映画「ストロベリーフィールズ」脚本紹介／シーン25ーB・夏美の家 2005／9／9

＜シナリオ＞

（25ーB）夏美の家・昼



マキ（谷村美月）「好きだった男とか、いなかったのか？」
美香（東亜優）「（考える）」
理沙（芳賀優里亜）「・・・いる訳ないでしょう？」
マキ「（後ろを振り返りながら）余計なこと言うな！」
美香「・・・一年の時、憧れていた男子がいたの・・・」
夏美（佐津川愛美）「誰？」
　　　　　　　　　＊
美香の声「野球部の深町君。ピッチャーの・・」
　　　　　　　　グランドでボール投げる深町。応援する美香。
　　　　　　　　　＊

マキ「付き合ってたのか？」
美香「（首を振る）」
マキ「その深町に告白しよう！今は・・社会人野球をしてたよな！」
夏美「うん」
理沙「・・・・どうかな・・・男はすぐに浮気するから・・」
マキ「美香。会いに行こう！」
夏美「会社はここからすぐ！」
マキ「そこで夏美が話せ。美香がずっと好きだったって伝える
　　んだ！」
夏美「・・う・・うん・・・（頷く）」
美香「（嬉しそう）」
マキ「・・・・・（頷く）・・・早く行こう！」

理沙「・・・私は行かない・・」

夏美「理沙！」
理沙「（時計を見て）あと、四五分しかないわよ」
マキ「こんな奴は置いて行こうぜ！」
夏美「・・・・・・」

（つづく）


＊映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと８日！

映画「ストロベリーフィールズ」脚本紹介／シーン25ーＡ・夏美の家 2005／9／9

　　　　　　　　　　　　　＜シナリオ＞


（２５）夏美の家・内／午後　　　　　　　　　　　高山寺分室 　　




　　　　　　　　テーブルいっぱいに並べられたケーキ。全部イチ　　
　　　　　　　ゴが乗っている。



美香（東亜優）「・・（嬉しそうに見詰めている）・・・」
夏美（佐津川愛美）「美香もイチゴ、好きだったの？」
美香「（満面の笑顔で頷く）」
夏美「私も！」
マキ（谷村美月）「お前ら子供かよ！これが思い残したことかよ！」
美香「・・だって、太るの気にしてたから・・・」
マキ「くだらねえ！」

夏美「美香。食べて！」
美香「（ケーキを掴もうとするが、手が素通りする）」
夏美「！」

理沙（芳賀優里亜）「（微笑む）人生は残酷ね・・・・・・」

美香「・・・（ケーキを掴もうとするが、やはり取れない）」
夏美「・・・・・・（悲しい）・・」
マキ「夏美・・・・代わりに食べてやれよ・・・・」
夏美「・・・・うん」

美香「（イチゴのケーキを指差す）これ食べてみて？」
夏美「（頷いてフォークで、切って口へ放り込む）」
美香「どー、おいしい？」
夏美「（無理に笑おうとするが、泣きそうになる）」
美香「おいしくない？」
夏美「（首を振って、微笑む）・・」
美香「今度はこれ！　（と別のケーキを指差す）」
夏美「（手掴みでケーキを食べる。口のまわりはクリームだらけ。
　　　だんだん泣き顔になる）｣



美香「・・・・・（泣けてくる）・・」
理沙「・・・・（髪を掻き上げる）・・・・」
マキ「美香。他に何かないのかよ！　食えないケーキを見てても
　　　想い出にならないだろ！」
夏美「・・・・・・・・・・」

（つづく）


＊映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと８日！

映画「ストロベリーフィールズ」脚本紹介／シーン24・浜辺 2005／9／9

　　　　　　　　　　　＜シナリオ＞


（２４）浜辺／午後　　　　　　　　　　　　　　　　扇が浜 　　　　



　　　　　　　　海にも思い出がいっぱいある。
　　　　　　　　美香（東亜優）、犬を散歩させたこと。
　
　　　　　　　　お父さんと砂の城を作ったこと。
　　　　　　　　歩きながら、思い出を噛み締める。

　　　　　　　　音楽終わり、四人は打ち寄せる海を見
　　　　　　　　つめている。

マキ（谷村美月）「・・美香。何かしたいことないのか？　あと・・」
理沙（芳賀優里亜）「（夏美の腕時計を見る）三時間・・」
マキ「この世にいられるのは、たったの三時間だぞ」

美香「・・・・（砂時計を見つめる）」



夏美（佐津川愛美）「・・・何かないの？」
美香「・・・・・・・・・あっ！（と嬉しそうに）」
夏美「何？」

（つづく）


＊映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと８日！

映画「ストロベリーフィールズ」脚本紹介／シーン23・町 2005／9／9

　　　　　　　　　　　＜シナリオ＞

（２３）町／午後　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　

　　　　　　　夏美（佐津川愛美）たち４人、悲しい音楽に乗せて
　　　　　　　町を歩く。
　　　　　　　屋敷町。会津川の土手、古びた神社、江川町、稲成。
　　　　　　　梅林は高台なので町が一望できる。それぞれの場所で、
　　　　　　　それぞれの思い出が蘇る。



　　　　　　　まるで８ミリフィルム映像のようなリアルな描写。



　　　　　　　マキ（谷村美月）は作業場で父の作業を手伝ったこと。
　　　　　　　母親とご飯を食べたこと。
　　　　　　　学校帰りに理沙（芳賀優里亜）たちにいじめられたこ
　　　　　　　と。柔道着でジョギングしたこと。鉄男と遊んだこ
　　　　　　　と。夏祭り。精霊流し。

　　　　　　　美香（東亜優）はお父さんの弁当を届けたこと。
　　　　　　　



　　　　　　　勉強しながら歩いたこと。一人で川に石を投げたこと。
　　　　　　　マキと花火をしたこと。スイカを食べたこと。
　　　　　　　奇絶峡ではみんなで岩に昇って、幼い日に泳いだ川を
　　　　　　　見つめる。



　　　　　　　理沙（芳賀優里亜）の思い出はあまり紹介されない。
　　　　　　　一人で天神崎にいて、何かを見ているイメージだけ。



　　　　　　　学校の中を歩く四人。授業風景。美香、委員長として
　　　　　　　学級会。皆ダベっていて話を聞かない。音楽室。歌の
　　　　　　　テスト。皆、それぞれの場所に座って思い出に浸る。
　　　　　　　職員室。先生に美香、日誌を届ける。




　　　　　　　リレーする美香。音楽室。テストでピアノに合わせて
　　　　　　　歌ったこと。



　　　　　　　お弁当を食べたこと。
　　　　　　　マキ、どか弁を食べたこと。誰もいない部室を訪ねる
　　　　　　　マキたち。自分の名前の札。腕立て伏せしたこと。技
　　　　　　　を競ったこと。練習の思い出。泣けて来る・・・。

（つづく）


＊映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと８日！