車の中でマキたちが歌う歌は?(14ー終)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
用務員・古本役のデニーロ垣内さん。撮影後に、こう話してくれた。
「あの車の撮影は、ほんま楽しかったですよ。
友達らには、可愛い子を四人も乗せてドライブ。羨ましいなあ。
変わってくれよ!と言われました。
けど、ほんまに楽しかった。
佐津川(愛美)さんも、谷村(美月)さんも、東(亜優)さんもホンマの修学旅行みたいで。
芳賀(優里亜)さんはふて腐れてないといけないのに、その輪に入りたそうでした。
その楽しい感じ。映画にもしっかりと出てほしいですね」
必ず出る!
本当に仲が良くて楽しければ、それは映像を越えて伝わって来る。
歌・・・「キューティハニー」にしてよかった!
(つづく)
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鉄男の子分・ポン太(4ー終)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
すると、前シリーズ「太陽娘と海」にも出演した建みさとちゃん。
「・・ポン太って、どこかで聞いたことあるなあ・・」
1時間ほど考え込んでいたが、突然に「あーーーーーそうだ!」と思い出していた。
記憶力がいいなあ。その愛らしい(?)名前が印象的だったのかも。
そんなポン太という名前。僕は思い入れがあり、今回の「ストロベリーフィールズ」の登場人物の名前として採用した。
大林宣彦監督の映画でいうと、尾美としのり風の青年。とても重要なキャラである。
さて、ポン太役も決まったところで、撮影開始だ!
(つづく)
鉄男の子分・ポン太(3)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
ちなみに「ポン太」という名前。
僕が監督補として参加したテレビドラマ「太陽娘と海」から来ている。
モーニング娘。が超初期。まだ、5人だった頃に出演した深夜ドラマ。
主人公のマリン(建みさと)が移動FMのDJをやっているとき、「私の初恋は、ポン太!」とかいう台詞がある。
実はジョークで、犬の名前。そのポン太から役名をもらった。
ちなみに「太陽娘と海」のあと番組「風の娘たち」(僕の監督デビュー作)でも、ポン太は登場。
そのときは、確か牛の名前だった・・。
(つづく)
鉄男の子分・ポン太(2)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
が、撮影が近くなってから「その内容では製作費内では予算内でできない」という話になり、泣く泣く数人のキャラクターをカットした。
その1人がポン太。悔しくて溜まらなかった・・。
でも、地元で出演者を募るという展開になり、復活。常に鉄男の側にいる一の子分としてスクリーンの登場する!
そんなポン太役を勝ち取ったのは、地元のA君。台詞もなかなかうまい。
そう、ポン太役は台詞がある。
古い例で分からない人が多いと思うが、赤塚不二夫の漫画「もーれつ!ア太郎」。
それでいうと、鉄男が「ア太郎」。ポン太は「デコっ八」である!
(つづく)
鉄男の子分・ポン太(1)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
本日の撮影。まずは、会津川の排水口のある場所。
昭和40年代の香りが今も残る。僕が最も好きな古里の風景である。
出演者は佐津川愛美、谷村美月、芳賀優里亜、東亜優のいちご娘4人組。
波岡一喜、伊藤裕子、地元俳優・垣内剛。そして町の若者たち。
鉄男の子分を演じてもらう。30人近く集まってくれた。
マキの応援シーン。盛り上がりそうだ。
演出部チーフから提案。
「監督。この機会にポン太役を決めておいたら?」
ああ、その通りだ。急遽オーディション!
エキストラで来たくれた若者たちの中で、鉄男の子分が出演する日。全てに来てもらえる人、手を上げてもらう。
5人に絞られた。その中で、台詞を言ってもらう。最もうまかった人に、鉄男一番の子分・ポン太役をお願いする。
ポン太役は本来、とても大きな役としてシナリオに存在していた・・・。
(つづく)
演出プラン(終) 2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
同時に映画の中では、鉄男が初登場するシーン。
彼のキャラ。一発で伝える見せ方をしたい。
鉄男の子分も20人ほど出演。彼らとの関係性もエピソードではなく、動きと立ち位置で見せたい。
嫌々参加する理沙の気持ちも、表現せねば・・、
夏美の喜び、マキの戸惑い。その狭間で1人気を使う、美香の健気さ。
見守る京子先生の気持ち。いい加減な用務員さんの感じ。
これらを台詞ではなく、「立ち位置」と「動き」だけで表現したい!
その全てを同時に表現する方法。本当に成立するのか?
学校や会社のシーンであれば、ある程度決まってくる。が、今回は「これが正解!」ということがない場所。
今回の撮影で、最も悩んだ場面。
その撮影。いよいよ、本日だ・・。
(つづく)
演出プラン(6)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
大切なのはまず、美しく撮ること。
俳優が自然に動けて、物語展開がクリアーに見えること。ここまでは当然。
さらに立ち位置によって、その役の「気持ち」や「立場」も表現。これは難しいのでいずれ詳しく書く。
また、場面によっては、未来や過去を感じさえる演出も大切。
或いは「不安」「恐怖」「喜び」「悲しみ」。そのシーンで描くトーンや雰囲気を醸し出せる位置関係が重要。
それでいて不自然ではいけない。「こんな位置関係で話をするか?」見たいなことはダメ。
といって低予算映画で、黒澤明監督なみに粘っていると、大変なことになる。
といって時間がないからと、定番で安易に撮るのもダメ。
「喜び」と「戸惑い」と「不安」そして「前兆」を描くかねばならないのだ!
(つづく)
演出プラン(5)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
でも、多くのプロデュサーの発想はこうだ。
「いい作品を撮る監督」より、「早く撮影をして時間をかけない監督」が優秀と考える。
当日にパッパッと決める監督を見ると、いかにもベテランで、現場を分かったように見える。
が、実は適当であることが多い。
(中には優秀なプログラムピクチャー監督もいるが、決して名作を撮る人たちではない)
ほとんどの場合。彼らは定番で「立ち位置」も「カメラ位置」を決める。それなら撮影当日に決めるのも、さほど難しいことではない。
ただ、出来上がった画面は、平凡。よく見るドラマの一場面のようにしか見えない。
そうならないように、その場面を見せる上で、あらゆる意味で、最高のものを引き出すためには、俳優たちの「立ち位置」と「カメラ位置」はとても重要なのである。
(つづく)
演出プラン(4)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
1人2人の撮影なら、俳優に何度か立ち位置を変えてもらえる。
そしてカメラを覗けば、どれが一番正解か?すぐに答えは出る。
でも、40人も50人もいる出演者に動いてもらうと、それだけですぐに時間が経ってしまう。
だから、綿密な計算と細かなプランが必要。
しかし、そこそこ経験のある監督だと、こういう人もいる。
ロケハンには参加していないのに、撮影当日、初めて現場に来て、こうだ。
「えーーー、山ちゃん。そこ! ナべちゃんそっち。カメラは、こちらから、こう!」
即座に立ち位置から、カメラ位置まで決めてしまう。
瞬時に全てを考え決断する、もの凄く優秀な監督かと思えるかもしれない。
実際、プロデュサーと呼ばれる人たちはそう言う。
逆に時間をかけて慎重に考える監督のことは、「迷ってばかりで、決断力ねえなあ!」と思う・・。しかし・・。
(つづく)
演出プラン(3)2005/9/19 [撮影3日目(一)排水口]
出演者の人数が多いということなら、初日の教室シーンも40人近くいた。登校シーンを含めると、100人近いエキストラの方々に来て頂いた。
ただ、教室という限定された場所だと、演出は自然決まって来る。生徒は席に着き、教師は教壇。そこで芝居をする。
それが河原となると、さまざまなパターンを考えることができる。
まず、いちご娘4人組の立ち位置。鉄男と子分たちの場所。先生や用務員さんはどこにいるか?
シナリオでは役割に合わせて、すでに書いてある。それが全て成立する位置関係に立ってもらって芝居をするのが基本。
が、それでも無数にその立ち位置が考えられ、どれがベストであるか? 選択せねばならない。
それを頭の中で考えておくのだが、実際に現場でやってみると成立しないこともある。
(つづく)