ロケハンとは何か(5)刑事でいえば 2005・9・22 [撮影6日目((十六)撮影場所]
パターンというのは、表面的な物語を見せるのに便利な手法。
だが、それは観客の立場を考えるというより、撮影する側にとって便利という意味合いが強い。
新しい表現を模索するとか、その場面に最もふさわしい撮影法を考えるではなく、
パターンに押し込めて、それで安易に済まそうとしていることが多い。
だから、パターンで撮られた作品。安易であり、力を感じない。魅力がない。
ロケ地のよさを引き出すとか、物語の奥行きを伝えるのもむずかしい。
変な例だが、こういうとわかり易い。
殺人事件に来た刑事が、死体を見て、「ああ、これは自殺だ」と決め付けるのがパターンの撮影。
でも、「本当に自殺か?」「殺人ではないか?」「事故ではないか?」「原因はなんだ?」と
いろんな方面から考えていくのが、本来撮影にも必要な思考である。
(つづく)