目がちゃんと、見えるようになった日=右目は3分の1見えないけど! 05-07 [2023年5月 脳梗塞、苦悩]
2023-05-07
脳梗塞のために、右目がよく見えないこと。
これまでは詳しく語らなかった。
視力が落ちるということではなく、左目との生合成を失っていた。
2つのスクリーンを同時に見ている感じ。
そして車の中から外を見ている、もどかしい感覚も。
自分の目で見ている感じではない。
歩くと、ぶつかる。転ぶ。おまけに文字が読めない。
外出はアドベンチャー。
左右の目が違って見えることが、これほどまでに生活しづらくするのか?
これで映画監督業を続けるのは難しい。
生活だけで精一杯。俳優やスタッフの動きを把握し、指示することなんて出来ない。
しかし、映画一筋で生きて来た。
60歳を超えて、目がしっかり見えない者が、
何の仕事をして、どう生きて行けばいいのか?
誰にも、言えなかった。
最初は目のピントが合わなかったが、やがて見えるようになった。
そのことだけ、友人に報告。
両目が別々の風景を映し出し、まともに歩けないことは伝えなかった。
1ヶ月が過ぎても改善せず。医者に聞くと力強く
「分かりません!」
としか答えない。
もう少し言いようが、あるだろう。
気持ちは暗くなるばかり。
それが昨日、さらに目が見えづらくなる。
いよいよ、失明か?
と思っていたが「見えない」ではない。
これまでは「損傷を受けていない左目」が「効き目」になっていた。
それが「損傷を受け3分の1が見えない」右目が「効き目」に戻ろうとしていたのだ。
驚くことに1時間もかからず、僕が戸惑っている間に、右目が効き目になった。
右目が中心とあり見るようになったのだ。
右目の風景と、左の目の風景が繋がる。1つになって見える。
これまでは別々に映し出していた、
2台のテレビが、1台の横長スクリーンのテレビになった感じ。
嘘だろう?ちゃんと見えるじゃないか?
もちろん、右目の3分の1は損傷しているから見えない。
が、3分の2は見える。
プラス、左目。映画で言えば、ビスタビジョンの広さ!
マジかよ!両目が連携してるぞ〜。
確かめるために外出。街を歩いた。
ぶつかったり、足を踏み外したりしない。
ちゃんと見える!泣きそうになった。
ファミレスでぶつからずに席につけた。
壁に当たらずトイレに行けた。席に戻り、コーヒーを飲む。
涙が溢れた。
「見える・・・ちゃんと見える・・」
目が見えるって、なんて素晴らしいんだ!
「素晴らしき哉!人生」のJ・スチュアートの気持ちを痛感。
映画と同じように「ありがとう!」と叫びたくなる。
サングラスをかけて泣いた。
若干、見えない角度はあるが、2つの目がつながって見えるから大丈夫。
映画と同じ横長画面だ。これなら、また映画が撮れる!
涙がボロボロと溢れ落ちる。
スマホで渡辺美里の「Long Night」を聴いた。
涙がと止まらなくなった...。
♪「たった一つの夢が見えるから、
たった1つの勇気に変えたい。
昔のままではいられない。
Long Night〜Long Night〜辿り着きたーいー」
また、映画が撮れる....。
ファミレスの窓から、夕陽が優しく微笑んでいるのが見えた。
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