この映画の仲代達矢。出て来たそうそうに「かなり強い!」ということを感じさせる。
実際、仲代が映画の中で切り合うのは、ラストの三十郎との一騎打ちのみ。
何もしなくても「出来る!」と思わせるのは、もの凄く力のある俳優でないとできない。
それを15才の谷村美月。成し得た!
組み合っているだけで、「強い!」と感じさせる。女・三四郎だ。監督として谷村を見ていると、ほんとうれしくなる。
でも、おもしろいのは「カット!」といって、芝居を止めたとき。
突然に女・三四郎が、普通の子に戻る。マキでも、三四郎でもなく、照れ屋の文学少女・谷村美月になる。
面白い子だ。
(つづく)