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撮影5日目(三)夏美の家 ブログトップ
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続・演技派女優VSいちご娘たち(終) 2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]

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 それら重要な表現。いろいろと詰まったのが、このシーン。

 それを目線だけの演技で、三船美佳と谷村美月は表現した!

 さすが天才女優と天才少女!

 その2人に火花が散るのが、見えるようだった。

 この一連。非常に濃い芝居を撮影することができた。満足!

 ここで昼休み。弁当の時間である。あとは午後から。

(つづく)

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続・演技派女優VSいちご娘たち(12)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]

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 「何で、幽霊になったオレたちが見えるんだ? 」

 マキ(谷村美月)は表情ではなく、そんな目つきで春美を見つめる。

 この表現も凄い・・。さすが天才少女だ!

 それに反応して、視線を逸らす春美。

 「幽霊か・・・でも、私には関係ない・・」

 これも台詞はないが、そういう顔で目を逸らせる。

 この部分が映画の中で、ずっとあとに登場するシーンに関連してくる。

 昨夜、撮影した父親(小西博之)の場面である。

 そう。春美もまた妹の夏美と同じで、幽霊を見ることができる。

 だが、帰宅してすぐに気づかず、この段階で気づいたことから、夏美ほどよくは見えていないことを表現する。

 注意して見ると見えるという程度。

 そのことを知ったマキ。その事実があとで、大いに影響するのである。

(つづく)

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続・演技派女優VSいちご娘たち(11)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]

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 大げさ表現すれば簡単だが、目付きだけでそれを表現する。

 ただ、奇麗なだけの女優には絶対にできない芝居。この場面を演じきれる人ということで、何年も悩んだのだ。

 それを期待通り、三船さんは演じ切る。

 「よし! さすがだ!」

 と満足。できると思っていた。が、さらに感動したのは、その芝居に応えた谷村美月の演技であった。

 「マキたち。幽霊になって帰っていたのね・・」

 という目つきで、見つめる春美。その視線に気づくのがマキだ。
 
 「あれ、夏美姉さん。オレたちのこと見えるのか?」

 が、この部分も台詞はない。ここも目だけで演じるのである。


(つづく)

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続・演技派女優VSいちご娘たち(10)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]


 泣き崩れる夏美(佐津川愛美)。ふて腐れる姉・春美(三船美佳)。

 そんな春美がふと、マキ(谷村美月)たちに目をやる。

春美と水.jpg

 幽霊になったマキたちが、一部始終を見ていた。

 だが、夏美以外には、マキたちが見えない設定。

 なのに、春美はマキたちを見つめる。しかし、台詞では表現しない。

 「えっ。誰かそこにいるの?」

 といえば分かりやすいが、そんな説明的な台詞はない。

 春美はマキたちの方を見て、「え?」という目つきをする。

 表情ではない。目だけでそれを表現する。

 そして表情を変えずに「幽霊になって戻って来たんだ・・」という感じで目を逸らせる。

 この芝居、本当に難しい・・。


(つづく)


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続・演技派女優VSいちご娘たち(9)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]


 そのためには、厳しい「家族問題」を見据える必要がある。

 そんなドラマを三船美佳、吉行由実という演技派女優。

 さらには、佐津川愛美という十代の新星。見事に演じてくれていた。

 このあとも、とても重要な場面が続く。

(シナリオ)

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母・冬美(吉行由実)「(泣いている)」

美香(東亜優)「・・・」
理沙(芳賀優里亜)「・・・(納得した顔で、髪を掻き上げる)」
マキ(谷村美月)「・・・・(夏美の姿に驚く)・・・・・」

春美(三船美佳)「(顔を上げて、部屋の隅にいるマキの方を向く。
  えっ?という顔。続いて理沙、美香・・を見る。ぼんやりと幽
  霊の三人が見えているかのようだ・・)」

マキ「・・・(春美と目が合う。見えるの? という顔)・・・?」

春美「・・・・・・(目を逸らす)・・・」

夏美(佐津川愛美)「・・・(気づかずに泣いている)・・・」

**************************


(つづく)


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続・演技派女優VSいちご娘たち(8)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]


 でも、それは僕の意図でもある。

 「ファンタジー」といっても、「絵空事で、あり得ない話」ということではない。

 「ファンタジー」というカテゴリーではあるが、親子を友達関係を見つめ直す作品を作ることがテーマ。

(シナリオ)

母・冬美(吉行由実)「夏美もやめて!(と泣き出す)」
夏美(佐津川愛美)「・・・(うなだれる)・・・」
母・冬美「死んだ。死なない。なんて、もうたくさん。(と夫の
写真を手に取って泣く)」

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春美(三船美佳)「・・・・死ぬ気もないくせに・・」

夏美「(春美を睨んで)友達が死んだの! みんな十七歳だった
  のよ。でも、お姉ちゃんは生きてる。生きているんだから・・
(泣き出す)」

美香(東亜優)「・・・・・・」
夏美「しっかりしてよ! (泣きじゃくる)私だって大変なの。
  余裕ないの・・・・・」
春美「(うっとうしそうな顔)」

*****************************

 前にも書いたが、「ストロベリーフィールズ」というこの作品は、僕が書いた小説「救世主ケイン」があって初めて生まれた映画である。

 「ケイン」は社会派ミステリーで、過酷な現実の中の友情を描いた。

 そこで見つけた「あまりにも悲しい」時代の真実。

 「その中でいかに生きて行くか?」

 を問うことで生まれたのが、今回の「ストロベリー」である。


(つづく)

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続・演技派女優VSいちご娘たち(7)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]

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 しかし、姉(三船美佳)に対する行動ではなく。自身を傷つけるという行為。

 佐津川の芝居。こちらも「哀れさ」と「悲しみ」が溢れる。

 「がんばっていきまっしょい!」では、お嬢様・姫を演じていたが、今回の夏美は虐められ、孤独な役。

 それを見事、こなしている。

 このシーン。血が飛び散ったり、殴り合ったり、物が壊れたりはしない。

 せいぜい、写真を破くだけ。なのに、見ているだけで、凄惨な感じが溢れた。

 とても、「青春ファンタジー」を撮っているとは思えない。

「積み木くずし」か「おしん」といっても分からない重い空気が流れる。

 崩壊する家族。

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 それは女優たちの力で。

 演技派VS新人女優の火花が散った・・いや、引火して燃え上がったのだ。

 期待通り!

(つづく)


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続・演技派女優VSいちご娘たち(6)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]

母、泣く.jpg

 暴走する春美を止めようとする、母・冬美。演じるは吉行由実。

 こちらもいい。娘2人を前にして、何も親らしいことができない母。

 「哀れ」というしかない。

 さ、ここで見ているだけだった夏美が参加する。

(シナリオ)

母・冬美(吉行由実)「ダメ!(と、止めようとする)」
夏美(佐津川愛美)「お姉ちゃんやめて!」
春美(三船美佳)「(次々にアルバムから剥がして破り、投げ捨てる)」      
母・冬美「やめなさい!(止める)」

春美「(取り乱して、写真を次々に破き投げる。紙吹雪が舞う)」 
 
破れた写真.jpg

   それを見詰めるマキ(谷村美月)たち。

夏美叫ぶ.jpg

夏美「お姉ちゃん。私が死ねばよかったのよね? 私がいなけれ
  ばいいんだよね? 私、死ぬよ。今、すぐに死ぬよ!」

      夏美、テーブルの上にあるナイフを手に取り、腕の
      血管を切ろうとする。

ナイフ持つ手.jpgP1020130.JPG

*******************************

 この佐津川の芝居。凄かった。

 いじめ続けられた妹が、追いつめられてとうとう反撃を開始したのだ。

(つづく)

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続・演技派女優VSいちご娘たち(5)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]

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 そこまで夏美を憎む、春美の思いとは何か?

 そんな疑問も投げかける。後日、説明されるのだが、その春美を三船美佳が演じる。

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 例によって本番3秒前まで、冗談を言っていたのに、「よーい、スタート!」で狂気の春美に成り切る。

 リハーサルでは投げたアルバムが、照明スタンドに当たる。あわや転倒というほど熱が入っていた。

 ただ、無茶をするだけではない。哀れさと悲しみがそこにある。

 凄い。この感じ。なかなか出せるものではない。

 やはり、三船美佳以外にできない芝居である。


(つづく)

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続・演技派女優VSいちご娘たち(4)2005/9/21 [撮影5日目(三)夏美の家]

姉 春美の悲しみ.jpg

(シナリオ)
母と春美s.jpg

春美「(コップを受け取り水を飲む)何で、夏美だけ死ななかった
  のよ・・ほんとムカツくわ・・」母・冬美「何バカなこと言っての?」
春美「(と、コップを壁に投げつける)」

マキ(谷村美月)・美香(東亜優)「!!!!!」
理沙(芳賀優里亜)「(夏美を見る)」
夏美「・・・・・・・・」        
春美「(隅に置かれたアルバムを開き、写真を剥がし手に取り、
   ニタリと笑う)この頃は可愛かったのにね・・・」

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 ***************************

 帰宅した姉は、水を飲んだコップを投げつける。
 
 さらにアルバムを取り出す。そう、昨日撮影した部分。夏美が帰宅したときに、母が見ていた家族アルバムである。

 そのページを開き、姉は幼き日の夏美の写真を剥がし、破くのである。

 これは単に物を壊すとか、春美の異常性を表現するだけではない。
 
 「家族そのものを壊してしまおう」「過去なんて葬ってしまいたい!」という思いの表現。

(つづく)

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