大人になるということ(12)現実が見えてない? 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
こんなことを言う、業界人がいる。
「**監督はいい歳して子供と同じ。映画はヒットするが、わがままで敵わない。現実が見えていない!」
現実が見えていないのは、どちらなのか?
少年の心を持っているから、あんな素晴らしい作品ができること。なぜ、分からない?
そんなこという業界人。癒着、ごまかし、隠し事をする。批判するとこう言う。
「何、青いこと言うてんね? それが大人の世界や〜
世の中甘くないんじゃ〜」
そんな大人に「希望」や「感動」を伝える作品が作れる訳がない。
映画業界でも、それが分からない人が多い。
そんな中で、製作部のOさん。それを理解しているのだと思え、嬉しかった。
果たして、僕が巨匠たちと同じ種類の「子供」かどうか?
それは分からない。単に発想が子供なだけかもしれない。
でも、一つだけ言えること。そして、言いたいことがある。
それを今回の映画「ストロベリーフィールズ」に託した・・。
(つづく)
「**監督はいい歳して子供と同じ。映画はヒットするが、わがままで敵わない。現実が見えていない!」
現実が見えていないのは、どちらなのか?
少年の心を持っているから、あんな素晴らしい作品ができること。なぜ、分からない?
そんなこという業界人。癒着、ごまかし、隠し事をする。批判するとこう言う。
「何、青いこと言うてんね? それが大人の世界や〜
世の中甘くないんじゃ〜」
そんな大人に「希望」や「感動」を伝える作品が作れる訳がない。
映画業界でも、それが分からない人が多い。
そんな中で、製作部のOさん。それを理解しているのだと思え、嬉しかった。
果たして、僕が巨匠たちと同じ種類の「子供」かどうか?
それは分からない。単に発想が子供なだけかもしれない。
でも、一つだけ言えること。そして、言いたいことがある。
それを今回の映画「ストロベリーフィールズ」に託した・・。
(つづく)
大人になるということ(11)巨匠たち 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
それぞれの世界で、成功した人たちと話す。
「現実は甘くないぞ!」「世の中はこんなものだ・・」
なんて絶対に言わない。嘆かない。
いい歳をしたおじさんが夢を語る。考えたこともない発想を教えてくれる。
そして、皆、無邪気で、少年のようなところがあった。
完成した巨大なセットを見て、子供のように喜ぶ巨匠がいる。
無理なのが分かっていてもダダをこね、自分のやりたいことを主張し続けるアーティストがいる。
僕が見ても子供に見える。
そんなな巨匠たちが作る作品。魂が揺れ、訳もなく涙が溢れる。
ただ、彼らを批判する業界人もいる・・。
(つづく)
大人になるということ(10)夢を語る大人たち 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
僕は高校を卒業、映画の勉強をするために横浜に住む。
いろんな人と出会った。
ベストセラー作家、映画界の巨匠、有名俳優、世界を舞台に活躍するアーティスト、
そんな人たちに話した。
「・・・・映画監督に・・・・なりたいん・・・・です!」
意外な答えが帰ってきた・・・。
「それはいいな! がんばれ! 世界を又にかける映画監督なれ! 応援するぞ!」
誰1人として「現実は厳しい」「世の中甘くない」「お前は子供だ」とは言わなかった。
最初は戸惑った。でも、その意味が分かった・・・。
彼らもまた若き日に、小説家や映画監督を志した。そして、その夢を実現した。
だから、次世代にもエールを送る。
「俺は夢を掴んだ。お前にもできるはずだ。だから、がんばれ!」
(つづく)
大人になるということ(9) 敗者の論理 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
夢破れた大人たち。そんなふうに自分を正当化する。
それどころか、夢見る子供たちを否定しようとする。
本人のためだと言い、夢を踏みつける。本当に情けない・・・。
こんな人もいる・・。夢があったのに、一度も勝負しようとしなかった・・。
自分の「夢」を実現する戦いをしていないのに、こう考える。
「どうせ、無理に決まっている。世の中甘くない。親たちを見ていても分かる。夢は夢でしかない・・・。
そんなもののために努力するのは、世間知らず。俺は・・堅実に生きよう。
それが大人の考え方だ・・世の中、こんなもんや〜」
勝負しない人たちが、そう考える。こうして多くの大人たちが、夢見る子供たちを、がんばろうする子たちを否定する。
中学、高校時代。大人たちから、散々こう言われた。
「お前の考え方は子供だ。映画監督になんか成れる訳がない・・世の中、そんな甘くないんだぞ・・」
おかしい! 間違っている!
何もしないで努力しないヤツが「大人」で、夢見てがんばるのが「子供」なのか?
努力しないヤツがなぜ、努力する者を批判できるのか?
大人たちの言葉。信じられなくなった・・。
(つづく)
大人になるということ(8)言い訳 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
「世の中、厳しいから・・・・小説家に・・・なれなかったのだ・・・。
現実は、甘くないから・・・駄目だったのだ・・俺の努力なんて・・関係ない・・・」
そのおじさん。そう考えて自分を慰めた。
「それが思慮深い、大人の考え方なのだ・・・」
そう思うようになった。どう解釈しようが勝手だ。
が、それでは何も反省せず、全て世の中のせいにしているだけではないか?
そんな考え方を酔った勢いで、子供時代の僕に向かい、偉そうに語っていたのだ・・・。
昔の自分と同じように、「作家になりたい!」「音楽家になりたい!」という若い人たちを見ると・・
「お前は甘い! 現実が見えてない」
と説教する。若い人の将来を考えて言うではなく、自分の「夢」を成し遂げることができなかった「言い訳」をしているだけ。
さらに「人生を妥協し、夢を諦めること」を、「大人になる。成長する」という言葉にすり替えて、高い所から偉そうに語る。
「・・・・・大人って・・・・情けない・・・」
子供心にそう感じた。しかし、そのおじさんだけではない。
多くの大人たち。夢破れた言い訳を、天下の宝刀のように振り回していた・・・。
(つづく)
大人になるということ(7)見つけた答え 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
そのおじさん。悩んだ・・。
「俺は小説家にはなれなかった・・努力が足りなかったのか・・」
それでは苦しい、努力不足なら責任は自分にある。
やがて、こう考えるようになった。
「違う。自分の努力が足りなかったのではない。
世の中、厳しいからなれなかったのだ。現実は甘くないから、小説家になれなかったのだ。
いや、そもそも、小説家になろうなんて夢見ること自体が、世間知らずだったのだ。
青二才だったのだ。俺は現実に気づいたんだ・・」
そう考えれば、自分は敗北者ではなくなる。
「これが成長し、現実を直視する、大人になるということ・・」
彼はそう思うようになった・・。
(つづく)
大人になるということ(6)挫折した大人たち 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
僕が子供の頃。正月になると、親戚や近所の人たちが集まった。
宴会になると、飲んで酔っぱらう人もいる。そんな1人のおじさん。僕に説教をした。
「お前なあ。世の中は厳しい。夢や希望なんてないんや。
自分の着きたい仕事になんか、絶対に付けへん!
甘いこといわんと、ちゃんと現実を見て、堅実に生きなアカンぞ!」
現実を把握した大人が、世の中を知らない子供に、「厳しさ」を教えるようとする言葉に思える・・。
でも、僕は子供心に「何か違う・・」と感じた。この人は何を言ってるんだ?と思えた。
何年も経ったから聞いた。
そのおじさん。若い頃は小説家になりたかったらしい。でも、なれなかった。凄く悩んだという。
「俺は十分に努力した。なのに小説家にはなれなかった・・。
努力が足りなかったのか? 才能がなかったのか?」
(つづく)
宴会になると、飲んで酔っぱらう人もいる。そんな1人のおじさん。僕に説教をした。
「お前なあ。世の中は厳しい。夢や希望なんてないんや。
自分の着きたい仕事になんか、絶対に付けへん!
甘いこといわんと、ちゃんと現実を見て、堅実に生きなアカンぞ!」
現実を把握した大人が、世の中を知らない子供に、「厳しさ」を教えるようとする言葉に思える・・。
でも、僕は子供心に「何か違う・・」と感じた。この人は何を言ってるんだ?と思えた。
何年も経ったから聞いた。
そのおじさん。若い頃は小説家になりたかったらしい。でも、なれなかった。凄く悩んだという。
「俺は十分に努力した。なのに小説家にはなれなかった・・。
努力が足りなかったのか? 才能がなかったのか?」
(つづく)
大人になるということ(5)子供時代の夢 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
僕が子供の頃。皆、夢を見ていた・・・。
「宇宙飛行士になりたい!」
「総理大臣になりたい!」
「プロ野球の選手になりたい!」
でも、なかなか成れるものではない。
中、高生くらいになると、多少現実的になるが、中にはこんなヤツもいる。
「小説家になりたい!」「ミュージシャンになりたい!」「写真家になりたい!」
不可能ではない。が、今度は大人だけではなく、同級生まで言う。
「世の中、甘くない。お前に成れる訳がない!」
大人にそう言われ続け、子供たちも同じことを言い出す。
大人たち。なぜ、そんなことを言うのか? 考えた。
思い出したのが、子供の頃。正月のことだった・・。
(つづく)
大人になるということ(4)現実を見ろ? 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
オヤジたちが言うこと。おかしい・・・と思えた。
「妥協し、迎合すること」が大人で、「夢を追い、可能性を探す」のが子供だと言っているようだ。
「大人になる」とは「汚いことに目をつぶり、心を捨てて生きることだ」と力説しているように聞こえた・・・。
高校時代。僕が「映画監督になる!」といい始めたときも、大人たちは批判した。
「世の中、甘くない!」「現実を見ろ!」「子供みたいなこというな!」
大人たちは「成長しろ!」とか「大人になれ!」とか、さも若い人たちのことを考えているようなことを言う。
が、その言葉の背景にあるもの。
「そう言わないと、自身を否定することなる」
大人たちの病んだ心理に、気づくこととなる・・。
(つづく)
大人になるということ(3)世の中甘くない? 2005/9/18 [撮影2日目(一)学校]
製作部のOさんが、新聞社に説明した話。
恥ずかしい気はするが、間違ってはいない。実際、僕はよく、親戚の人とか、よく知るおじさん達から、未だにこう言われる。
「お前はええ歳して、何やってんねん? 子供の頃から、全然成長してないなあ! 」
「もう少し、大人の考え方をしたらどうや? いつまで青いこと言うてんね?」
「世の中はアマない。現実を見なアカンぞぉ?」
「お前は我慢するということを知らんのか? そんなことでは世の中通用せんぞ!」
でも、そんな大人たちの言葉。僕には、こう聞こえていた・・。
「長いものには巻かれろ! 夢なんか見るな! 心を捨てろ! 希望も捨てろ! それが大人になるということじゃ〜」
(つづく)
恥ずかしい気はするが、間違ってはいない。実際、僕はよく、親戚の人とか、よく知るおじさん達から、未だにこう言われる。
「お前はええ歳して、何やってんねん? 子供の頃から、全然成長してないなあ! 」
「もう少し、大人の考え方をしたらどうや? いつまで青いこと言うてんね?」
「世の中はアマない。現実を見なアカンぞぉ?」
「お前は我慢するということを知らんのか? そんなことでは世の中通用せんぞ!」
でも、そんな大人たちの言葉。僕には、こう聞こえていた・・。
「長いものには巻かれろ! 夢なんか見るな! 心を捨てろ! 希望も捨てろ! それが大人になるということじゃ〜」
(つづく)