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オタクP、誕生の背景(上)現代の映画作り 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 脚本家の友人の話を聞き、こちらまでイライラした。もう少し書く。

 友人が怒りをぶつける若手P(プロデュサー)。学校で映画を学んだ訳でもない。自主映画経験もない。独自にシナリオを書いていた訳でもない。現場経験もない若造。

 そんな奴がプロデュサーという肩書きで、監督や実力ある脚本家に意見する。ダメな映画が生産されてしまう原因のひとつ。では、なぜ、そんなバカなことになるのか? 解説する。 

 昔は映画作りは映画会社の専売特許だった。スタッフは皆、映画作りに誇りを持ち、伝統あるスタジオで学び、育った。が、現代は、さまざまな業種の企業が映画作りに参加している。

 いろんな会社が少しずつ製作費を出し合って映画を作る、「製作委員会方式」が主流。映画とは関係のない会社も映像部門を作り、製作プロダクションに社員プロデュサーを送り込んでくる。

 が、その手の会社には映画作りのノウハウはない。上司や先輩も映画に関しては無知。新人が育てられる環境はない。
 またP業はさまざまな仕事があって、拘束時間が長い。残業どころか、寝ないで仕事ということもある。若手社員はすぐに辞めてしまう。

 人材補充のため会社側は、転職情報等で募集。それを見た映画好きの若者が応募。辞めて行く者が多いので経験がなくても、採用される。
 数年間アシスタント・プロデュサーを勤めて、仕事を覚えさせられる。が、それは単なる製作の段取りにしか過ぎない。ストーリー作りや演出は学べない。

 そこで勘違いが始まる。ネットの映画批評を読んだことがあるだろうか? 少数ではあるが、中には観客という立場を越えて、評論家か? 「私は業界の重鎮である」と言いたいかのような立場で批評を書いている人がいる。

 「これでは合格点は上げられない!」「この監督は、もう少しお勉強した方がよいだろう!」「もう一度、シナリオというものの意味を、考え直しなさい!」・・・あんた誰? というような書き込みがある。

 プロの評論家が書き込みをする訳はなく、一般の映画ファンの感想。なぜ、彼らはそんな尊大な口調で、高いところから批評するのか? そこにヒントがある・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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