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手直し部分紹介(下) 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

直し4.jpg

(この項、了)
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手直し部分紹介(上) 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 以前に紹介したシーン(23)と比べてもらうと、違いがよく分かる。

直し2.jpg


 

(つづく)

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切って貼る   2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 書き直した部分は、パソコンで打ち出してシナリオに貼付ける。

 以下の写真のような感じ。

 シナリオ直し1.jpg

(つづく)



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チーフの答え。友人の感想。2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 「と、いう展開に直そうと思うんですよ。どうです? チーフ」

 「うーーーーーん。いい話だ。前は4人でずっと一緒に行動していて、死神が来てから1人ずつ連れて行かれる。

 でも、今回は一度別れて、やっと再会したのに、連れて行かれる。

 その方が残酷だけど、より感動出来る。それに、そのストーリーなら。スケジュール的にも嵌る・・・。俺も助かる・・」

 助けられたのは、僕の方だ。今回は素敵なスタッフに、支えられていることを痛感。

 そして作品を守ろうと、格闘してくれたチーフの姿に感動した。

 早々に書いて、友人に見せる。スケジュール問題を知らない人の感想が聞きたかった。

シナリオ5.jpg

 一読した友人が言う。

 「泣ける感動シーンが、またひとつ増えましたね? 前よりもいい話になったと思います」

 (つづく)


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手直しした物語(6)再会・・・。2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 2人は柔道部へ。マキが毎日、練習していた場所。

柔道部.jpg

 部室を覗くと、壁にかかった部員の札。

 それを見つめる少女。マキだ・・。

 そして、教室。再会を喜ぶ3人。様子を見つめるのは、ふて腐れた顔の理沙。

教室1ーs.jpg

 やっと、4人が集まった。もう、会えないと思った友達・・。

 夏美は泣きそうになる。でも、とても嬉しい。みんな思いは同じだった。

 しかし、マキ、美香、理沙に残された時間は少なく、1人また1人と、あの世に連れて行かれるのである・・・。

(つづく)




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手直しした物語(5)新しい物語展開 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 新しい展開は、こうだ。

 バラバラになった4人。主人公の夏美だけが、河原に残されている。何時間経っても皆、帰って来ない。

排水口ー斜め後ろ.jpg

 「もう、タイムリミットが来て・・・死神に連れて行かれたのかな・・。

 そうだ。みんなと一緒に過ごした学校に行こう。せめて、マキや理沙、美香の想い出に触れたい・・・」

 夏美は一人、学校へ行く。

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 長い廊下。寂しげに歩く夏美の前方。座り込む女子高校生。



 美香だ・・・。

 美香も、夏美に気づき顔を上げる。

 もう、会えないと思っていた美香との再会。夏美が微笑む・・・。

(つづく)


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手直しした物語(4)スピルバーグの勝利!2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

レイダースショー1ーS.jpg

 そのシーン。勝負が一瞬で着く!というのに変える。それなら下痢をしたフォードでも、撮影ができる!

 映画館で「レイダース」を見たとき、そのシーンは大ウケだった。「これから戦いが始まる!」と思わせておいて、インディが拳銃を抜き。銃弾一発! ドキューーーン!

 それで勝負がつき。大きな刀を振り上げた黒装束の男が倒れる!

 壮絶な肩すかし。観客は大爆笑。「そんなの在りかよ〜!」と突っ込みたくなるが、あははは・・という感じだった。

 スピルバーグは、アクションシーンを爆笑シーンに変えたのだ。

 これは結果的に成功。アクションを延々と見せるより、笑いで見せることの方が遥かに新鮮であり、面白い。

 災い転じて福となす。いつも、こうはいかないだろうが、スピルバーグはそれを成し遂げたのである。

 「レイダース」の撮影は予定より、数日早く終了。製作費内で納め、映画も大ヒットしたのである。

 その後のスピルバーグはご存知の通り、「ET」「インディジョーンズ/魔球の伝説」「ジュラシック・パーク」「シンドラーのリスト」とさらなる活躍を続けて行くのだ。

 さて、こちらも似たような状況。何とか切る抜けねばならない。スピルバーグ・レベルではないが、僕が考えた新展開は次のようなものだ・・。

(つづく)


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手直しした物語(3)スピルバーグの奇策? 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 今となっては「インディ・ジョーンズ」シリーズの第1作となった「レイダース/失われたアーク」

日本映画から比べると大作だが、ハリウッド的には中規模作品。

 経済的に撮影せねばならない・・・。
 
レイダースショー2ーS.jpg

 飛行機が飛ぶシーンは、映画「失われた地平線」の映像をもらった。

 登場する潜水艦は、ドイツ映画「Uボート」で使ったものを借りている。

 実際に作ったのは、ナチスの複翼機くらいだ。状況は厳しい・・。

 その日撮影するシーン。インディ・ジョーンズが巨大な刀を持った大男と、戦う。

 手に汗握るアクションが炸裂する場面。でも、下痢をしているハリソン・フォードにその体力はない。彼の回復を待つ時間もない。

 そこでスピルバーグはフォードと相談。凄いアイディアを思いつく。

 

(つづく)
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手直しした物語(2)「レイダース/失われたアーク」の場合 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]


 少し話しが逸れるが、こんな話をご紹介。

 スケジュール問題というのは、本当に厳しい。規模は違えどハリウッドも同じだ・・。

ハリウッド看板BーS.jpg

 「アラビアのロレンス」のデビッド・リーン監督。

 膨大な製作費を使い、壮大なセットを組み、1年近い日数をかけて撮影。

 そんな映画は近年ほとんどない。

 (とはいえ、日本と比べるとまだまだ、豪華で贅沢!!)

 今年、「宇宙戦争」が公開されたヒット・メーカー。スティーンブン・スピルバーグでさえ同じ。

 特に1980年の「1941」が興行的に振るわず、大赤字を出したあとは苦しい。

 ジョージ・ルーカスがプロデュサーをつとめることで、スタートした「レイダース/失われたアーク」を失敗するとあとがなかった。

 予算超過やスケジュール、スケジュールを大幅に超えた撮影は許されない。

 そんな撮影中、確かカイロでの撮影だったと思う。

 インディ・ジョーンズ役のハリソン・フォードが下痢を起こし、アクションシーンが撮れないでいた。

 立っているだけで精一杯。しかし、その日の内に撮影を済ませ、次のロケ地に向かわなければならない。

 そのシーンの撮影ができないとスケジュールが大幅に変わり、製作費をオーバーするのである・・・。

(つづく)





 
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手直しした物語(1)3人バラバラ作戦?  2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]


 考えついたアイディア、チーフに話した。

 現在のシナリオ。夏美とマキたち4人は、想い出の場所を訪ねて町を彷徨う。

 実家、河原、父の働く工場、海、そして学校。それぞれの場所に、それぞれの想い出がダブる。

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 全員が一緒に行動。夏美がいないと、幽霊の少女たちは、誰とも話すことができないからだ。

 新たなバージョン。マキと理沙のケンカをきっけに、バラバラに行動するという展開に変更する。

 それぞれが、1人でそれぞれの想い出の地を訪ねる。

10367418.jpg11479189.jpg奇絶峡^優子.jpg

 それによりスケジュール問題が、まず解決する。

 撮影日が足りないのではないのは、4人が一緒にいるシーンが多いから。

 もともと撮影は余裕がある。

 上の展開なら、A子がいないときは、B子。B子がいないときは、C子の単独の撮影ができる。4人一緒の撮影日が大幅に減る。

 ただ、真面目なチーフは、こう言うだろう。

 「また、スケジュールのために言ってんだろう?」

 が、そうではない。このあとの展開。我ながら、「よく思いついた!」と感じるものだ。

(つづく)
 

 
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「スケジュールのためなら、受け入れられない」 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 「チーフ。例のスケジュール問題。解決してないですよね?」
 
 「してない! でも、もう少し考えてみる・・」

 「実は、僕も考えたんですが、4人一緒のシーンを直そうと思うんです」

シナリオ6.jpg

 「・・・監督。もしかしたら、スケジュールのこと心配して、無理にシナリオを直そうというんじゃないよね? 

 それならやめてほしい! こちらで何とか考えるから」

 グッと来た。本当に大した人だ。頭が下がる。

 「いや、違うんです。もし、スケジュール問題がなくても、直したい部分です」

 「・・・・・・・もし、それが本当で、シナリオがよくなることなら、賛成。

 でも、スケジュールのために直すなら、受け入れられない・・・」

 映画魂のある、そんなチーフに、考えたプランを話した・・。

(つづく)





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降臨?  2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 これが「霊が降りて来た」というやつか!

 スケジュールの件。バスタブで、お湯に浸かっていたとき。稲妻に打たれたように、思いついた。

 映画の各シーンには必ず意味がある。大きなテーマを築いて行く上で、役割がある。

 石垣を築くようなもので、たくさんあるからと、1つを抜いてしまうと全てが崩れる。それが物語というもの。

 それをもう一度、確認していて、あることに気づいた。

 そのアイディアをあらゆる角度から、見つめる。何度も頭から考え、他のシーンとの兼ね合いを検証。

 行ける! 風呂に入ったまま、携帯でチーフに電話した!

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(つづく)



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誇り高き男   2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]


 数日が経った。スケジュール問題はそのまま。チーフはまだ悩んでいる。

 3週間の撮影スケジュール、延ばすことはできない。俳優側の予定も変えられない。

 チーフがこう言って来るかも・・。

 「悪いんだけど、やっぱりシナリオ。4人一緒のシーンを少し切ってもらえないか?」

シナリオ8.jpg

 でも、そんな連絡はない・・。黙々と考え続ける。あらゆる可能性を検討していた。凄い人だ・・。

 映画関係者の中には問題が起こると、努力し解決しようとせず、自分に責任があるのに、安易にシナリオを直させることで済まそうとする輩が多い。

 それは結局、作品レベルを落すことになる・・。責任を果たさない上に、作品を歪める。とんでもない話だ。

 友人の監督、似たよう経験をした。

 プロデュサーが予定した製作費を集められなかった。その尻拭いのため、シナリオを短くしろと命令された。その上に、監督料をゼロにされる。

 でも、金を集められなかったP、しっかり興行収益を確保。監督が持つ権利まで持って行こうとした。そんなヤツ、多い。

 シナリオに関して今回は、極限まで短くしている。これ以上短縮するのは不可能。あとは、クオリティを落とすどころでは済まない。

 物語自体が破綻し、つじつまが合わなくなる。

 チーフはそれを理解している。プライドもある。だから、口にしない。強い責任感を持つ、本物のプロだ。

 が、何か方法はないか? 僕も考えた。

 自宅で仕事をしていた日。朝から風呂で考えた。夏美、マキ、理沙、美香。4人。ロケ地。スケジュール。河原。学校・・・・。

 何かを感じる・・・もしかしたら・・。

(つづく)


 
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演出部のプライド   2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]


 解決する方法は、ひとつ・・・。

 4人が揃って出演するシーン、減らすこと。

 でも、この数ヶ月で、2度もシナリオを短くしている。

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 1度目は・・・。

  「今の製作費で、このシナリオ内容を撮りきれない!」といわれたとき。

 「このシナリオで行こう! 予算は***円」と決めてスタート。

 なのに、あとになって「この予算では無理!」といい出した人がいた。

 そのために大幅にシナリオをカット。短くした。

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 2度目・・・、

 直前にあるスポンサーから、製作費が出なくなったとき。

 「製作費が足りない。だから、シナリオを短くしろ!」

 尻拭いをシナリオに持って来た。

 すでに短くした物語をさらに短くしろという。減量したボクサーに試合直前、もっと痩せろというようなもの!

 通常なら物語が破綻。感動するどころか、辻褄の合わない作品になってしまう。

 いずれも責任は、別のところにある。それを安易にシナリオを短くすることで、解決しようとしたのだ・・・。

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 でも、耐えて、断腸の思いで短縮した。

 当然、クオリティが下がる。本来のレベルに戻すために、別の形でさまざまな努力。ようやく今に至る。

 なのに、今またチーフが、こう言うかと思えた。

 「4人のシーンを減らしてくれると、助かるんだけど・・」

 一番簡単な解決法。映画人はその方法を取ることが多い。

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 でも、チーフは口にしなかった。

 「もう少し考えてみる・・・」

 そういう。その言葉から感じることあった。

 「撮影スケジュールを組むのは、俺の仕事。

 それがうまく行かないからと、シナリオを直せ! というのは違う。

 俺のプライドも許さない。何とか考える!」

 演出部チーフの熱い思い、伝わって来た・・。

(つづく)


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さまざまな理由・・・ 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]


 メインの4人。全員が少しずつ、別の仕事が入っているという。

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 掛け持ちということではないが、前に出演した作品の舞台挨拶とか。どうしても出ねばならないものがあるらしい。

 義務教育の子は授業は休んでも、運動会は出ないといけないとか。今は9月。ちょうど、運動会シーズン・・。

 それを踏まえてスケジュールを立てると、4人揃っての撮影日がどうしても足りなくなるという。
 
 撮影日が足りないというより、3週間の中では組めない条件となっている。

 事実、量的には全てのシーンが撮れる日数があり、休みの日もある。何と連休まであるという。

 そんな撮影は珍しい! なのに、入り切らない・・。

 「あらゆる角度から考えて、予定を組んでみた。けど、どうしても・・・駄目なんだよなぁ・・」

 チーフは、考え込んでしまう。

 どうすればいいのか・・・。


(つづく)


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スケジュールに入りきれない!    2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]


  演出部チーフは言う。

 「撮影スケジュール立ててみたんだけど、どうしても入り切らないんだ・・」

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 基本的に映画撮影は1ヶ月。それを最近は3週間でやる。2週間という組もある。

 幸い、今回は3週間ほど。

 連日、徹夜という撮影ではない。

 「何でもいいから、撮り切らないと終わらない!」という撮影ではない。

 ちゃんと「いい作品」を作ることを目的とした日程だ。

 なのに、なぜ、スケジュールが合わないのか?

 チーフの説明を聞いた・・・・。

(つづく)




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演出部チーフの返答・・ 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 演出部チーフに話した。

 「そんな無茶な! 製作費が1億円の映画でも、そんな撮り方はしないよ!」」
 
 といわれるかと思った。そんな答えでも仕方のない提案である。

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 でも、チーフはこう言う。

 「分かった。何とか考えてみる・・・」

 あっさり過ぎて、拍子抜け。

 そういいながら出来たスケジュールを見ると「順撮り」どころか、超まとめ撮りになってるかも?

 不安だった。が、いざ、仮スケジュールを見ると、限りなく順撮りに近い予定が立てられていたのである。

 感謝!!!!!!! 

 だが、ひとつ、大きな問題があるという。いや、致命的な問題があるというのだ!

(つづく)




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撮影スケジュールは順撮りで行きたい! 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 オープニングの夏美と、エンディングの夏美の顔は・・・違っていてほしい。

 「ひと夏の物語」を経験し、成長した夏美であってほしい。

白浜の雲.jpg


 それは演技だけでは出せないものであり、そこまで引き出してこそ「ストロベリーフィールズ」の物語は、リアリティを持ち感動できる作品になると考える。

 また、メインの出演者は皆10代。物語の時間が行ったり来たりする中で演じるより、時間順に芝居が出来た方がやりやすいはず。

 特に東亜優は新人であり、芝居は初めて。いや、佐津川、谷村も、これまでに2〜3本のドラマしか経験していない。

 だから、よりよい環境で、やりやすい状況で撮影に臨ませたい。

 そのこと、演出部チーフに話した・・・・。


(つづく)



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「順撮り」とは何か? 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]


 だから、排水口のシーンはまとめず、シナリオ順に撮影して、3回に分けて撮影に訪れるという形にしたい。

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 映画の世界では「順撮り」という。俳優は精神的な展開を時間順に、体現できるので非常にやりやすくなる。

 ただ、製作的には大変なこと。

 経済的、時間的に非常に手間と負担のかかるものとなり、あまり行われない。

 北野武監督はこの「順撮り」を実践するが、伊丹十三監督はやっていない。ハリウッド映画でも少ない。

 しかし、この方法論を実践することが、10代の佐津川愛美たちがより演技に集中できて、「気持ち」表現しやすくなるはず。

 役柄と同じように物語を体験し、成長してくれるはずだ!


(つづく)


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アイドル映画がつまらない理由 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 昔、よくあったアイドル映画。

 それらも「大物俳優」スタイルで撮られた。スケジュールがタイトで忙しい人気歌手を優先的に撮影。あとで脇役のシーンを撮る。

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 主役はもともと歌手だったりする。台詞を覚え、話すだけで精一杯。気持ちを作ったりできない。

 スタッフも早く撮影して、テレビの歌番組に間に合うように送り出すので精一杯。

 それでいいものが、できる訳がない。

 そのために「アイドル映画」というと安易で、ヘタな芝居を見せるものという印象が出来てしまった。

 それだけは、したくない・・・。

 有名なベテラン俳優が出演した映画。それも彼のシーンは、まとめて2日ほどで撮られた。映画を見ると何度も出て来るが、ギャラを値切って出てもらったので、優先的に撮影。

 もの凄くうまい俳優なのに、その作品ではどのシーンもテンションが同じ。見ていてげんなり。

 いくら演技派の俳優でも、同じ日に撮ったものは同じテンションやトーンになってしまう。物語の中で、長い時間が経っているのに、彼のシーンだけは時間がストップしていた・・・。

(つづく)


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シナリオの順番通りに撮影? 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 つまり、1度に3シーン全部を撮るのではなく、シナリオ通りに、物語通りに、頭からそれぞれのシーンを撮影。

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 佐津川愛美に「夏美」体験をしてもらうということ。

 別のいい方をすえば、撮影を限りなく、シナリオの順番通りに撮影するということだ。

 つまり、夏美がマキたちと出会い、行動を共にし、ケンカして、でも、やがて理解し合って、友達になる、そして別れという物語を・・・、

 俳優・佐津川愛美が、マキ=谷村美月、理沙=芳賀優里亜、美香=東亜優と映画撮影という場で出会い、共に芝居に励み、ときにはライバルとして張り合う・・・

 でも、苦しい撮影を共に乗り切り、でも、出番が終わった子からいなくなっていく。残った者がその子の分もがんばる。

 そして最後は、佐津川1人となる。一緒に撮影した谷村も、芳賀も、東も出番を終えてもういない。シナリオ通りに撮ることで、佐津川に夏美と同じ体験をしてもらうのである。

 そこには必ず演技を超えたものが出るはず。ある種、ドキュメンタリーともいえる。成長が出るはずだ・・。


(つづく)
タグ:佐津川愛美
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演技以上の演技を引き出す? 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 これらのシーンで、夏美役の佐津川愛美が表現しなければならない「思い」を書いてみる。

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 1、最初は一緒に応援に行くことで、「友達になれるかも・・」とドキドキする夏美。

 2、幽霊のマキ(谷村美月)や理沙(芳賀優里亜)のために何かできることはないか? 真剣に悩む。

 3、マキたちがいなくなり、再び1人ぼっちになった夏美。悲しみに耐える。でも、3人との想い出が支えてくれる。

 かなり大きな心理展開がある。これを表現するのは簡単ではない。台詞を口にするだけでは決して表現できないものがある。

 もっと言えば、演技だけでは表現しきれない部分が大きい。

 それには何が必要か? 形としての演技だけではなく、本当に夏美=佐津川愛美に、そんな気持ちになれる、経験してもらうしかない。

(つづく)



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排水口シーンの意味?  2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 排水口のシーン・・。

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 1度目は、いちご娘4人が一同に揃う。

 2度目は、ケンカして、バラバラになる。

 3度目は、3人がいなくなり、夏美1人。

 同じ場所で、それぞれを見せることで、より夏美の気持ちを表現できる。見ている人もこう思う。

 「ああ、最初にマキの応援をしたところに、また4人が集まり、あのときはケンカした。

 その後、仲良くなったのに、今は夏美1人・・・。

 なぜ、もっと、早くに互いを知ることが出来なかったのだろう・・・」

 そこに大切なテーマがあり、それを浮き彫りにするシーンでもある。

 だからこそ、同じ場所を3回(オープニングも入れると4回)使うのだ。

 俳優の演技も大変だ。

 夏美役の佐津川愛美が、表現しなければならない「思い」を書いてみる・・。

(つづく)



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撮影スケジュールで、拘りたいシーン 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 前振りが長くなった。先に書いた「まとめ撮り」。今回、それだけはしたくない。

 幸い、大物俳優は出ないので、その必要はない。が、同じ場所のシーンをまとめて撮るようなこともしたくない。

 ま、そんなことを言っていると、予算と時間が限りなく必要になる。そこで1カ所だけ、こだわった・・。

 夏美(佐津川愛美)たちが、河原の排水口のシーンを訪れるシーンが3回ある。

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 まず、マキ(谷村美月)が大会に出るために応援に訪れるとき。

 次に、事故のあと、幽霊になったマキと理沙(芳賀優里亜)が喧嘩するとき。

 最後に夏美が一人で排水口を訪れ、想い出のポラロイドを見つめるシーン。

 全部、同じ場所なので、通常なら1度に3シーンとも撮ってしまう。

 しかし、それはできない。この場所は作品にとって、非常に重要な役割を占めるからだ・・・・。

(つづく)





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撮影スケジュール/黒澤明監督の場合   2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 これは有名な話だが、黒沢明監督が「七人の侍」を撮ったとき。

 クライマックスの撮影をなかなか始めなかった。それまでの部分を丹念に撮り、予定したスケジュールが過ぎても終わらず、製作費も使い果たしてしまう・・・・。

黒澤.jpg

 会社は激怒して、撮影を中断。そこまでの部分を編集して見せろと迫る。
 
 と、映画冒頭のシーンから、いよいよ野武士たちが村の攻めに来て、三船敏郎が屋根の上から「来やがった!来やがった!」と叫ぶシーンで終わっていたという。

 重役たちは「続きは?」というと、黒沢監督、「まだ撮ってません」と答える。

 それで撮影続行が決定。新たな予算が降りたという。

 これは黒澤監督の計算で、最初に降りた製作費で「七人の侍」は撮りきれないと感じた。でも、クライマックスを撮ってしまうと、会社が撮影を中断して、そこまでのシーンを編集。公開してしまうだろうと読んだのだ。

 それでかたくなに、クライマックスは撮影せずにいたらしい。

 こうして「七人の侍」は完成。大ヒット。追加予算で出た額もあっと言う間に回収して、製作費の何倍もの興行収入を上げたという。

 巨匠のやることはやはり凄い。撮影スケジュールにも演出がある。

(つづく)
タグ:黒澤明
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撮影スケジュール/ある巨匠監督の場合   2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 その巨匠監督も、独特のスケジュール論をお持ち。

 前半に厳しい撮影を持って来るという。

 ある作品ではシーン22が凄く大変で、1ヶ月くらい毎日シーン22を撮っていたという。

 スタッフも大変。「まだまだ、他のシーンもあるのに、毎日シーン22。これで本当に終わるのだろうか?」と不安になる。

 だから、がんばる! 早く終わらさなければ!

 それによってスタッフがダレることなく、ずっと緊張感が持続するという。

 また、長期の撮影の場合は体力的にも精神的にも終盤になると、厳しくなってくる。

 だから、大変な撮影は体力のある内に!という意味もあるという。

 そしてシーン22さえ終わる。と、毎日、数多くのシーンが撮影される。もの凄いスピードで撮影が進む。

 体力的にも厳くなったスタッフも、スピードがアップしたように感じ「これなら終わりそうだ!」と希望が見えてがんばるという。

 これもスタッフ心理を心得た、スケジュールになっているのである。

(つづく)


 
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撮影スケジュール/伊丹十三監督の場合 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 話が少し逸れたので戻す。スケジュールに関して、有名監督たちの逸話を紹介する。

 伊丹十三監督の「マルサの女」では、ユニークなスケジュールが立てられた。

 初日から雨のシーン。

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 雨といっても、本物の雨を待つ訳ではない。大量の水を用意して、それを何本ものホースを使って人工的に雨を振らすのだ。

 さらに、雨が雨に見えるようにするには、カメラとライトのコンビネーションが大切。

 ビデオならば細かい雨でも写るのだが、映画用のフィルムだとかなり大粒の雨でないと雨に見えない。

 さらに制作部はスタッフ用のレインコートを用意。びしょぬれになる俳優も大変。

 そんなシーンを初日から撮影するのはかなり厳しい。

 でも、スタッフ全員でかからねばならないシーンから撮影することで、早い段階で団結力を作り上げようというのが目的だったらしい。

 苦しい状況を皆で切り抜けることで、チームワークが生まれる。

 そんな心理も考え抜いて、スケジュールは組まれる。

(つづく)
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あるアイドル女優の要望・・・ 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 以前、ある仕事で、有名アイドルが主役候補に上がったことがある。

 「あの子が出てくれるなら、ラッキー!」

 若いスタッフもそういう。僕でも名前を知っている子で、グアラビア雑誌でもよく見かける。早々に電話。事務所に聞くと、こう言われる。

 「**ちゃんのシーンだけ、先にまとめ撮りしてくれるなら出演OKです!」

 即、断った! 

 ドラマというのは、主役だけのものではない。主役が出ないシーンもあり、それも大切に撮る。流れも大切。

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 それを主役のアイドルが出演する部分だけ、先にまとめて撮ってくれるなら、出てもいいというのが事務所の主張。

 先の大物俳優の「特別出演」と同じ考え方だ。

 それを事務所側から言い出すということは、ドラマ作りが全然分かっていない。短時間で仕事を終え、効率的にギャラを稼ごうという魂胆が見え見え。

 そんな方針の事務所とは仕事はできない。それで素晴らしい作品が出来る訳がない。

 主役も脇役も同じ。脇役が芝居する間は主役だって、待つのが当然。主役のためのドラマ作りをしてはいいものはできない。

 特定の俳優のためにスケジュールを立てることは、作品レベルを下げることにも繋がるのだ・・・。

(つづく)




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まとめ撮りの悪影響・・ 2005/9 [第二四章 撮影スケジュール]

 「演技をするのが俳優の仕事」といっても、そんな順番での演技は過酷。

 失恋して傷ついた演技というのは振りだけでなく、本当に失恋したような気持ちに成り切ることが必要。

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 そこから1分後に元気なシーンを演じるなんて、不可能。本来、映画は俳優が入り込んで演じる場面では、もの凄く配慮する。

 涙を流すシーンでは、集中できるように静かな環境を作り、時間をかけて撮影する。(テレビの場合はすぐに目薬!というが、低予算でも映画の場合は俳優が泣けるまで待つことが多い)

 涙で泣き濡れた芝居をするときは、撮影の一番最後に持って来る。眼も腫れて真っ赤になり、他のシーンが撮れなくなるからだ。

 「ここぞ!」というシーンはスタッフも共演者も、さまざまな気配りをして、俳優の気持ちが入るようにするのが撮影。

 それを有名俳優の都合で、他の役者に無理を強いるのは違う。大切なのは、物語を作ること。大物さんの時間を節約することではない・・・。


(つづく)





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