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撮影2日目(三)職員室 ブログトップ
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マキからの手紙(14)並木史郎さんの名演! 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

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 撮影後。控え室に戻ろうとする並木さんを追いかけた。

 そして声をかけてその話をした。

 「演じてほしかった長塚先生が、そこにいました!

 最後の表情。あれを見せてほしかったんです。最高でした。ありがとうございます!」

 並木さん。少々照れながら、同時に少し困惑。

 「あれでよかったんですかね? 自分なりにはいろいろと考えたんですけど・・でも、監督に・・・そういってもらえてよかった・・・」

 と、はにかみながら、笑顔を見せてくれた。

 でも、本当に素晴らしかった。

 撮影2日目にして、テーマのひとつを描くことができた・・。

(つづく)

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マキからの手紙(13)お父さんたちへの願い 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

 
「しかし、そんな長塚先生。本当は子供たちのことを考えている。

 不器用だが、とても愛情がある。

 自分の考えが全てではなく、絶対に正しいものではないんだ・・ということに気づいてほしい。

 今も多くいるそんなお父さんたちの、代表を演じてほしいんです」

 そうお願いした。並木さん。もの凄く真剣な表情になる。

 「考えてみましょう・・」

 そう言ってくれた。その答え。今日の演技で見せてくれたのだと思う。

職員室の教師三人.jpg



(つづく)



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マキからの手紙(12)長塚先生という役 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

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 並木史朗さんに、こう説明した。

 「長塚先生という役は、悪役ではありません。

 長塚先生は、日本人のお父さんの代表です。最後の頑固オヤジ。

 昔なら口うるさいが、いいオヤジ。憎まれながら愛されるキャラでしょう。

 この映画の舞台。昭和40年代には、たくさんいたタイプ。

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 でも、今は時代は変わり、価値観が変化した。正しいものが何なのか? が分かりにくい時代。

 これが絶対!ということがない。

 そんな時代に、もう機能しない古い価値観をふりまわし、押し付けるオヤジ。

 もはや、子供たちを虐待しているのと同じ。

 それに気づかずに、横暴を続ける。愛情があるだけに、始末が悪い。

 悪役を演じることで、子供たちのためになると信じているから厄介。

 それはもう、悪役を演じているのではない。

 単に子供たちを傷つける『悪』そのものであること。

 本人には、分からないんです・・」


(つづく)



タグ:並木史朗
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マキからの手紙(11)映画「理由」 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

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 僕がメイキングを撮影させてもらった大林宣彦監督の「理由」。

 並木史朗さんも出演しておられた。

 「現代における家族とは何か?」を描いた作品。

 「ストロベリ−」と近い部分があり、

 「理由」をモチーフに、並木さんに演じてもらう長塚先生の役柄をお話した。

 当初、並木さんは、こう言っていた。

 「長塚というのは悪役かな・・でも、少し違う。コミカルな感じでやってみようか・・」

 いろいろと考えてくれていた・・。

 で、こう説明する。

(つづく)





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マキからの手紙(10)救世主ケイン 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

 そんな事件をモデルに以前、小説を書いた。

 「救世主ケイン」

 いつか映画化したい作品。そして、考えた。

 「親たちは、どうすればいいのか?」「親たちは、何をすべきなのか?」「親たちに何を伝えるべきか?」 

 そのテーマを追求し、行き着いたのが今回の映画「ストロベリーフィールズ」である。

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 「親子の絆とは何か?」「友達との絆とは何か?」 

 それを僕なりに描いたのが、この作品。

 長塚先生役の並木史朗さんと打ち合わせをしたとき、そんなテーマを説明した。

(つづく)



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マキからの手紙(9)愚かな親たち 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

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 世の中と逆行する価値観を、子供時代から植え付けたのだ

 子供は当然、時代錯誤の価値観で成長する・・。
 
 世間を騒がせる犯罪を起こした犯人。その親を調べると、必ず問題がある。

 子供を歪ませ、踏みつけている。

 でも、それら親たち。自分がそんなことをした意識がない。

 まとな育て方をしていたと証言する。

 それどころか「なぜ、うちの子があんな事件を・・」と嘆く。

 実際の事件を調べて行くと、必ず愚かな親がそこにいる。

(つづく)



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マキからの手紙(8)気づかぬ親たち 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

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 愛があるのに、子供たちに間違った「考え方」、間違った「価値観」を押し付けてしまう。

 親自身は間違っていると気づかない。自分は正しいと思っている。

 愛する子供のためと思って、ナイフで斬りつけているようなものだ。

 旅立つ子供に、間違った地図を渡すようなもの。

 悲しいことに、そんなケース。昨今、とてもよく目にする・・・。

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 ある母親が、こんなことを言った。

 「私は愛情込めて、子供を育ててきたのに・・・、

 なぜ、うちの子は、あんなふうになってしまったのか?」 

 それは親の教育が、間違っていたからだ。なのに・・。

 「私はがんばった・・・。でも、子供が応えなかった・・・」

 そんなふうに解釈している。

 自分が間違っていたことに、気づかない・・。

 
(つづく)

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マキからの手紙(7)虐待する親たち 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

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 まさにそこが、今回の映画「ストロベリーフィールズ」を通じて、大人の人たち伝えたいメッセージである。

 今の時代。子供たちを、暴力で傷つける大人たちがいる。

 悲しい話・・・。

 しかし、それが酷いことであることは、見ていてすぐに分かる。

 始末に悪いのは、子供を虐待しながら、それは「虐待」ではなく、「厳しいしつけ」だと思っている大人たち。

 ただ、これもまだ、まわりは気づく。そのまわりの人さえ気づかないことがある。

 もはや現代では通用しないふるい価値観を、「これこそが大切な考え方」と押し付ける親たち・・。

 でも、そんな大人たちは「子供愛しているから、よかれ・・」と思っている。

これが正しい・・と信じて、子供たちを踏みつけている・・。

 
(つづく)





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マキからの手紙(6)大人たちへのメッセージ 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

 学年主任の長塚先生役。並木史郎さん。

 その表情だけで、気持ちが伝える。

 こんな感じだ・・。

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 「私は教師として、やるべきことをやってきた。

 子供たちに嫌われても、教えるべきことを教えなければならないと思っていた・・・。

 でも、このマキ(谷村美月)君の手紙を読んで、亡くなった美香(東亜優)君、理沙(芳賀優里亜)君の思いを読んで、感じる・・。

 本当に私は、子供たちの為になることをやってきたのか?

 ただ、子供たちを傷つけ、間違った価値観を押し付けて来ただけではなかったか?

 私がよいと思っただけの価値観で、ものごとを計ってなかったか・・・」

 そんな思い。数秒の表情で表現してくれる。

 その部分・・・。

 今回の映画「ストロベリーフィールズ」を通じて、大人の人たちに伝えたいメッセージである・・・。

(つづく)


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マキからの手紙(5)並木史郎さんの名演 2005/9/18 [撮影2日目(三)職員室]

 学年主任で堅物。規則にもうるさい長塚先生。

 演じるは、ベテラン俳優の並木史郎さん。見事だった。

長塚.jpg

 最初は厳しい顔で手紙を読む。

 途中ではっとして、次第に真剣になる。

 そして最後は手紙から目を放し、天井を仰ぎ見る。

 その演技の時間はわずか十数秒! 

 なのに、並木さんの顔を見ているだけで、手紙に何が書かれていたか? が分かる。

 さらに、あれだけ厳しくうるさい長塚先生にも、マキ(谷村美月)たちの思いが伝わったことが表現される。

 こんな感じだ・・。


(つづく)


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