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撮影2日目(七)マキの家 ブログトップ

飯島大介さんの言葉(上)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

親父3sBW.jpg

 マキの親父役、飯島大介さん。

 出演シーンが終了し、こちらにやって来る。

 「監督! お疲れさん。そして、もう一度、おめでとう!」

 飯島さん。僕の作品に「出してよ!」と言ってくれたのが10年前。

 今回の「ストロベリーフィールズ」出演をお願いしたのが5年前。

 今年、初夏。正式依頼したあとに、夏。クランクイン直前。約束を果たせない人がいて、また製作中止の危機・・・。

 復活したが、製作費が激減。そのせいで、マキの親父の出番。減った。

 それでも何とか、クランクイン。

 そして、ようやく、今日、本当に、飯島さん、カメラの前に立ってもらえた・・・。

(つづく)




タグ:飯島大介
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演技という名の戦い!(11ー終)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

 
 息の合った芝居ではなく、演技と演技の戦い。

 ベテランVS若手の激突になったのだ。

 それが芝居としての迫力を生み、物語をドラマティックにした!

 飯島大介。波岡一喜。凄い2人だ!ザ・役者。

 監督として、ほんと嬉しくなる。

 だが、ことはそれだけでは終わらない。

 そのバトルを見ていた別の俳優にも火が着く。

 15歳の新人。激突する2人に参戦する! やはり、あの子だ。

4人 マキの家 寄り.jpg

(つづく)

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演技という名の戦い!(10)関西パワー? 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

 
 口論している芝居なのに、何か違う。

 息は合っている。演技もうまい。だが、違和感がある。

 理由は「演技」をしているから。形だけで芝居をするからだ。

 しかし、飯島さんと波岡君の口論。戦いだった。

マキ親父.jpg

 もの凄い迫力があった! なぜか? 

 ベテラン飯島さん。出番の早々から全力でかかった。凄いパワー。

 波岡君。それを見て「負けてたまるか!」と感じたのだ。

 そこが元不良少年。天王寺出身。関西人。僕も大阪で育ったので感じる。

 「勝負したろやないか!」

 波やんのええところ! で、負けじとテンションが上がったのだ。

(つづく)





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演技という名の戦い!(9)やるな! 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

入り口s.jpg

 飯島さんのテンションが高くなると、

 波岡君も、それに付いて高くなる!

 ベテランの飯島さんなら、出番初日から実力を発揮。熱い芝居もできるかもしれない。

 が、若手の波岡君まで、燃え上がった。

 先にも書いたが、スタッフもよく知らない人たち。俳優陣に友達がいる訳でもない。

 誰も知らない中に放り込まれると、人は萎縮し、固くなりがち。

 誰にどう思われるか?も分からない。人間関係でも芝居でも、まず、無難にこなして様子を見る。

 なのに、波岡ぁ! 全力で来たぁ〜! 

 やるなあ! よし、行けーぇ!と思ってしまう。

 さらに!

(つづく)



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演技という名の戦い!(8)貫禄と迫力 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

 ベテランや大物の俳優。

 若手の監督だと、言いたいことも言えなくなるほど圧倒されることがある。

マキの家&スタッフ.jpg

 いや、新人監督でなくても、同じ。

 例えベテランの芝居に問題があったとしても、文句がつけられないことがある。

 貫禄と迫力に押されるからだ。

 当然、新人や若手俳優なら、その人の前で芝居するどころではなくなることがある。

 或いは、その熱演に押されて、実力が発揮できないで終わることもある。

 対ベテラン。出番初日。役作りの途中。初めてのスタッフ。仲のいい俳優もゼロ。

 そんな厳しい状況なのに、鉄男役の波岡一喜君。

 飯島大介さんの迫力ある演技に対して、全く引けを取らない熱演を見せたのだ! 

(つづく)



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演技という名の戦い!(7)ヤクザ映画 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]


 別の例を上げる。
 
 ヤクザ映画などでよく場面。

親父の食卓s.jpg

 チンピラが敵対する組の親分を暗殺に、チンピラたちが乗り込むシーン。
 
 でも、面と向うと、銃を持っていても、親分の貫禄に圧倒される。

 なかなか、引き金が弾けないという展開。

 「何で撃たないだよ? おかしくないか?」

 と思う人がいるかもしれないが、あれは嘘ではない。

 俳優でも荒波を超え、大きな仕事をしてきた人の貫禄というのは凄い。

 俳優も同じである。


(つづく)



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演技という名の戦い!(6) 初日の気持ち 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]


 出番当日の俳優の気持ち、というのは、

 転校生が、転入して来たその日と同じ・・。

 全然知らないクラス全員の前で、その日に重要なスピーチをさせられるようなもの。

 皆の前で話すだけでも、大変なのだ。

 さらに、飯島大介さんという超ベテランを前に芝居する。

 これはとても大変なのだ!

 ベテランというのは、もの凄いパワーと風格を持っている。

親父2sBW.jpg

 対面するだけでも、圧倒されるものがある。

 テレビや映画で見ていると分からないが、大物俳優と直接会うと本当に怖い。

 ライオンをテレビでも見ても怖くないが、動物園で織越しに向かい合うだけでも「怖わ〜」と感じるのと同じ。

 それがベテランとか、大物とかいう俳優の凄さ。

 そんな大先輩を相手に演じる波岡一喜君。本当に大変。

 演じるだけでも、かなりな「度胸」と「覚悟」がいる・・

(つづく)


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演技という名の戦い!(5)スタッフの目 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

鉄男 もじs.jpg

 その上、撮影というのは、

 カメラやライトを向けられ、多くのスタッフに凝視さられる。

 スタッフというのは、初めて仕事する俳優には厳しい目を向ける。

 演技力はどうか? 状況を把握しているか? まわりへの配慮をしているか?

 などなど、シビアな目線で見る。もちろん、いい作品を作るため。

 そんな厳しい視線を受けながら、集中して役になり切り演じるのが俳優。

 カメラの前に立つだけでも、もの凄い集中力と精神力が必要なのだ。

 よく知っているスタッフがいるとか、この監督とは何本も仕事をした・・

 ということでもあれば、まだいいのだが・・・それもない。

 俳優は精神的に追いつめられ、実力を発揮することができなくなることが多い。

(つづく)



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演技という名の戦い!(4)若手俳優の苦労 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

波岡 文字s.jpg

 飯島さんは、この道*十年のベテラン。

 しかし、もう一人の波岡一喜君。だが、まだ30歳前後。芸歴も長くない。

 とてもいい役者で、一目に気に入って鉄男役をお願いした。

 が、本日は初日。なのに難しい芝居からスタート。

 もっと、日常のシーンから入り、役を完全に掴んでもらい。

 それから、今日のような激しい演技をする撮影に挑めればよかった。

 が、スケジュールの都合で、こんな難しい場面から演じてもらった・・。

(つづく)


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演技という名の戦い!(3)ベテランの凄さ 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]


 撮影が進むことで、俳優は

「この人物、意外に短期なところがあるのか?」

 「几帳面そうに見えてるが、抜けている一面があるんじゃないか?」 

 いろなことを考えながら、演じて行くのである。

 試行錯誤の繰り返し。少しずつ役に近づく。

 なり切るまでには、時間がかかる。
 
 なのに、飯島大介さん。いきなりマキの親父。

 もちろん、彼のイメージで役を書かせてもらった。

 ある程度は、演じやすいかもしれない。

 が、僕が書いた親父をさらに押し進めて、人間臭い、個性的で、血の通った親父として演じてくれた。

親父1sBW.jpg

 そこに親父の歴史があり、過去があり、実在する人物になっている。

 これがベテランの実力・・というものか?本当に凄い。

 驚いたのは、それだけではない!

(つづく)




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演技という名の戦い!(2)いきなり親父に 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]


 ベテラン俳優・飯島大介さん。撮影場所である部屋に入り、ちゃぶだいの前に座る。

 もう、その瞬間から別人。

 梅農家で生計を立てるが、頑固でアル中。

 マキの親父、そのものになっていた。

親父3sBW.jpg

 撮影が始まると、いきなりテンションが上がる。

 前の晩から酒を飲み続けて、荒れる親父そのものになった。

 撮影前、時間を取って精神統一するとか、一切ないのに、完全にマキの親父なのだ。

 「それが役者ってものでしょう?」

 そう思う人がいるかもしれないが、なかなかそんな役者はいない。

 通常、出番の初日はなかなか役になり切れず、苦労することが多いのだ・・。

(つづく)



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演技という名の戦い!(1)飯島さん始動! 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

コンテ/激怒する親父.jpgコンテ/マキの家1ーs鉄男.jpg

 マキの親父(飯島大介)VS鉄男(波岡一喜)

 殴り合う訳でもないのに、もの凄い迫力だ。

 まず、飯島さん。ベテランの凄さとはこれ!

 昨日、ロケ地である田辺市入り。本日の午前中は待機。午後からここ稲荷の民家で撮影。

 「飯島さん。ようこそ! 田辺へ! ここが僕の古里です!」

 そういって握手をした、その次の瞬間から撮影準備は始まる。

 打ち合わせをする余裕もない。日が沈むまでに、撮り上げねばならないのだ。

 (つづく)


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マキの親父VS鉄男 2005/8/18 [撮影2日目(七)マキの家]

コンテ/マキの家2ーs鉄男.jpg

 鉄男「何でもっと、マキに優しくせんかったんですか?」

 鉄男役の波岡君。静かに、決意したように言う。

 大輔「何だとぉ!」

 怒鳴る親父。飯島さん。迫力。鉄男=波岡も、いきなりテンションが上がり叫ぶ!

 鉄男「奥さん出て行ったときも、マキはこの家に残ったんですよ!
  親父さんが心配で残ったんですよ!」

 格闘シーンではない。しかし、バトルである。

 本来、親父VS鉄男のシーン。

 それも言い合いをするだけのシーンなのに、

 飯島さんと波岡君、対決しているような迫力だ・・。

(つづく)




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親父VSマキ 2005/8/18 [撮影2日目(七)マキの家]


  波岡一喜君演じる鉄男の言葉に応え、マキの親父が言う。

マキ親父.jpg

 大輔(飯島大介)「鉄男。何で・・お前が・・会場へ送ってかなかっ
    たんだ!」

 鉄男(波岡一喜)「えっ?」 

 大輔「お前がマキを送ってれば、事故に遭わなかったんだ!(と殴りつける)クソーーーー(と暴れる)」

 ここから飯島さんのテンションが上がる。見ていても怖いくらいの迫力。
 
 それに負けない勢いで、様子を庭で見ていたマキ役の谷村美月が叫ぶ。

四人娘、正面.jpg

 マキ「(前に出て)何言ってんだ!鉄男は悪くないだろ!」

 谷村。僕が思っていたテンションの3倍くらいの迫力。よし、いいぞー。        

 そこに波岡君が参戦する。親父に頭を殴られたあと、顔を上げると目つきが違う。

 さすが元・不良少年! 「パッチギ!」だ。


(つづく)




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ベテラン俳優・飯島大介 2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

コンテ/マキの父.jpg


 今日の撮影で嬉しいこと。

 5年前から依頼していた、飯島大介さんの出演シーンがあること。

 最初に「太田さんの映画。出してよ!」と言ってくれたのは、もう10年前だ。

 それらの思いがやっと今日、実現する。

 飯島さんの役はマキの父親。シナリオ執筆時から飯島さんをイメージして書いている。

 「よーいスタート!」

 僕の声に合わせて、芝居が始まる。まずは、波岡一喜君からの台詞。

 が、先にも説明したが、その2人の芝居は撮影されない。

 それを見ているマキ(谷村美月)たちにカメラは向いているのだ。

 にも、関わらず、飯島さんは全力で芝居を始めた!

(つづく)


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想定外の展開?(8)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

カチンコイン/マキの家s.jpg

 物語では、ここからは室内に移る。だが、まず庭のシーンを先に撮る。

 マキの親父と鉄男の会話を、夏美たちが見つめている部分である。

 ほとんど台詞はない。

 が、鉄男らの会話を聞いた夏美たちの表情、変わるのを捉える。

 一方、室内の俳優たち。カメラは外を向いている。通常ならそれなりの芝居をする。

 エネルギー。自分たちがメインのときに、取っておくのが普通。

 なのに、もの凄い演技を始めてしまった俳優がいた!

(つづく)



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想定外の展開?(7)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

 マキ(谷村美月)らが、庭に到着したとたんに、

 鉄男(波岡一喜)が飛び出して来る。

 波岡君。初登場の場面だ!

コンテ/マキの家1ーs鉄男.jpg

 なかなかいい。凄く自然。先のいちご娘到着シーンより、カメラは固定。

 ここからはカメラも庭に降りて、AカメラとBカメラの2台で撮影する。

 鉄男。見えるのは夏美(佐津川愛美)だけ、マキ(谷村美月)たちには気づかない。

コンテ/夏美たち.jpg

 そのまま、鉄男は部屋に戻り、マキの親父(飯島大介)に抗議を続ける。

 鉄男はあとで撮影。カメラは夏美たちの方を先に撮る。

コンテ/マキの家2ーs鉄男戻る.jpg

 といっても、室内の俳優たち。お休みという訳ではない。

 外と中の芝居は密接に関係しているので、室内でも芝居をしてもらう。
 
(つづく)

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想定外の展開?(6)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

4人 マキの家 寄り.jpg

 2台のカメラ。庭にいるいちご娘たちを捉える。

 Aカメ(カメラ)は夏美(佐津川愛美)、

夏美イン庭.jpg

 Bカメはマキ(谷村美月)

 行けるところまで芝居。それを撮影。
 
 カットして、今度はAカメが理沙(芳賀優里亜)。

理沙イン庭.jpg

 Bカメが美香(東亜優)。それでまた、最初から芝居をする。

 それがハリウッド式の撮影。

(本来なら4台のカメラで、いちご娘たちを全員同時に撮りたかった。が、それはやはり厳しい・・それでも2台というのは凄い。こんなことする現場。まだ少ない!)

 今回の作品は超低予算。けど、デジタル技術の発達でそれが可能になった!
 
 (つづく)




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想定外の展開?(5)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

マキの家 4人.jpg

 マキの家の撮影。

 シナリオを読めば分かるが、前半、中盤、後半と3つのパートに分かれる。

 前半と後半。庭にいるマキ(谷村美月)たち、いちご娘4人が中心の芝居。

 中盤は家の中、マキの親父(飯島大介)と鉄男(波岡一喜)の芝居。

 なので、まず、庭にいるいちご娘たちの芝居。通して撮ることにする。

 

 (つづく)




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想定外の展開?(4)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

 撮影は、家に向かう夏美(佐津川愛美)たちのシーンからスタート。

 先に紹介した石垣の壁のところ。

マキの家への道m.jpg

 マキ(谷村美月)を先頭に、夏美たちが続く。

 そこで夏美と美香(東亜優)。

 理沙(芳賀優里亜)にも「自宅に戻ろう」と提案するが、拒否される。

 その場面は、手持ち撮影。カメラマンは俳優にカメラマンを向け、後ろ向きに歩く。

 次が、4人がマキの家に到着するところ。

 カメラは俯瞰になり、高い場所から庭に入って来る4人を撮影する。

マキの家 4人.jpg

 

(つづく)

 
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想定外の展開?(3)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

入り口s.jpg

「あいつ本当に下手だよな・・」

 と、現場で俳優を批判する監督、たまにいる。

 が、それは違う。その俳優をその役に着けた監督自身が悪い。

 映画界でよく言われること。

 「演技がよければ俳優の功績。俳優の演技が下手なら監督の責任」

 全くその通りだ。

 話がそれたが、本日、起こった予想外の展開は先の(2)の逆である。

 つまり「(2)思った通りの芝居を俳優ができず、時間がかかってしまう」ではなく、

 ある俳優が予想以上に、凄い芝居をしてしまったのである・・・・!


(つづく)

 

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想定外の展開?(2)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

カチンコイン/マキの家s.jpg

 ところが、現場では思わぬことがある。例えば・・。

 (1)雨が降ったり、強い風が吹いたりして、思った通りの撮影ができない場合。

 これはよくある。でも、本日はそんなことはなかった。

 (2)俳優が思った通りの芝居ができず、時間がかかってしまう。或いは、芝居自体ができない場合。

 これも撮影現場では、たまにある。

 だが、それは監督が俳優の力量を読み切れずに、むずかしい芝居やキャラに合わない役にキャスティングしたことが原因・・。

 なのに・・。
 
(つづく)



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想定外の展開?(1)2005/9/18 [撮影2日目(七)マキの家]

マキの家とスタッフ.jpg

 さて、マキの家の撮影。今回は、かなり詳し〜く説明した。

 シナリオ紹介。絵コンテ紹介。演出意図の解説。撮影方式の解説。ロケ現場の写真紹介。

 僕がどんな意図で、どのようなスタイルで撮影し、俳優に何を望んでいるか?

 ロケ現場にいなくても、どんな撮影をしたか? 

 そして俳優たちの芝居も、それなりにイメージできるだろう。

 ところが、ここまでプランを立てて、準備して、撮影に臨んでも、

 現場では、思わぬ展開がある・・。

(つづく)


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