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マキのトロフィー(4ー終)2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

トロフィー2s.jpg

 谷村美月、こう言う・・。

 「あのーーーー」

 「何?」

 「そのトロフィー。このあと、どうするんですか?」

 「ん? もう使わないけど?」

 「だったら、もらっていいですか?」

 「・・・・・・・? うん。一応、演出部のK君に聞いてみる!」

 聞くと、あとは捨てるだけという。

 「谷村さんがもらってくれるなら、光栄です!」

 というので、プレゼント。

 「わーーー超うれしい!」

 マキ、大喜び。本当に優勝してトロフィーをもらったようだ。

 撮影中は天才少女の顔だが、このときは15歳の無邪気な笑顔。

 こちらの谷村美月も魅力的だった。

 明日の活躍も期待!

(つづく)


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マキのトロフィー(3)2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 谷村、嬉しそう。

 とはいえ、トロフィーには役名が彫られているだけ。でも、大切なこと。

 作るのが面倒な小道具を作ったり、その役に合った物を集めること。時間もお金もかかる。

上田マキ.jpg

 が、それらが芝居をする上で、大きな役割を果たす。

 名前が入っているだけでも、俳優はそこから想像力を膨らます。演技の奥行きが出来る。

賞状B&W.jpg

 また、スタッフの努力に応えようと、がんばる。だから、スタッフも努力して小道具を用意する。

 トロフィーはサード君から、谷村美月へのエールでもあるのだ。

 それを伝えたかった。

 鋭い谷村。それを理解し、喜んでくれる。

 説明を終え、現場に戻ろうとする。と、谷村がこう言った・・。

(つづく)

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マキのトロフィー(2)2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 そう思って、撮影後、近所に借りた控え室へ。

 マキ役の谷村美月に、トロフィーを見せに行った。

 「マキ、いるかなあ〜?」

 ちなみに撮影中は本人の名前ではなく、役名で呼ぶ。

 呼ぶ方も呼ばれる方も、その方が役になり切れる。いい芝居に繋がる。

 帰り支度が出来た谷村、部屋の奥から出て来る。

 「監督、何ですか?」

 「マキ。このトロフィー。気付いた?」

 「・・・・いいえ?」

 「ちゃんと、上田マキ殿!って彫ってあるんだよ!」

トロフィー2s.jpg

 「へーーーーー凄い! ほんとだぁ。名前が彫ってある!」

 「助監督のK君が工場に頼み込んで、名前を入れてくれたんだ!」

(つづく)

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マキのトロフィー(1)2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 本日撮影した場面。

 鉄男(波岡一喜)と父(飯島大介)が言い争っている。それを見ていたマキ(谷村美月)。

 堪り兼ねて飛び出して叫ぶ。そのとき、玄関に置いてある柔道の大会でもらったトロフィーをチラッと見る。

トロフィーs.jpg

 そのトロフィー。助監督のサード君が用意してくれたもの。

 小道具費。本当に厳しいのに、知り合いの工場に頼み込み映画のために作ってもらった。

 よく見ると、台座にはちゃんと「優勝 上田マキ殿」と金色のプレートに彫られている。

 でも、芝居の中、遠目に見ては分からない。

 「マキ(谷村美月)・・・気づいたかなあ?」


(つづく)


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タグ:谷村美月
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波岡一喜、「大切なシーン3つ」(下)2005/8/18 [撮影2日目(八)マキの家]

花火2.jpg
 
 波岡一喜君。

 花火のシーンでも、10代の谷村美月、東亜優をひっぱり盛り上げてくれた。

 最初は戸惑い気味だった谷村や東も、波岡君のリードで次第にリラックス。

 最後はカメラを忘れて楽しげだった。

 そう、本当にいい役者というのは、自分のパートを演じるだけでなく、相手役も演じやすくなる気配りができる人。

 波岡君。見かけはキツそうだが、そんな優しさを持つ役者。

 明日以降の撮影でも、頼りにしたい!

 (つづく)

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タグ:波岡一喜
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波岡一喜、「大切なシーン3つ」(中)2005/8/18 [撮影2日目(八)マキの家]

鉄男 もじs.jpg9938366.jpg

 波岡一喜君。こう言う。

 「確かに、初日ですし、プレッシャーでした。

 でも、今回のシナリオを読ませてもうて、どうしても大切にしたいシーンが3つあったんです。

 何があってもやりきろう!と思う芝居です。その1つが今日のシーンでした。

 だから、夢中でやってたんです!」

 なるほどと思えた。

 もちろん、彼の言うのは、その3つ以外は手を抜くということではない。

 全てのシーンを大切にするが、特に大事なのが3つあるということ。

 「だから、今日のシーンは落とせない!」

 そう思い。プレッシャーに耐え、がんばってくれたのだ。

 そして、その成果を十二分に上げた。


(つづく)




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波岡一喜、「大切なシーン3つ」(上)2005/8/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 花火のシーン。撮り終えたあと。

 鉄男役の波岡一喜君に声をかけた。

 先にも書いたが、俳優にとって出番初日。初めて監督。初めての相手役。それもベテラン。

 知らないスタッフ。初めてのロケ地。そんな中での演技はもの凄く緊張する。

ナイター.jpg

 もの凄いプレッシャーを感じる!

 なのに、エネルギー全開で演じてくれた。ベテランの飯島さんに負けない熱演を見せてくれた。

 波岡一喜。本当にできる役者だと感じた。

 本人にそう話した。ら、彼はこういう・・・。

 
(つづく)



タグ:波岡一喜
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飯島大介さんの言葉(下)2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

親父2sBW.jpg

 マキの親父役。飯島大介さん、こう言う。

 「監督。5年間。本当によくがんばったと思う! 俺も嬉しい! この日が来るまで本当に長い間待った・・・」

 そして、その日がようやく来た。ありがとう。でも、撮影はまだまだ、これから。がんばってほしい!」

 飯島さん。そういうと握手を求めて来た。その熱い手を握る。

 5年間。諦めずにやってきてよかった・・・と思える。

 でも、飯島さんの言う通り、まだこれから。そしてただ単に映画を撮り上げるだけでなく、感動作に仕上げること大切。

 明日、三日目の撮影。また、全力でかかる!


(つづく)


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「日本の夏」「金鳥の夏」2005/8/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 マキ(谷村美月)が鉄男(波岡一喜)、美香(東亜優)と3人。

 庭で花火をするシーン。これもマキの想い出。

 これはもう、本当にやってもらう。スイカを食べながら、花火!

 マキと美香は、浴衣姿。

浴衣.jpg

 「日本の夏。金鳥の夏」のような、古き良き日本の夏をイメージしている。

 演出なし。最初は谷村も東も緊張気味。俳優というのは「自由にやって!」と言われると逆にプレッシャーなのだ。

 何だか暗いムード。精霊流しみたい・・。

花火1.jpg

 だが、波岡君がリード、花火大会盛り上がる。キャーキャー言ってる感じでた。

花火2.jpg

 線香花火。ネズミ花火。ロケット花火。いろんなのをやった。

 これでようやく、マキの家関係の撮影。終了である!

(つづく)

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マキ母との夕食シーン/2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 マキ(谷村美月)の想い出。

 まだ、母親が家出する以前。一緒に楽しい夕食。

 父(飯島大介)と一緒に梅干作りをした想い出。

 まず、この2つ。母親の水沢有美さん、まだ撮影は先。この場面では、顔を見せない設定なのでスタンドイン。

親父の食卓s.jpg

 メイクさんが衣裳を着て、その後ろ姿で撮影。正面には谷村。ご飯を食べる。

 そして梅干作り。

 実は飯島さん。毎年、自分で本当に梅干を漬けるのだ。慣れたもので、本当にやってもらう。マキがそれを手伝う場面。庭先で撮影。

 次は、花火の思い出シーンだ!

(つづく)



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マキの想い出シーン撮影/2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 再び、マキ親父(飯島大介)VS鉄男(波岡一喜)シーン。

 前回以上に迫力ある演技、見せてくれる。

 さらに、クライマックスの一部として使われる、親父の場面。

 マキ(谷村美月)が書いた手紙を読む部分だ。

マキ父の手紙.jpg

 設定としては朝。夜明けまで飲んだ親父、家に帰る。

 外はもう明るい。(照明部さん。外の光を朝に変えてくれる)

 部屋に入るとテーブルの上に手紙。「ん? 何だろう」と手に取る。

 そこにはマキが秘めていた自分の思いが綴られている。

 それを読みながら、親父が涙ぐむ。

 先に東陽中学で撮影した「先生たちが手紙を読む」シーンと同様のものだ。

 飯島大介さん。テイク1から涙をこぼしながら手紙を読む。

 父親の悲哀がにじむ、いい場面となる。

 が、まだ、終わりではない。マキ(谷村美月)の回想シーンを撮らねばならない。
 

 (つづく)

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再び、マキの父VS鉄男シーン  2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

監督&マキ父.jpg

 照明部の準備が終わったら、

 再び、ゴジラ対ガイガン・・ではなく、マキのオヤジVS鉄男のシーンに戻る。

 飯島さんと少々、打ち合わせ。本番に入る。

 
 カメラはバッチリ彼らの側。だが、これも2回撮る。

 マキのオヤジ(飯島大介)側と、鉄男(波岡一喜)サイドからとの2回。

 こうすれば、両者のアップが撮れる。

 日本映画。往々にして、2人が向かい合っているのを、真横から撮りがち。

 撮影は1回で済み楽だが、俳優の表情が分かりにくい。

 だから、手間がかかっても、2方向から撮る!

(つづく)



 
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照明部の出番! 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

4人/夕方.jpg

 昼間のシーンなのに、とうとう陽が沈んでしまった・・。

 どうすればいいのか?

 でも、心配ご無用。

 庭のシーンは何とか撮り上げた! 残るは室内側だけ。

 それなら強い味方がいる。照明部。

 ライトを当てて、室内に昼間の光を入れてもらう。

ナイター.jpg

 そうやって、マキのオヤジ(飯島大介)と鉄男(波岡一喜)のシーン。

 撮影再開だ!

(つづく)



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日が沈む! 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

        マキの家への道/夕方s.jpg

 いずれにしても、熱い役者たちのバトルで盛り上がった。

 が、撮影したのは、谷村たちいちご娘サイドだけ。

 このあとに、マキのオヤジ側の撮影。

 もう一度、「熱いバトル」を演じてもらわなければならないのだ。

 しかし、本日の撮影は3カ所目。

 東陽中学で美香(東亜優)の活躍。その後、移動して美香の家。そしてここ、マキの家と、何カ所もロケした。

 それぞれに長い芝居があった。

 夏の日は長いといわれるが、さすがに太陽は沈んでしまう。

 あたりも、暗くなって来る。
 
 まずい! 同じシーンなのに、片側の場面が明るく、反対側が日暮れでは繋がらなくなってしまう・・。

(つづく)


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谷村、参戦!(17-終)天才少女 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 15歳の谷村の中で、マキという感情の起伏の激しい少女が、辛い現実を見て、

 48時間というタイムリミットの中にいれば、号泣せずにはいられない。

マキの家/マキ涙.jpg

 そう解釈したのだろう。

 いや、そうではない。谷村の鋭い感性が無意識にそう感じさせ、演じさせたのだ。

 さすが天才少女。その「感受性」と「表現力」を期待してマキ役を依頼した。

 シナリオと違っていても、谷村の感じ方は正解。それでOKだ!

 この場面。マキのオヤジ役、飯島大介さんと、鉄男役・波岡一喜君の演技による熱いバトル。

 そこに谷村が参戦した形。男性陣2人に、負けない熱演だ。

 怪獣映画(?)でいえば、ゴジラとガイガンが戦っているところに、アンギラスが乱入。

 大暴れというところか?

 プロレスでいえば、猪木とホーガンの試合中に、スタン・ハンセンが乱入。場内大混乱というところだろう。

(つづく)



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谷村、参戦!(16)号泣 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 話を戻す。

 「会いたくないよ・・」

 谷村美月は「お母さんに会いに行こう」と提案する夏美(佐津川愛美)に涙ながら、そう答える。

マキの家/3人B.jpg

 そのまま、玄関まで歩いて行き、壁にもたれて叫ぶ。

マキ「(皆から離れて叫ぶ)ちくしょーーーーーー試合に出たかったよーーー!何でオレだけ、こんな目に遭うんだよーーー!」

 ここは本来、唇を噛み、悔しいさを表現する場面。

 でも、それを谷村。悲しみを爆発させる芝居にした。

 シナリオには「泣きながら」とは書かれていない。なのに、号泣しながら叫ぶ。

(つづく)



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谷村、参戦!(15)十代を信じる 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

マキの家 4人.jpg

 マキの家の場面。同じだ。

 大人から見れば、マキが抱えるのは「小さな悲しみ」かもしれない。

 監督的に見れば、こう見える。

 「まだ、泣いてもらっちゃ困る。涙で悲しみの大きさを表現するんだ。あとのシーンに取っておかないと!」

 でも、それは間違い。大人の解釈で子供たちの気持ちを描いてろくなことはない。

 人は年を取ると「若い人の気持ち」が分からなくなるのだ。僕も同じかもしれない。

 10代の谷村美月を信じること、大切だ!

 
(つづく)




 
 
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谷村、参戦!(14)十代のチカラ 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 
 そして本日、前半の東陽中学のシーン。

 美香役の東亜優が素晴らしい演技を見せた。

美香、2本指.jpg

 あれも、演技力を超えたものがあった・・。

 別れ別れになった友達が、もう二度と会えないかもしれない状況。

 そんな2人が再会する。

 東がそれを想像したときに、自然、「悲しみ」と「嬉しさ」が交差。

 何ともいえない素敵な表情が出たのだ。

 やはり、10代の感性を信じることが大切。

 大人の古びた感性を押し付けて、無理に演じさせてはいけない。

(つづく)


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谷村、参戦!(13)決めた 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

入道雲ーs.jpg

 いつの時代も、年を取り、おじさんになると、感性が老化して、ズレて行く。

 10代の気持ちが分からなくなる。

 でも、それに気づかずに「今の若いものはこうだ!」と言ってしまう。

 若い人と接する機会がないのに、テレビのニュースだけ見て分かった気になる。

 援助交際をし、ドラッグをやり、茶髪で、将来のことを何も考えていない、汚れた連中が若者だと信じ込んでいる。

 その感覚で青春映画を作っても、若い人が感動するはずがない。

 今回も、おじさんたちの言葉に耳をかさなかったの。正解だった。

 本読みのとき。決めた。

 谷村や佐津川たち、理解力も鋭い感性もある10代。

 この子たちの「気持ち」や「思い」を大切に演出しよう。

 それが、10代に伝わる作品作りになる!

(つづく)






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谷村、参戦!(12)十代の気持ち 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 おじさんたち。散々批判した。

 が、出演者である本物10代。

 夏美役の佐津川愛美も、マキ役の谷村美月も、理沙役の芳賀優里亜も、シナリオを読み、感動、ボロボロに泣いていた。

 演じる俳優が感動できないものは、観客にも伝わらない。

 やはり、出演者に「もうちょっと、勉強してくれよなあ〜」と言われるようではダメ。

 おじさんたちに批判されても、10代が感動すればOKだ。

 「ストロベリーフィールズ」のシナリオは、このままで正解だ!と確信した。

ベスト雲.jpg

 あのとき、おじさんたちの意見に従い、彼らのいう「今時の若者イメージ」でシナリオを直していたら、大変なことになっただろう。

 そこで改めて実感したこと。僕が10代の頃に見て、呆れ返った青春もの。

 あのときもおじさんたちが「これが今時の若者だ」と思いながら時代錯誤していたこと。

 若い脚本家が「本物の10代」を描いても、「今の子はこうじゃないんだよ」とか言って、改悪してしまったのだろう・・・。


(つづく)






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谷村、参戦!(11)十代の感性 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]


 本物の不良だった10代俳優なので、少々問題あるいい方。

 でも、正解だと思える。

 僕らも、同じこと感じていた。

 今回の「ストロベリーフィールズ」は、そんな作品にしないこと。大きなテーマだった。

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 10代、20代に何度も取材。当時は演劇学校で教えていたので、生徒たちからも話を聞く。

 まわりにいた、若い友人たちの評版もいい。

 が、映画関係者には批判する人が数多くいた。

 「今時の子は、こうじゃない!」「こんなもんでは、泣けない!」

 でも、批判するのは、40代以上の男性ばかりだった・・・。

(つづく)



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谷村、参戦!(10)20年前の青春 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

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 話は少し逸れる。僕自身が10代の頃に見た、日本映画の青春もの。

 呆れるものばかりだった。アイドルが主演であることが多い・・。

 「いまどき、あんな奴いないよ!」という主人公が、20年前の青春を演じていた。

 裕次郎の時代か? 赤木圭一郎か!と言いたくなるものばかり。

 皆、50歳を過ぎたおじさんが監督。インタビュー等を読むと・・・。

 「これが青春だ。若い人に見て、感動してほしい」

 とか言ってる。バカか?という感じだ。日本映画は見るもんじゃないと自戒した。

 のちに、それらの映画の出演者が言っていた。

 「おじさんたち(スタッフ)何にも分かってないんだよなあ。

 あんな言葉使いする奴なんていねえよ〜。演じてて笑いそうでさあ。

 もうちょっと勉強して撮ってほしいよなあ・・」

 
(つづく)




 
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谷村、参戦!(9)等身大 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 佐津川愛美も、芳賀優里亜もそうだった。

 皆、会議室で本読みの途中から、ボロボロに涙を流していた。

シナリオ新3.jpg

 感動したということは、登場人物に共感し、その行動や思いに感動したということ。

 それならば、違和感なしに、それぞれの役が演じられるはず。

 10代の観客も拒否感なしに、自分たちの等身大のキャラとして受け入れてくれるだろう。

 そう。僕が10代の頃に見た、見るも無惨な青春映画には、したくない・・・。

(つづく)

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谷村、参戦!(8)本読みで感じたこと 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 撮影前。東京で行った本読み。

 東亜優は参加できなかったが、初めて顔合わせをした日。とりあえず読んだシナリオで、皆、泣きながらシナリオを読んだ。

シナリオ新2.jpg

 ひとつには、役に入ったということ。それは大したもの。

 通常は本読みをして、立ち稽古をして、撮影に入り、少しずつ役を掴んで行く。本読みで入るのは凄いことだ。

 次に、物語や登場人物に共感、感動して泣いてしまったことがある。

 谷村美月、終了後。泣きながらこう言った。

 「自分で演じていて、自分で泣いてしまった〜」

 谷村はまだ、15歳だが役者根性がある。

 「観客を感動させても、自分が物語に感動していてはいけない」

 と分かっている。

 なのに、シナリオを読み、物語を確認して、感動してしまい、号泣してしまったのである。

(つづく)


 

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谷村、参戦!(7)15歳の感性を信じる 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

マキの家/マキ2.jpg
 
 今回の映画「ストロベリーフィールズ」。

 場面を重ねるごとに、悲しみが大きくなり、美香(東亜優)、理沙(芳賀優里亜)との別れで涙が溢れるという演出を考えていた。

 が、まだ、誰とも別れがないシーンで、号泣すると、あとはどうすればいいんだ?

 しかし!40代のオヤジ(僕です)が考えるより、15歳の谷村が感じることの方が正解。

 マキは女子高校生だ。僕は経験したことのない存在。

 現在、中学生の谷村がシナリオを読み、マキになり切り、ロケ現場に立ち、マキの家で、父親の姿を見て、感じること。

 それがマキとしても、正しいはず。

 「マキ! このシーンでは泣かないように。泣くのはまだ、あとのシーンだから!」

 監督として、そういうべきではないと考えた。谷村だけでなく、今回の4人はシナリオを、物語を本当によく理解している。

 東京の本読みのときに、そう感じた。というのも・・。

(つづく)




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谷村、参戦!(6)号泣 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

マキの家/3人.jpg

 マキ(谷村美月)の悲しい事情を知り、夏美(佐津川愛美)と美香(東亜優)が声をかける。

 夏美「うん。私がマキの気持ちを(家出したお母さんに)伝える!」

 マキ「・・・会いたく・・・ないよ・・・(と夏美から離れる)」

 マキ「(皆から離れて叫ぶ)ちくしょーーーーーー試合に出たかっ
  たよーーー!何でオレだけ、こんな目に遭うんだよーーー!」

 「会いたくないよ」から最後まで、マキの台詞は「悲しみを押し殺した感じ」で書いていた。

 ところが、「会いたくないよ」から谷村は涙ぐむ。「ちくしょー」では号泣しながら、悲しみを爆発させた!

 一瞬、思う。

 「泣くのはまだ、あとのシーンなのに・・・」

(つづく)


 

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谷村、参戦!(5)「負けたくない」2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 谷村美月。役者根性がある。

 ベテラン俳優・飯島大介さんと、若手の波岡一喜君の炎が燃え上がるような芝居。

親父2sBW.jpg

 それを見て、火がついたのだろう。

 「この人たちに、負けたくない!」

 と・・思ったはずだ。

 「この2人に負けたくない!」

 呟くように台詞、大声で叫ぶ。

 そのテンションは維持され、次の台詞でも発揮された!


(つづく)




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谷村、参戦!(4)役者根性 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

筆文字/迫力.jpg

 谷村美月の台詞。独り言というより、

 親父に怒りをぶつけるような、大きな声で叫ぶ。ののしるという感じ。

 「勝手なこといいやがってぇ! もう、遅いんだよぉ!!!!」

 僕のイメージとは違うが、止めなかった。むしろ、ウッシッシ!という感じ。

 これを期待して谷村に依頼したのだ。ついに、天才少女・実力発揮である!


(つづく)



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谷村、参戦!(3)暴走を期待 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]


筆文字/マキ.jpg

 先に紹介した。「鉄男は悪くないぞ!」というマキの台詞。

 そこからもう、谷村美月のテンションは高かった。さらに!

 マキ(谷村美月)「柔道だよ・・(と、飾られたトロフィーを見つめる)・・・・勝手なこといいやがって! もう、遅いんだよ!」

 この台詞。マキは父親に言ってる訳ではなく、自身に向かっていうように、或いは独り言をいうような、感じで書いた台詞。

 監督によっては、全て自分のイメージ通りに演じさせる人がいる。伊丹十三監督のように台詞は一切間違えてはいけないという人もいる。

 しかし、映画というのは共同作業。その俳優の解釈が面白ければ、OKというのが僕の考え方。

 多少、台詞を間違えてしまっても、意味が同じなら問題なし。

 いや、むしろ、思いが籠って俳優が暴走するときこそ、おもしろい場面になる。

 密かにそれを期待していたりする。と、ついに、やってくれた!

 谷村美月の台詞。僕が考えた、独り言に近いニアンスではなかった。

 

(つづく)








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谷村、参戦!(2)シナリオ 2005/9/18 [撮影2日目(八)マキの家]

 シナリオを確認する。

シナリオ新1.jpg

 マキの父(飯島大介)「・・合気道やるのを、認めてやればよかった・・」

 マキ(谷村美月)「柔道だよ・・(と、飾られたトロフィーを見つめる)・・・・勝手なこといいやがって! もう、遅いんだよ!」

 マキの父「・・・・・・・・・・・」

 美香(東亜優)「マキ・・・お母さんに会いに行こうよ? どこにいるの?」

 夏美「うん。私がマキの気持ちを伝える!」

 マキ「・・・会いたく・・・ないよ・・・(と夏美から離れる)」

 理沙(芳賀優里亜)「どこにいるか分からないしね?」

 夏美「理沙!」

 マキ「(皆から離れて叫ぶ)ちくしょーーーーーー試合に出たかっ
  たよーーー!何でオレだけ、こんな目に遭うんだよーーー!」

 これらの台詞。マキを演じる谷村美月。

 僕が想定した以上のパワーで、演技を始めたのである!

(つづく)

 
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