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第十九章 最終準備篇Ⅰ ブログトップ
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夏美の8ミリカメラを探せ!(7ー終)想い出を作る道具 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

 
 8ミリカメラを持って来てくれた友人は言う。

フジカ2^s.jpg

 「映画の中で壊してもいいですよ!」

 が、そんなことは絶対にできない。

 8ミリカメラ=想い出。映画の中とは言え壊すのは許せない。

 物語の終わりも、夏美はカメラを大切に持っている。

 川に投げこんだり、捨てたり、置いて行ったりしない。

 映画「ストロベリーフィールズ」の中では、8ミリカメラは想い出の象徴。カメラを捨てるのは、大切な想い出を捨てるのと同じ。

 そんなことを物語の中では、絶対にしない。もし、それを求める者がいれば「ストロベリー」のテーマが理解できない無神経なヤツだ・・。

 僕も学生時代に使った8ミリカメラ。もう、撮影に使うことはないが、捨てずに、今も大切にしている。

 大人になった夏美もカメラを大切にしていて、今も子供たちの想い出を撮影しているだろう・・・。

 そんな夏美の8ミリカメラ。今回の作品を象徴する、大切な小道具である。

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと9日!


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夏美の8ミリカメラを探せ!(6)想い出と8ミリフィルム 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

排水溝.jpg

 想い出と、8ミリフィルムはとても似ている。映像は1枚写真と違い、映った人は動き、笑い、微笑む。フィルムの中では歳を取らず、昔のまま。

 想い出が形になったようなもの。

 そう考えると、想い出を描く今回の「ストロベリーフィールズ」。全体が8ミリ映画のようなものだと思えてくる。

 大人になった夏美が、子供の頃に撮った映像を見せて語りかけてくる形だ。

 ラストで8ミリカメラのフレームを覗く夏美。そこには、懐かしいあの頃の風景がある。

 マキも、理沙も、美香も笑顔で応えてくれる・・・。

 あの頃が変わらず存在する・・・。
 
 想い出がそこにある。それがこれからの夏美を支えて行く。辛いことがあっても、がんばれる・・。

 そんな大切な想い出を記録したのが、夏美の8ミリカメラ。だから、拘りたかった・・。

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと9日!


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夏美の8ミリカメラを探せ!(5)想い出は永遠に・・ 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

 今回の映画「ストロベリーフィールズ」。

 シナリオを読めば、オープニングシーンから分かるように(未読の方は以下のアドレスからシナリオのオープニングシーンが読めます)全て回想で描かれている。

シナリオ❶ー>http://t-ota.blog.so-net.ne.jp/2008-02-14-5

雲、雲、雲1.jpg

 アメリカ映画の「おもいでの夏」「スタンドバイミー」のような感じ。両映画ともに成長した主人公が、昔を振り返るナレーションで始まる。

 彼らの想い出を、観客が一緒に見つめるという形式。
 
 想い出というのは形がない。その人の記憶にしか残らない。でも、想い出は懐かしく、今の自分を支えてくれる。

 辛い想い出、楽しい想い出、それが今の自分を作っている。

 想い出があるから人は、苦しくてもがんばっていける。想い出を作りながら、人は生きて行く・・・。

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと9日!


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夏美の8ミリカメラを探せ!(4)これだ!!! 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

フジカp.jpg

 どうしようか?と考えると・・・。

 (写真上)長年の友人が8ミリカメラを持って来てくれた。

 フジカ・シングル8 P300。

 小型で片手で持てる大きさ重さので、17歳の佐津川愛美でも大丈夫。

 小さいがおしゃれでレトロな感じがいい。

 昭和40年代の感じ。

 小型なのにデザインが凝っていて、マニアが使うカメラという感じもする。

 もともとは夏美のお父さんが買ったカメラ。その感じも出したい。

 自動露出だが、ズームも付いている。

 こんなカメラを探していた。

 さすが、長年の親友。僕の思いを理解してくれている!

 感謝!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 この8ミリカメラ。なくてはならない、大切な小道具なのだ!

 (つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと9日!


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夏美の8ミリカメラを探せ!(3)女子高生が使える機種 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

 中古カメラの店で8ミリカメラは見つからず、演出部のサード君もお手上げ。

 僕自身が学生時代に使っていたカメラはある。が、かなり本格派(?)。知る人ぞ知るキャノン1014−XLSである。

 今回の映画「ストロベリーフィールズ」のベースなった自主映画「バイバイ・ミルキーウェイ」を撮った8ミリカメラ。

1014.jpg

 が、高校2年生の女の子が、気軽に使えるものではない。

 どうしたものか・・・と考えていると、先の友人が「ありますよ!」と持って来てくれた。

 小道具ひとつにもセンスが大切。

 それが主人公のキャラを表現したり、時代色を出したり、画面作りをしてくれたりする。

 演技やカメラも大事だが、小さな小道具が大きな効果を上げるのを忘れてはいけない。


 (つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと9日!



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夏美の8ミリカメラを探せ!(2)父親の形見 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

8ミリカメラB.jpg

 (写真上。8ミリカメラ。でも、夏美が使うには大きすぎた)

 ドラマの中。夏美(佐津川愛美)の父(小西博之)は8ミリマニアで、数々のカメラを持っているという設定。その中から夏美は女の子でも使える、小さなものをもらった・・。

 間もなく父はそれが父の形見となり、夏美の唯一の友達となる。でも、人を撮影することはほとんどない。いつも入道雲や風景ばかり撮っていた。

 そんなとき、ふとしたことで同級生のマキ(谷村美月)の応援に行くことになる。出発のときに、8ミリカメラをまわす。
 けど、それがマキたちの最後の姿を記録することになる。

 劇中、幽霊になったマキと共に、夏美はそのフィルムを見る。

 最後のシーンでは、カメラのフレームから想い出が見える。

 そして、そのカメラで撮影した町の風景を見ているという設定で、大人になった夏美が物語を語るのが映画のオープニング。

 そう。夏美は結婚したあとも、子供が出来てからも、父の形見であり、友達との想い出を記録した8ミリカメラを大切にしているのだ。

 そんなカメラなので、選ぶのが大変。友情と愛情が詰まった感じのカメラを探していた・・・・。

 
 (つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと9日!






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夏美の8ミリカメラを探せ!(1)昭和40年代 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

 主人公の夏美(佐津川愛美)が使う8ミリカメラを探していた。

 映画の舞台は昭和40年代なので、ビデオ・カメラではまずい。

 演出部のサード君が小道具担当なので、探してもらった。が、見つけて来たものは、あまり見栄えがしない。

 他でも探してもらったが、今イチイメージが違う。

8ミリカメラA.jpg

 そこで僕自身も時間のない中、中古カメラの店をまわる。

 10年くらい前までは、まだ並んでいた8ミリカメラ。今は全くといっていいほど置いてない。

 聞いても「もう、扱ってないなあ・・」といわれる。まあ、フィルム自体が生産中止になって何年も経つのだから当然・・。

 でも、夏美の8ミリカメラは重要な小道具。見つけなければならない・・。

(つづく)


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「本読み」とは何か?(13ー終)俳優と共にスタート地点を探すこと 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

 ある俳優。演じる役が日によってキャラクターが変わる。

 それが本読みで、決まったキャラを掴む。それ以後は安定した演技。

 物語の方向性も理解した。台詞を覚えるだけで精一杯だった子たちが、競うようになる。それぞれが協調して、ドラマを作り出した。

11537070.jpg

 「本読み」の必要性をさらに実感!

 本読みは監督が俳優の演技を見て、演出プランを立てるためにやるものではない。

 監督が物語を伝え、俳優と共に進んで行く方向を決めるもの。

 互いの思いを交換する作業。

 時間がないからと、省略しては絶対にいけないものだ。

 映画「ストロベリーフィールズ」も本読みをやる。

 いよいよ、明日だ!

(つづく)


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「本読み」とは何か?(12)俳優とスタート地点を探すこと 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

 「そこまでして、本読みをするか?」

 呆れる関係者もいた。俳優たちは新人で「本読み」の経験はない。嫌がるかもしれないとも考えた。

 が、彼女たちは真剣だった・・・。

ランドリー.jpg

 洗濯機がガラガラとまわる前で、みんなで本読みをする。

 ただ、読むだけではなく、いろいろと質問して、俳優たちに考えてもらう。

 洗濯機が止まり、衣服を乾燥機に移すときは、男連中は外に出る。終わったら「どーぞ!」と声がかかり、ランドリー内で「本読み」再開!

 「このキャラは『スケアクロウ』のアルパチーノのような感じじゃないかな? 見たことあるその映画?」

 「ああ、知ってます!」

 そんなことを話しながら、俳優たちと役柄を掴んで行く。声に出して台詞を読んでみる。
 
 1時間くらいの本読み。

 翌日。彼ら彼女らの演技。目覚ましく変わった。

北海道1.jpg

 別のドラマのようになった!

 
(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと9日!




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「本読み」とは何か?(11)コインランドリーで本読み! 2005/9/8 [第十九章 最終準備篇Ⅰ]

風娘 運命の木ー小.jpg

 俳優たち。撮影中は衣装だが、それ以外は私服。何着も持って来ているが、何日かすると、着るものがなくなる。

 宿舎はロッジ。洗濯は近所のコインランドリーへ行かねばならない。

 時間がないので、本来なら誰かに頼みたいところ。だが、女優さんが多く、人には頼めない。

 そこにチャンスがあった・・.

 時間のない撮影。だが、俳優たちの着るものがないというのはマズい。制作部もやりくりして、時間を作った。 

ランドリー.jpg

 ランドリーへ行き、洗濯機をまわすのに30分。乾燥機が40分。

 その間、俳優たちはランドリーにいる。洗濯物を置いてどこかに行く訳にはいかない。

 その時間を使って「本読み」を実施した!

(つづく)


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