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衣裳&メイク部の活躍(14)「スターウォーズ」の皇帝?  2005/9/9 [第二一章 衣装合わせ篇]

 死神のイメージ写真を見て、ある若いスタッフが言った・・。

死神1A.jpg

 「これって『スターウォーズ』の皇帝のパクリじゃないですかあ? 衣裳が似てますよ!』

 即、ベテランのスタッフに怒られた。

 「お前はホント、勉強不足だなあー。死神の方が古いの! 恥ずかしいこというな!」

 その通り。「スターウォーズ」に出て来る皇帝の衣裳。他にもジェダイの騎士団の衣裳も同じだが、あれは中世ヨーロッパの僧が着た服をイメージしてデザインされたもの。

(ちなみにエピソード4のルークの衣裳は、柔道着を模倣。ダースベーダーのカブトは「風林火山」の三船敏郎のカブトをイメージしている)

 死神の概念も同じ時代に誕生。僧侶の着るローブのような服を着て、顔は骸骨という姿で定着したのだ。だから、服装が似ているのは当然。でも、死神の方がオリジナルなのだ。

 先輩は若者を説教。映画「風林火山」で三船敏郎のかぶるカブトを見て「ダースベイーダーのマスクのパクリだ!」というようなものだぞ! 流行の映画ばかり見てないで、もう少し歴史を勉強しろ!といわれていた。

 だが、別の作品は参考している。ヨーロッパ映画で死神が登場したものに、イングマル・ベルイマン監督の名作「第七の封印」がある。

 これは参考にした。ヨーロッパでは「死神」が認知されているのがよく分かる作品。

 演出部チーフやカメラマンは、最初に「ストロベリーフィールズ」のシナリオを読んだとき、こう言った。

 「『第七の封印』の死神イメージですね?」

 この人たちは分かってるな!と嬉しかった。が、日本では 先の若いスタッフのように、死神の存在を知らず、ダークサイドの皇帝を先にイメージする子もいる。

 また、ドリフターズや「ひょうきん族」でやっていたような死神コントを思い出しがち。「死神」=「ギャグ」という認識の人も多い。

 以前、シナリオ営業をしたときには、「いっそのこと死神は、関西弁にしてギャグにした方が面白いよ!」と言うプロデュサーもいた。

 が、それではセンスなさ過ぎ。物語も成り立たなくなる。「死神」という存在も、「物語」も、理解できないようだった・・。

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!



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