涙の本読み(12)さまよいシーン! 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
僕自身がト書きを読み、音楽係をしながら進行役となる。読み始める!
「シーン(23)町、午後。夏美たち、悲しい音楽に乗せて町を歩く。屋敷町。会津川の土手、古びた神社、江川町、稲成。梅林は高台なので町が一望できる・・・」
「彷徨い」シーンに入った。夏美、マキ、理沙、美香の4人が、生まれ故郷の町で、想い出を探して歩く場面。
悲しげで静かな音楽が流れる中、淡々とト書き読みが続く。
ト書き(僕)「マキは作業場で父の作業を手伝ったこと。母親とご飯を食べたこと。学校帰りに 理沙たちにいじめられたこと。
柔道着でジョギングしたこと。鉄男と遊んだこと。夏 祭り。精霊流し。
美香はお父さんの弁当を届けたこと。勉強しながら歩いたこと。一人で川に石を投げたこと。マキと花火をしたこと。スイカを食べたこと・・」
そのナレーションのバックに寂しげな音楽を流す。次第に俳優たちは、世界に入って行く。
再び台詞のあるシーン。美香のタイムリミットが迫り、何か想い残したことはないか? 夏美が美香に問う場面。
最初は手探りで、台詞を読んでいた佐津川愛美たち。この辺りから、迷いがなくなって来る・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
「シーン(23)町、午後。夏美たち、悲しい音楽に乗せて町を歩く。屋敷町。会津川の土手、古びた神社、江川町、稲成。梅林は高台なので町が一望できる・・・」
「彷徨い」シーンに入った。夏美、マキ、理沙、美香の4人が、生まれ故郷の町で、想い出を探して歩く場面。
悲しげで静かな音楽が流れる中、淡々とト書き読みが続く。
ト書き(僕)「マキは作業場で父の作業を手伝ったこと。母親とご飯を食べたこと。学校帰りに 理沙たちにいじめられたこと。
柔道着でジョギングしたこと。鉄男と遊んだこと。夏 祭り。精霊流し。
美香はお父さんの弁当を届けたこと。勉強しながら歩いたこと。一人で川に石を投げたこと。マキと花火をしたこと。スイカを食べたこと・・」
そのナレーションのバックに寂しげな音楽を流す。次第に俳優たちは、世界に入って行く。
再び台詞のあるシーン。美香のタイムリミットが迫り、何か想い残したことはないか? 夏美が美香に問う場面。
最初は手探りで、台詞を読んでいた佐津川愛美たち。この辺りから、迷いがなくなって来る・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(11)ト書きの読み方 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
助監督さん。ト書き読みを続ける・・。
が、だんだん、気になってきた。決して、ヘタというのではないのだが・・・。物語の世界観が十分に伝わって来ない。
ナレーターでも、俳優でもないので、当然なのだが、ジリジリしてくる。何より、ロケ地である田辺にもまだ行っていないので、情景をイメージして読むことができない。
その風景を知っていて読むのと、そうでないのでは大きな違いがある。俳優にも町の感じを伝えたい! それには田辺の風景描写を知っている者が読む方がいい。
ト書きの読み方ひとつでもっと、もっと世界観を伝わる。佐津川愛美も、谷村美月も、芳賀優里亜も、波岡一喜も、かなりいいところまで来た。
もっと、もっと、「ストロベリーフィールズ」の世界を伝えたい! それなら、僕が読むのが一番早い。読み役を交代してもらった。
本読み再開! 僕自身がト書きを読み、音楽係をしながら進行役となる。読み始めた!
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
が、だんだん、気になってきた。決して、ヘタというのではないのだが・・・。物語の世界観が十分に伝わって来ない。
ナレーターでも、俳優でもないので、当然なのだが、ジリジリしてくる。何より、ロケ地である田辺にもまだ行っていないので、情景をイメージして読むことができない。
その風景を知っていて読むのと、そうでないのでは大きな違いがある。俳優にも町の感じを伝えたい! それには田辺の風景描写を知っている者が読む方がいい。
ト書きの読み方ひとつでもっと、もっと世界観を伝わる。佐津川愛美も、谷村美月も、芳賀優里亜も、波岡一喜も、かなりいいところまで来た。
もっと、もっと、「ストロベリーフィールズ」の世界を伝えたい! それなら、僕が読むのが一番早い。読み役を交代してもらった。
本読み再開! 僕自身がト書きを読み、音楽係をしながら進行役となる。読み始めた!
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(10)アル・パチーノ&ダスティン・ホフマン 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
強烈なキャラを演じると、俳優はその役から脱皮できないことが多い。
その昔、「スーパーマン」を演じたジョージ・リーブスは、イメージが強過ぎて、その後仕事がなく、プロレスラーに転向した。
スティーブ・マックイーンはアクション俳優の印象が強く、文芸作品のオファーが来なかった。結局、自分で製作費を集めて「民衆の敵」に出演した。
イメージというのは恐ろしい。だが、アル・パチーノやダスティン・ホフマンはそれを超える演技をする。
厳しい注文だが、谷村美月にも同じものを求めたい。
ただ、由希とマキは不良というだけで、本来は全く違うキャラ。性格も、生い立ちも、言葉使いも、行動力も全然違う。
マキは古いタイプの不良だが、由希は今時の不良少女。全く別のキャラ。同じように演じる方がむずかしいだろう。
しかし、同じ俳優が演じることで似てしまうことを危惧した。
本読みの谷村を見ていると、そんな理屈ではなく、完全に別の役キャラで、マキの台詞を読んでいた。そこに「カナリア」少女の面影は全くない。
さすがだ!
まだ、固まってはいないが、方向は間違っていない。おそるべき15歳! いいぞ! そのまま行け!
佐津川愛美も、芳賀優里亜も、彼女たちなりに役を考え抜いて来た感じがある。ただ、まだ皆、手探り状態。それを模索し、世界観に合うかどうかを試している段階だ。
助監督さんのト書き読みが続く・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
その昔、「スーパーマン」を演じたジョージ・リーブスは、イメージが強過ぎて、その後仕事がなく、プロレスラーに転向した。
スティーブ・マックイーンはアクション俳優の印象が強く、文芸作品のオファーが来なかった。結局、自分で製作費を集めて「民衆の敵」に出演した。
イメージというのは恐ろしい。だが、アル・パチーノやダスティン・ホフマンはそれを超える演技をする。
厳しい注文だが、谷村美月にも同じものを求めたい。
ただ、由希とマキは不良というだけで、本来は全く違うキャラ。性格も、生い立ちも、言葉使いも、行動力も全然違う。
マキは古いタイプの不良だが、由希は今時の不良少女。全く別のキャラ。同じように演じる方がむずかしいだろう。
しかし、同じ俳優が演じることで似てしまうことを危惧した。
本読みの谷村を見ていると、そんな理屈ではなく、完全に別の役キャラで、マキの台詞を読んでいた。そこに「カナリア」少女の面影は全くない。
さすがだ!
まだ、固まってはいないが、方向は間違っていない。おそるべき15歳! いいぞ! そのまま行け!
佐津川愛美も、芳賀優里亜も、彼女たちなりに役を考え抜いて来た感じがある。ただ、まだ皆、手探り状態。それを模索し、世界観に合うかどうかを試している段階だ。
助監督さんのト書き読みが続く・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(9)谷村美月・由希からマキへ 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
谷村美月が映画『カナリア』で演じた由希は、不良少女。
『ストロベリーフィールズ』のマキも、タイプは違うが不良。
でも、根本的には違う役柄。これを同じに演じたら厳しい。『カナリア』の由希を演じてほしくて、谷村に出演依頼したのではない。
谷村の心に秘めた「強さ」や「ひたむきさ」に惹かれ、「この子ならマキを演じられる! この子しかいない!」と思ったのだ。
『カナリア』の演技は本当に素晴らしい。が、それとは違う不良少女マキを演じてほしい。
例を上げれば、アル・パチーノ。
『ゴッドファーザー』でマフィアのボスであるマイケル・コルレオーネを演じている。その後、『スカーフェイス』でも、ギャングのボスを演じた。 どちらもギャング。
が、パチーノの演技は全く違う。『スカーフェイス』を見ていて「マイケル・コルレオーネだ!」とは思わない。そこが名優たる所以。
谷村にも同じものを求めたい。「また、不良少女だなあ・・・」と思われない演技をしてほしかった。が、これは本当にむずかしい。レベルの高い要求だ。
名優のジーン・ハックマンでも、『フレンチコネクション』の当たり役・ポパイ刑事を演じたあとは、何もやってもポパイに見えてしまう。
あの『ミシシッピー・バーニング』のFBI捜査官、どう見てもポパイ刑事だった・・・
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
『ストロベリーフィールズ』のマキも、タイプは違うが不良。
でも、根本的には違う役柄。これを同じに演じたら厳しい。『カナリア』の由希を演じてほしくて、谷村に出演依頼したのではない。
谷村の心に秘めた「強さ」や「ひたむきさ」に惹かれ、「この子ならマキを演じられる! この子しかいない!」と思ったのだ。
『カナリア』の演技は本当に素晴らしい。が、それとは違う不良少女マキを演じてほしい。
例を上げれば、アル・パチーノ。
『ゴッドファーザー』でマフィアのボスであるマイケル・コルレオーネを演じている。その後、『スカーフェイス』でも、ギャングのボスを演じた。 どちらもギャング。
が、パチーノの演技は全く違う。『スカーフェイス』を見ていて「マイケル・コルレオーネだ!」とは思わない。そこが名優たる所以。
谷村にも同じものを求めたい。「また、不良少女だなあ・・・」と思われない演技をしてほしかった。が、これは本当にむずかしい。レベルの高い要求だ。
名優のジーン・ハックマンでも、『フレンチコネクション』の当たり役・ポパイ刑事を演じたあとは、何もやってもポパイに見えてしまう。
あの『ミシシッピー・バーニング』のFBI捜査官、どう見てもポパイ刑事だった・・・
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(8)4人とも凄い! 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
しかし、感動している場合ではない。今は本読み。皆の様子を見た。
さすがに四人ともドラマ経験があるので、よくある10代たちの本読みとは違う。
棒読みする者、一人もいない。ニアンスやイントネーションもOK。四人ともかなり読み込んで来ていることを感じる。
プロの俳優だと「本読み」の前にかなり読み込んで、自分なりのスタイルや方法論。キャラクターを作り上げて参加する。
が、10代の子たちの場合。事前にシナリオを読んではいても、その場で初めて声を出して読むようなことがある。
いや、実はそのときに初めてシナリオを開いたという子だっていた。学校の授業と同じ感覚。予習はしない。仕事場で読めばいいと思っている。
しかし、今回の子たちは違った。皆、読み込んでいる。
そんな子たちの経歴。佐津川は映画「蝉しぐれ」に1年がかりで出演。テレビドラマ「がんばっていきまっしょい!」に出演。数は出てない。
逆に芳賀優里亜は子役時代から活躍。「仮面ライダー555」のレギュラー。その劇場版にも出ている。
波岡一喜は「パッチギ!」で名演技を見せているし、会ったときから切れ者だと分かっているので安心株。
あと、谷村美月。この時点、出演作もまだまだ少ないはず。僕はまだ「カナリア」しか見ていない。
あのときの谷村の演技は、最高に素晴らしい。それを見てマキをお願いしたのだが、ひとつ心配な点もあった・・・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(7)他の10代とは違う! 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
5年前。この「ストロベリーフィールズ」のシナリオを書いた。
それから営業を続け、製作費を集めてまわり、スタッフ、キャストが決まり、ようやくクランクインを直前まで来た。
その間、何度も何度もシナリオを直した。そのたびに夏美たちは成長して行く。
最初は単なる物語のキャラクターだったが、次第に性格を形成、過去を持ち、悲しみや喜びを感じるようになる。
ときには作者である、僕のいうことを聞かないこともあった。物語の登場人物も育ってくると、一人歩きする。
その娘たちが今、言葉を発している。シナリオの活字を追い、台詞を頭の中で想像するのではなく、10代の女の子が実際に声を発している。
生まれたばかりの我が子が、初めて声を出したときのような感動。胸が熱くなる。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
それから営業を続け、製作費を集めてまわり、スタッフ、キャストが決まり、ようやくクランクインを直前まで来た。
その間、何度も何度もシナリオを直した。そのたびに夏美たちは成長して行く。
最初は単なる物語のキャラクターだったが、次第に性格を形成、過去を持ち、悲しみや喜びを感じるようになる。
ときには作者である、僕のいうことを聞かないこともあった。物語の登場人物も育ってくると、一人歩きする。
その娘たちが今、言葉を発している。シナリオの活字を追い、台詞を頭の中で想像するのではなく、10代の女の子が実際に声を発している。
生まれたばかりの我が子が、初めて声を出したときのような感動。胸が熱くなる。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(6)本人たちの声で聞く台詞 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
いちご4人娘が勢揃いして台詞を読むのは、河原の排水口シーン。
まず、谷村美月の台詞からだ。
マキ(谷村美月)「(カメラに向い)絶対に優勝! 気合いで行きます!」
美香(助監督)「目標は何ですか?(しゃもじを向けインタビュー)」
マキ(谷村美月)「一分以内に相手をKOします!」
夏美(佐津川愛美)「(8ミリカメラをまわす)」
鉄男(波岡一喜)「夏美も友達ふえたなあ?」
夏美(佐津川愛美)「(笑顔)」
鉄男(波岡一喜)「よし、みんなで記念写真撮ろか?」
僕が5年前に書いた台詞。それを何度も何度も書き直して、完成させたシナリオ。
それを今、何百人の中から選んだ俳優たちが読む。この子こそ、夏美だ! マキだ! 鉄男だ!と感じて選んだ子たち。
その佐津川愛美たちが声を出して台詞を読む。谷村美月や芳賀優里亜。鉄男役の波岡一喜が台詞を言葉にする。
演じる本人たちの声で聞く台詞。感慨深い・・・。ロケ地・田辺の排水口の風景が浮かんだ・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
まず、谷村美月の台詞からだ。
マキ(谷村美月)「(カメラに向い)絶対に優勝! 気合いで行きます!」
美香(助監督)「目標は何ですか?(しゃもじを向けインタビュー)」
マキ(谷村美月)「一分以内に相手をKOします!」
夏美(佐津川愛美)「(8ミリカメラをまわす)」
鉄男(波岡一喜)「夏美も友達ふえたなあ?」
夏美(佐津川愛美)「(笑顔)」
鉄男(波岡一喜)「よし、みんなで記念写真撮ろか?」
僕が5年前に書いた台詞。それを何度も何度も書き直して、完成させたシナリオ。
それを今、何百人の中から選んだ俳優たちが読む。この子こそ、夏美だ! マキだ! 鉄男だ!と感じて選んだ子たち。
その佐津川愛美たちが声を出して台詞を読む。谷村美月や芳賀優里亜。鉄男役の波岡一喜が台詞を言葉にする。
演じる本人たちの声で聞く台詞。感慨深い・・・。ロケ地・田辺の排水口の風景が浮かんだ・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(5)よーい、スタート! 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
参加メンバーは、佐津川愛美、谷村美月、芳賀優里亜、波岡一喜。
演じる役の台詞を声を出して読む。
監督である僕がかけ声をかけ「本読み」を始める。
「よーーーい。スタート!」
シナリオのト書きは、演出部のセカンドが読むの慣習。ト書きというのは、台詞以外の部分。状況説明の文章。
「シーン1、 街の風景(朝)青い空。白い入道雲。古い神社。狭い路地。木造の家。昔見たような懐かしい街並み・・」
と、読んで行く。それに合わせて、僕がラジカセで音楽を流す。仮に選んだメインテーマがラジカセから流れる。
その場にいない俳優のパートが来れば、それも助監督さんが読む。
4人が勢揃い。台詞が始まるのは、河原の排水口シーン。
まず、谷村美月の台詞からだ!
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(4)読み込んだシナリオ 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
本読み前も、注意して3人を見ていると、いろんなことが分かる。
通常、10代の女の子は時間があると、同世代の子たちと、とりとめのないおしゃべりを始める。
が、誰もそんなことはしない。皆、緊張した顔で、準備。
谷村美月は床に座ると同時に、シナリオを取り出して、読み始める。本はすでに何度も読み返したようで、くたびれていた。
いろんな十代と仕事をしたが、こんな子たちは初めてだ。谷村の言葉を思い出す。
「朝起きてから寝るまで、ずっと芝居のことを考えています!」
本当だと思えた。 他の子たちも、それぞれに特長があった。気楽にやってもらおうと思ったが、緊張感が高まって行く。
波岡一喜君はすでに、何本も仕事をしている。初めて会ったときから、頭のいい出来る子だと感じている。が、10代の女の子たちは不安があった。
が、今回の3人。今までとは違う・・・。
皆に声をかけ、いよいよ「本読み」をスタートする。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!
涙の本読み(3)気楽に行こう! 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]
1度目の本読みは、気楽にやることにしている。
俳優が間違った読み方をしても、雰囲気が違っても、注意せずに読ませる。漢字の読み方が分からなくても、厳しく注意しない。
ここの読み方や声の強弱、ニアンス等、いろいろあるが、自由に読んでもらう。この段階であまり細かいことを言うと、俳優たちは混乱し、萎縮してしまう。
それよりも物語全体の流れやトーン、色合い、世界観を掴んでもらうのが目的。
同時に、僕は俳優たちの理解度、声の質、態度、集中力、キャラクター、性格等に注目する。
もちろん、知人の監督が言うように(以前に紹介したエピソード参照)、本読みと本番での演技は違う。
が、本読み時の表現を知ることで、どの方向に進めればいいか? どこが問題点なのか?を把握して演出するためには重要なのである・・・。
(つづく)
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!