撮影スケジュール/黒澤明監督の場合 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]
これは有名な話だが、黒沢明監督が「七人の侍」を撮ったとき。
クライマックスの撮影をなかなか始めなかった。それまでの部分を丹念に撮り、予定したスケジュールが過ぎても終わらず、製作費も使い果たしてしまう・・・・。
会社は激怒して、撮影を中断。そこまでの部分を編集して見せろと迫る。
と、映画冒頭のシーンから、いよいよ野武士たちが村の攻めに来て、三船敏郎が屋根の上から「来やがった!来やがった!」と叫ぶシーンで終わっていたという。
重役たちは「続きは?」というと、黒沢監督、「まだ撮ってません」と答える。
それで撮影続行が決定。新たな予算が降りたという。
これは黒澤監督の計算で、最初に降りた製作費で「七人の侍」は撮りきれないと感じた。でも、クライマックスを撮ってしまうと、会社が撮影を中断して、そこまでのシーンを編集。公開してしまうだろうと読んだのだ。
それでかたくなに、クライマックスは撮影せずにいたらしい。
こうして「七人の侍」は完成。大ヒット。追加予算で出た額もあっと言う間に回収して、製作費の何倍もの興行収入を上げたという。
巨匠のやることはやはり凄い。撮影スケジュールにも演出がある。
(つづく)
クライマックスの撮影をなかなか始めなかった。それまでの部分を丹念に撮り、予定したスケジュールが過ぎても終わらず、製作費も使い果たしてしまう・・・・。
会社は激怒して、撮影を中断。そこまでの部分を編集して見せろと迫る。
と、映画冒頭のシーンから、いよいよ野武士たちが村の攻めに来て、三船敏郎が屋根の上から「来やがった!来やがった!」と叫ぶシーンで終わっていたという。
重役たちは「続きは?」というと、黒沢監督、「まだ撮ってません」と答える。
それで撮影続行が決定。新たな予算が降りたという。
これは黒澤監督の計算で、最初に降りた製作費で「七人の侍」は撮りきれないと感じた。でも、クライマックスを撮ってしまうと、会社が撮影を中断して、そこまでのシーンを編集。公開してしまうだろうと読んだのだ。
それでかたくなに、クライマックスは撮影せずにいたらしい。
こうして「七人の侍」は完成。大ヒット。追加予算で出た額もあっと言う間に回収して、製作費の何倍もの興行収入を上げたという。
巨匠のやることはやはり凄い。撮影スケジュールにも演出がある。
(つづく)
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