マキからの手紙(12)長塚先生という役 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]
並木史朗さんに、こう説明した。
「長塚先生という役は、悪役ではありません。
長塚先生は、日本人のお父さんの代表です。最後の頑固オヤジ。
昔なら口うるさいが、いいオヤジ。憎まれながら愛されるキャラでしょう。
この映画の舞台。昭和40年代には、たくさんいたタイプ。
でも、今は時代は変わり、価値観が変化した。正しいものが何なのか? が分かりにくい時代。
これが絶対!ということがない。
そんな時代に、もう機能しない古い価値観をふりまわし、押し付けるオヤジ。
もはや、子供たちを虐待しているのと同じ。
それに気づかずに、横暴を続ける。愛情があるだけに、始末が悪い。
悪役を演じることで、子供たちのためになると信じているから厄介。
それはもう、悪役を演じているのではない。
単に子供たちを傷つける『悪』そのものであること。
本人には、分からないんです・・」
(つづく)
タグ:並木史朗