朝日との戦い(5)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
朝日が雲に隠れるのを、待つ余裕もない。
そんなことをしていたら、あとあとの撮影時間がなくなる。
隠れるのではなく、完全に太陽をシャッターアウトせねばならない場面。
やばい・・・と思っていると、照明部さん登場!
大きな暗幕を用意。それを広げて朝日を遮ってくれた。
その間に撮影。
いちご娘たちは、そつなくこなした。
このあとも、高山寺の旧本堂で撮影を続ける!
(つづく)
タグ:照明
朝日との戦い(4)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
映画の演出というのは、天気さえも「表現」として使う。
よくあるパターンで説明すると、何か重大な告白をするとき。
外が嵐になり、雷が鳴る・・・ような手を使う。
この廊下のシーンではどんよりとした天気で、太陽が出ていないことが肝心。
通常撮影は「太陽待ち」というのがあり、太陽が雲から出るのを待ったりする。
でも、今回は逆だ。太陽が出てはいけない!
(つづく)
朝日との戦い(3)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
4人を引き絵で撮影し始めた頃。太陽が昇って来た。
写真下に書いた方向から太陽光が差し込む。
まずい!
なぜ、まずいか?というと、
ここは夏美(佐津川愛美)たちが途方に暮れるシーン。
先に説明したように立ち位置も、それを表現。
なのに太陽の光が差して来ると、希望があるような絵になってしまう・・。
(つづく)
写真下に書いた方向から太陽光が差し込む。
まずい!
なぜ、まずいか?というと、
ここは夏美(佐津川愛美)たちが途方に暮れるシーン。
先に説明したように立ち位置も、それを表現。
なのに太陽の光が差して来ると、希望があるような絵になってしまう・・。
(つづく)
朝日との戦い(2)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
朝日との戦い(1)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
朝一番は高山寺・旧本堂の廊下を撮影。
いちご娘たち。一列に並んで座る。
スタッフは庭に出て、廊下を見つめる。観客席から舞台を見つめているようだ。
(って、それを狙ったのだけど!)
この場面の時間は早朝。夜明けから陽が昇り始める前くらいの時間。
段取りをし、準備をし、リハをし、本番。
まず、マキ(谷村美月ー写真右端)が砂時計を見つめるシーンからだ。
(つづく)
立ち位置の決め方(7ー終)/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
実は、この世にいられる時間が少ない順に、奥から並んでいる。
一番早く死神に連れて行かれるのが、美香(東亜優)。一番奥。
二番目が理沙(芳賀優里亜)。奥から二番目。
三番目がマキ(谷村美月)。奥から三番目。
この世に残る夏美(佐津川愛美)は、一番前。
さらに縁側から足を出し、地に着けている。
映画を1度見ただけでは分からないが、繰り返し見たとき「ああ、そうなのか・・」と分かるような表現ではある。
が、観客が例え気づかなくても、細かな意味ある表現を積み重ねることが物語と世界観を作り上げ、感動に繋がるのである。
台詞や表情。音楽や編集と共に「立ち位置」もまた、観客にさまざまなものを伝える。
(つづく)
立ち位置の決め方(6)/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
皆が固まって座ると、仲がよく見える。でも、このシーンは仲が悪い頃。
で、それぞれが距離を置き、前に後ろに右に左に座ってもらった。
美香(東亜優)は一番奥。
理沙(芳賀優里亜)は奥から二番目で、一番左。敵対視するマキとは一番遠いに位置。
マキ(谷村美月)は奥から三番目。一番右。
夏美(佐津川愛美)は一番手前。主役であることも伝わる。
これで、それぞれの「関係性」も「心理」も表現できる。
あと、もうひとつ、表現していることがある。それは・・。
(つづく)
立ち位置の決め方(5)/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
立つ位置だけでなく、どのように並ぶか?も大切。
輪になるもありだし、横一列もあり。縦一列もあるし、バラバラというのもある。
リアリティも大切だが、映画なので美しさも大切。
そこで演劇的な手法を使い、いちご娘たちには横一列に並んでもらう。
ただ、見た目奇麗なだけでもいけない。物語の設定も伝えることが大事。
この場面では、まだ四人とも仲が悪い。
それを台詞や動きだけではなく、並び方でも伝えることが必要なのだ。
(つづく)
立ち位置の決め方(4)/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
そこで夏美(佐津川愛美)には、一番手前に座ってもらう。
映像になると(写真下)、一番地面に近いところに夏美がいる。
そして、地に足を着けている。
あとの3人は、夏美より上にいるという感じ。
これによって夏美はまだ生きているが、他の3人(谷村美月、芳賀優里亜、東亜優)は天国へ近づいている感を狙う。
気づかない観客もいるだろう。でも、無意識に感じる人も多い。
そんな積み重ねが、観客にいろんなことを感じさせるのだ・・。
(つづく)
映像になると(写真下)、一番地面に近いところに夏美がいる。
そして、地に足を着けている。
あとの3人は、夏美より上にいるという感じ。
これによって夏美はまだ生きているが、他の3人(谷村美月、芳賀優里亜、東亜優)は天国へ近づいている感を狙う。
気づかない観客もいるだろう。でも、無意識に感じる人も多い。
そんな積み重ねが、観客にいろんなことを感じさせるのだ・・。
(つづく)
立ち位置の決め方(3)/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
立ち位置の決め方(2)/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
シナリオを読んで、分かることはいろいろある。
が、一番動きで大きいのは、マキ(谷村美月)と理沙(芳賀優里亜)が言い争う事。
マキは立ち上がり、理沙に向かおうとする。
それを止めるのは美香(東亜優)。ここがポイント。
もし、マキと理沙が隣通しに座っていたら、すぐにつかみ合いになる。
芝居の段取りとして、その前に美香がマキを静止する必要がある。
となると、マキと理沙は離れて座る方がいい。
その間に美香がいることで、以上の芝居がやりやすくなるはずだ。
つまり・・・。理沙ー美香ーマキ。という並び方。
これで3人までの位置が決まる。
では、夏美(佐津川愛美)はどこにいるべきか?
(つづく)
立ち位置の決め方(1)/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
本日、撮影するシーン。
シナリオでもう一度、読み直してほしい。
この文章を読んで、四人の登場人物をどう並べるのか? 一番芝居がしやすいか? 考えてほしい。
登場人物ー>夏美(佐津川愛美)、マキ(谷村美月)、理沙(芳賀優里亜)、美香(東亜優)
理沙「幽霊の出場は禁止じゃないの?」
マキ「うるせぇんだよ!(と立ち上がろうとする)」
美香「(マキを止め)理沙。あなたはやり残したこと何かないの?」
理沙「・・・・人生に未練なんてないからね・・」
美香「理沙! 気取っている場合じゃないでしょう?」
理沙「学級員ぶっているけど一番最初にいなくなるのは、美香。
あなたよ! 今日の午後にはいなくなるのよ!」
美香「・・・・・・・・・・・」
夏美「どこか行きたいところある?」
以上のやり取り。誰が誰の隣にいると、話がしやすいか? また、それぞれの関係性が分かるか? いろんな側面から考えてみてほしい。
この場面の舞台は、下の写真。
(つづく)
タグ:立ち位置
立ち位置の意味(下)2005・9・20 [撮影4日目(一)高山寺]
立ち位置の意味(上) 2005・9・20 [撮影4日目(一)高山寺]
本日、最初の撮影。幽霊になってこの世に戻ってきたマキ(谷村美月)たち。
本当に「自分たちが死んだこと」を確認。
途方に暮れる場面から。
ロケ場所は、高山時の旧本道。廊下。
シナリオでは特に指定していないので、その場で俳優たちの立ち位置を決めねばならない。
が、何でもいいから、並べればいいというものではない。
(つづく)
タグ:立ち位置
本日の備考(下)衣裳・メイク部 2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
スケジュール表にある。
「メイク先発 6時半」の書き込み。
これはスタッフが全員揃って出発出する前に、衣裳メイク部が先発隊として別の車で先に出るという意味。
早めに行って、俳優さんのメイク!
撮影が準備が出来ているのに、メイク待ち!にならないように、早目に出てもらう。
これもありがたい話。
メイク、衣裳部は、早起きして、皆より先に出発。
他のみんなが朝ご飯を食べる頃には、もう仕事にかかっている。
映画の画面には登場しないが、作品を支える大切なパートである。
(つづく)
本日の備考(上)朝食の時間 2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
いつものように、最後は「備考」の欄。
朝食は午前5時半。その時間には用意されているという意味。
皆、起床時間が違うので、揃って食べる事はない。
先にも紹介したように、日替わりで和食と洋食が用意される。
本日は和食。おにぎりが2個とたくあん、梅干(この町は梅の名産地!)唐揚げ一個。卵焼き一切れ。
朝なのでそんなに食べれない。これで十分だ!
(つづく)
タグ:ロケ弁
制作部の仕事(下)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
制作部の仕事(上)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
演出部の仕事(下)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
演出部の仕事(上)2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
本日。多くの俳優さんが出演する。
全員が同時に出ることはないが、そのために誰が何時にどこで出演し、誰が何時に宿に帰るか?
など、いわゆる「出し入れ」が大変。
その管理、演出部が行う。
チーフがスケジュールを立てて、セカンドが出番前に俳優を呼びに行く。
そのために、撮影現場の側で待っていられる場所も確保する。それは製作部が見つける。
あまり早い時間に呼んで、長時間待ってもらうと疲れてしまう。
(つづく)
本日撮影する場面 2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
スケジュール表/2005/9/20 [撮影4日目(一)高山寺]
さて、いよいよ撮影4日目。
まずは、いつものようにスケジュール表から見てほしい!
(つづく)