涙の本読み(4)読み込んだシナリオ 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
本読み前も、注意して3人を見ていると、いろんなことが分かる。
通常、10代の女の子は時間があると、同世代の子たちと、とりとめのないおしゃべりを始める。
が、誰もそんなことはしない。皆、緊張した顔で、準備。
谷村美月は床に座ると同時に、シナリオを取り出して、読み始める。本はすでに何度も読み返したようで、くたびれていた。
いろんな十代と仕事をしたが、こんな子たちは初めてだ。谷村の言葉を思い出す。
「朝起きてから寝るまで、ずっと芝居のことを考えています!」
本当だと思えた。 他の子たちも、それぞれに特長があった。気楽にやってもらおうと思ったが、緊張感が高まって行く。
波岡一喜君はすでに、何本も仕事をしている。初めて会ったときから、頭のいい出来る子だと感じている。が、10代の女の子たちは不安があった。
が、今回の3人。今までとは違う・・・。
皆に声をかけ、いよいよ「本読み」をスタートする。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!