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天才少女と「心の扉」(8)2005/9/21 [撮影5日目(五)マキの成長]

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 役というのは、俳優が演じるものだが、その役自体が命を持ち動き出す事がある。
 変な例だが、本当に凄い俳優が芝居をするというのは、霊媒師が霊を呼び出して取り憑いたような状態に近い。

 そのとき霊媒師は霊媒師でなくなり、呼び出した霊の生前の姿となる。本当に凄い役者とは、その霊媒師を超える。

 そして、その演じている役が成長していく。俳優の意思とは別に、一人歩きして行く。

 俳優が成長したという演技をしようとしてもダメ。監督が成長した芝居を要求してもダメ。その役自体が成長しなければ、それは出ない。
 ただ、それはいつ、どこで来るか?分からない。そして、その成長を捉えることができたとき、観客の胸を打つ素晴らしい演技、感動の物語となる。

 だから、今回の「ストロベリーフィールズ」。出来る限り順撮りで撮影している。物語の時間に沿って撮影することで、撮影というより、体験をしてほしいと考えた。

 これが従来の撮影スケジュールだと、ラストシーンを撮って、シーン4、6、3、9。そして最終日が「シーン1」ということがある。
 これでは役が成長できない。俳優が計算した演技をするしかない・・・。


(つづく)

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