気持ちにもなる。
こんなふうにアメリカ映画では、昔から観光地を作り出したり、アピールすることが多く行われている。
国策として、ビジネスとして利用している。その効果は絶大。世界中から数多くの観光客が、ロケ地を訪れるのだ。
ニューヨークでは・・
「ティファニーで朝食を」のティファニー宝石店。
「キングコング」が最後に昇るエンパイアー・ステイトビル。
LAでは・・
「ダイハード」の舞台となったナカトミ・プラザは、LAにあるフォックス・ビル。(写真下)
「リーサルウエポン」のクライマックスシーン等で有名なハリウッド大通り(写真下は「ブレージングサドル」でも使われたチャイニーズシアター周辺)
そんなふうに歴史と深い関わりをもたない、店や建物まで、映画が撮影されることで有名な観光地に早変わりする。地方映画ブームは、その日本版だと思ってもらえると分かり易い。
先にも書いたが観光地を売り出すために映画を利用しても、それは成功しない。が、素晴らしい映画は、そのロケ地をもアピールしてしまう力がある。
それを多くのアメリカ映画は実践。昔から市や州は撮影に非常に協力的。そのアピール効果の凄さを熟知していたからである。
<つづく>