天才少女と「心の扉」(9)2005/9/21 [撮影5日目(五)マキの成長]
でも、順撮り(シナリオの順番にシーン1、2、3と撮影して行く事。)なら、俳優は登場人物と共に、時間の流れ通りにドラマを経験していける。
さまざまな事件を体感しながら、次のシーンに臨める。その中で、登場人物も俳優も、成長して行くことを期待した。
「成長を演じる」のではなく、「本当に成長すること」を望んだ。
そして今日、この瞬間。マキが本当に成長した。マキ=谷村が、さまざまなドラマを見つめ、考えて考えて、葛藤し、成長したのだ。
谷村美月が意識して、成長を演じたのではない。この瞬間、マキ自身が閉ざしていた心を開いたのだ。マキ自身、谷村自身が成長したのである!
ここまで来ると、僕の役割はひとつ。谷村=マキに、自身の成長を伝えること。
人は自身の成長、なかなか自覚できないものだ。
役の人物も同じ。それを認識することで、本当に成長するのである。マキにそれをどうやって伝えるか?
「前と同じに、やったんですけど・・」
その認識を変えるにはどうするか? そうだ!
(つづく)