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映画監督という仕事(16)プロの現場は天国! 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 俳優もプロフェッショナル! 演技中に笑い出したしり、ふて腐れたりする者はいない。皆、真剣!

 「バイトがあるので、今日はもう帰ります!」

 なんて言い出す奴もいない。というのも、自主映画時代は、俳優としてよく女子大生に出てもらった。その子の機嫌をとるのも、僕の仕事だった(怒らせ、ご機嫌を損なうと撮影中に帰ってしまう!)。

 当然だがプロの俳優さんは、ほんと真剣に芝居をしてくれる。誰もが役に成り切り、台詞を完全に覚えて現場に臨む。

 食事のことで悩まなくても、お昼になれば弁当が届く!まさに映画天国! 僕は演出に専念。いい作品を作ることだけを考えればいい。

 通常。趣味の段階は楽しいが、プロになると厳しく過酷といわれる。が、僕の場合はマチュア時代は本当に大変だった。だからプロの現場で仕事ができる今は、本当に楽しい。

 さて・・。

東陽中学校ー桑原 197ーs.jpg
 

(つづく)

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映画監督という仕事(15)プロの世界は皆、真剣! 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 自主映画時代は、そんな連続。それに比べれば、プロの現場は天国だ!!

 スケジュールは、演出部チーフが立てくれる。

 「あっ。このシーンを予定に入れ忘れてた!はははは!」

 なんてことは、絶対にない。今回もそうだが、監督が演出しやすいように、様々な角度から考えて予定を立ててくれる。

 他の助監督はエキストラの指導。小道具や衣裳を担当。

20050917.jpg

 僕自身が買わなくても、機材は技術部が用意。カメラもライトも担当する。優秀なスタッフが何もいわなくても、さまざまな局面で気を配り、がんばってくれる。

 自主映画時代はその全てを僕がやっていた。カメラも自身でまわしていたので、レンズの効果、被写界深度を学び、デイライト・フィルムとタングステンの違いを把握。

 パンフォーカス、バックズーム。手持ちと移動撮影の違い。カメラ関係だけでも、いろんなことを勉強した。

 が、今は知識も経験もあるプロのカメラマンが、全てやってくれる!

 おまけにスタッフは皆「いい作品を作ろう!」と思っている。途中で「辞めたい」と言い出す者もいない。趣味の延長でやっている人も、当然いない! 

 皆、職人のプライドを持ち、素晴らしい仕事をしようとする。

(つづく)


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映画監督という仕事(14)半年続いた撮影 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 自主映画であっても、真剣にかかると過酷だ!

 監督が妥協しなければ、1ヶ月でも2ヶ月でも撮影が続く。それで半年間。撮影をしたことがある。僕が17年前、田辺でロケした作品。

撮影風景2ーs.jpg

 5月に準備を始め、夏の田辺ロケは無事に済んだものの。東京は毎日が雨。晴れの日を待って撮影すると、12月までかかってしまったのだ。

 「もう、いいや・・」と思えば全てを終えることもできる。もう、精神力との戦い。経済的にも過酷。毎日朝5時に起きる。晴れていたら撮影。

 でも、雨が続く。中止を連絡。また、翌日に賭ける。1週間に撮影できるのが1日くらい。終わりが見えない。

 スタッフのテンションが下がり、次第に辞めて行く。いろんな理由をつけて、去って行く。

 役者がいなくなったら撮影はできないので、必死でつなぎ止める。潰す訳には行かない! でも、前に進めない。凄惨な日々だった・・。


(つづく)

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涙と感動の青春ファンタジー映画
「ストロベリーフィールズ」

明日!6月20日(金)午後5時10分から放送!9938281.jpg
衛星放送 チャンネルNECO 特集「天国の法則」

監督&脚本:太田隆文
出演:佐津川愛美 芳賀優里亜 東亜優 谷村美月 
波岡一喜 伊藤裕子 小西博之 三船美佳

もう二度と会えない・・夏の日のプロローグ。
暗闇の3人s.jpg
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映画監督という仕事(13)「君は才能ある!」といわれる幻想 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

撮影風景ーsーbw.jpg

 「キミは才能ある! 映画を撮ってみないか?」

 大手映画会社のプロデュサーから、そう言われると信じている奴がいた。しかし、そんな奇特な人はいない。なのに、皆「チャンスがない」と嘆いた。

 それは「棚ぼた」。チャンスではない。自分から何もせずに、人生が展開する訳がない。結局、その友人は失望。たった1年で、故郷へ帰ってしまった・・・。

 別の友人。自主映画の撮影中に問題勃発で中止。再開せずに終わる。皆、「これが現実だ。世の中は甘くない・・」と思い込んだ。

 結局、最後まで撮影して、数本の映画を完成させたのは僕だけだった・・。

 3年目。同期で自主映画を続ける友人。誰もいなくなった。時代の流ればかりではない。何より自主映画は、監督が「もう、いいや・・」と思えば、その瞬間に終わってしまう。

 誰も夏の炎天下での撮影なんて、望んでいない。監督である自分が嫌なら、ロケを中止にできる。プロならそうは行かないが、自主映画は可能。暑ければ寒ければ、撮影延期ができる。

 でも、それを続けるとスタッフのやる気が失われ、やがて空中分解する・・・。

(つづく)


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映画監督という仕事(12)黒澤明になろうとした友人 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 そんな時代。1980年代前半。僕は仲間と共に自主映画続けた。8ミリカメラをまわした。

集合写真88ーs.jpg

 九州出身の仲間がいた。

 「俺の夢は、黒澤明のような映画監督になることだ! 自主映画でも一切妥協しない!」

 彼は酒を飲みながら、熱く語った。

 「太田。聞いてくれよ。誰にも言ってないんだけど、実はこんな物語を作りたいだ!」

 そんな話を何度も聞いた。僕も彼も、「アメリカ映画」と「ローリングストーンズ」が好き。とても気が合った・・・。

 僕の自主映画第1作では、助監督をしてくれた。

 次は彼の番。僕が助監督をする約束。

 でも、撮影をスタートさせなかった・・。

 他の仲間も、自分から動こうとしなかった・・。

 皆、いつか有名監督が自分の存在に気づき、チャンスを与えてくれると信じようとした。必ず大きなチャンスが巡ってくる。そう考えていた・・・・・。


(つづく)


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映画監督という仕事(11)80年代の青春 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 1980年代初頭。テレビでは「ひょうきん族」が人気。

 「笑っていいとも!」も、この頃にスタート。お笑い番組では「がんばる人」や「田舎者をバカにするギャグ」が、もてはやされた。

 バラエティやアニメ番組でも、がんばっていた時代を象徴する「巨人の星」「飛び出せ!青春」等のパロディが流行。

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 60〜70年代のようなメッセージ性のあるフォークソングは、廃れる。カルフォルニア・サウンドのような、軽いノリのポップスが人気となる。

 時代の先端には、ユーミンや山下達郎。テレビでは松田聖子や田原俊彦が、ラブソングを歌う・・。

 コマーシャルはおしゃれな海外ロケもの。ファッションとトレンドを発信。80年代後半・バブル時代への、プロローグであった。

 プロの映画監督を目指すという友人たちは、「俺は大学生の奴らとは違う! 夢がある!」といいながらも彼らの発想に近かった・・。

 可愛い女の子を撮っただけの、楽して作れるストーリーのない短編映画を作る。

 軽いノリで「俺はプロになれる!」と思い込む者が多い。まだ、堅実な大学生の方が正解だと思えた・・。

(つづく)

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「ストロベリーフィールズ」の放送日 in 2008-69938281.jpg

衛星放送 チャンネルNECO 特集「天国の法則」

今週6月20日(金)午後5時10分から放送!

監督&脚本:太田隆文
出演:佐津川愛美 芳賀優里亜 東亜優 谷村美月 
波岡一喜 伊藤裕子 小西博之 三船美佳

もう2度と会えない。夏の日のプロローグ・・・。st_01.jpg
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映画監督という仕事(10)1980年代という時代 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 1980年代前半。

 「がんばるのは、カッコ悪い!」

 そんな風潮があった・・。

 ある種の反動。1960〜70年代。高度経済成長期、日本人はもの凄くがんばった! お父さんたちは夜遅くまで働き、日本を豊かにし、会社を世界的企業にし、マイホームも建てた。

 テレビでも「スポ根」ドラマ「巨人の星」等、或いは熱血先生が活躍する学園もの「飛び出せ!青春」などが人気だった。

 ところが80年代に入り、社会が確立。個人が何かをするにも、入って行く隙間がなくなった。また、日米安保時の学生運動の敗北もあって、しょせん巨大権力には勝てないという空気もあった。

高層ビル.jpg

 汗をかいてがんばっても、どうせ何も変わらない。

 経済大国に成長し、巨大企業が支配する日本では、もう個人のサクセス・ストーリーは生まれない。体制の中で堅実に生きて行くしかない・・と多くの人が痛感する。

 「だったら、軽く、楽しく、おしゃれに生きよう!」ということが主流になった。

 「会社に入れば、嫌な仕事もせねばならない。大学の4年間は遊んで暮らそう! 気分よく、カッコよく、軽く生きよう・・・」

 夢を追うより、ガールフレンドを作ろう!

 20代前後。僕らの世代は、そう感じていた・・。

 
(つづく)


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映画監督という仕事(9)80年代の学生たち 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 当時、僕はこう言い続けていた。

 「サラリーマンにはならない。どんな厳しくても、プロの映画監督を目指す! 8ミリ映画で映画界に殴り込みをかける!でも、自分たちが楽しい映画作りでは、観客を感動させる作品はできない!

 趣味の延長で作った作品では、心に届かない。スタッフ、キャストが苦労して作り上げてこそが、素晴らしい作品になる! 僕は、見る人が感動で涙する映画を作りたいんだ!」

監督とカメラーBW.jpg

  大学生の友人に、僕の考え方が理解できないのは分かる。「大学時代の4年は、就職するまでの執行猶予」それが彼らの発想なのだ。

 だが、同じように夢を追う友人たちも、大学生に近い部分があった。

 松田優作のような、俳優になりたい! 
 矢沢永吉のような、ロックンローラーになりたい! 
 村上龍のような、小説家になりたい! 
 浅井慎平のような、カメラマンになりたい! 
 スピルバーグのような、映画監督になりたい!

 そういいながらも彼らは、楽しくやろうとしていた。そうなってしまう背景には、80年代という時代もあった・・・・。


(つづく)


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映画監督という仕事(8)自主映画は趣味か? 2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

 それどころか、説教する大学生の友人までいた。

 「太田。お前なあ。 自主映画なんて所詮は趣味だよ。他の奴から見たら遊びなんだよ。

 なのに、お前はスタッフにも、俳優の演技にも厳しいことを言う。プロのような撮影をしようとする。勘違いしてないか? 楽しくやるのが自主映画だろ?」

 勘違いはしていない。遊びのつもりはみじんもなく、当時からプロの映画監督を目指していた。
 
 が、時代は80年代前半。友人の考え方がマジョリティ。大学生の多くは4年間、楽しく遊んで暮らしたいと思っていた。

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 大学を卒業すれば、就職。まじめに働かねばならない。それまでは好きなことやって、彼女作って、海やスキーに行ってエンジョイしたい。そう考えていた。

 その背景にあるもの。当時は就職すれば安泰。定年まで給料がもらえた時代。会社が潰れることもない。今のような不況の時代ではなかった。

 「夢を追ってミュージシャンや俳優を目指すなんて、現実を知らないバカだ。世の中甘くない。嫌でもサラリーマンになり真面目に働くのが、堅実な生き方!」

 そんな時代だった。対して僕は、こう言い続けていた。

 「僕はサラリーマンにはならない。どんな厳しくても、プロの映画監督を目指す! 8ミリ映画で映画界に殴り込みをかける!」

(つづく)

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今週6月20日(金)午後5時10分から放送!

監督&脚本:太田隆文
出演:佐津川愛美 芳賀優里亜 東亜優 谷村美月 
波岡一喜 伊藤裕子 小西博之 三船美佳

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映画監督という仕事(7)「や〜めた!」と簡単にいう友人たち   2005/9/17 [撮影初日(二)学校]

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 スタッフ、キャストには、いろんな人に参加してもらった。だが・・。

 「がんばって映画を作ろう!」「プロの映画人になりたい」

 と思っているのは、一握り。あとは、「映画撮影? 面白そう!」とミーハーな気持ち。だから、ちょっと嫌なことがあるとヘソを曲げる者が多い。

 集合時間に遅刻。見ていないと、手を抜く。撮影現場で、出演者の女子大生を口説き始める・・。振られると急に「お前の描くテーマに共感できない」と言い辞める。

 楽しくないとテンションが下がる・・・。監督である僕を差し置いて演出。撮影を中断して議論。突然に「バイトあるから!」と撮影中に帰る。

 「感動的な映画を作ろう!」という以前に、撮影を推進するだけでも大変だった。

 そんな彼ら、彼女らと共に撮影。途中で「やーめた!」と言って投げ出されないようにして、最後まで続けてもらうことは本当に大変。

 ギャラも払っていないので、嫌なことがあったり、辛い撮影があるとすぐに辞めてしまうのだ。それどころか、僕に説教する奴までいた・・・。

(つづく)

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もう2度と会えない。夏の日のプロローグ・・・。マキイン道場.jpg

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