海辺の撮影-終／海水浴場 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
実はこの砂浜。僕が子供頃、何度も海水浴に来た場所。
小学校時代は毎年、来ていた・・。
当時はもう、この町には住んでなかったが、夏休みを利用して戻った。
今から３０年以上も昔。昭和４０年代の話だ。
その頃と、ほとんど変っていない。
ただ、あのド派手で、趣味の悪い壁画はなかった・・。
そして近年、この近くに、より広い海水浴場が作られた、
この場所を訪れる人、ほとんどいない・・・。
でも、その場所で撮影。
小学生時代の僕が、
夏美（佐津川愛美）やマキ（谷村美月）を遠くで、見ている気がした・・。
（つづく）
海辺の撮影22／スタンドバイミー 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
まず、堤防側から、引き絵を撮る。
ここから撮れば、壁画は入らない。壁画の上から撮影しているのだから。
曇りということもあり、淋しげな感じが出たショットが撮れる。
何か「スタンドバイミー」風。とてもいい。
そして、砂浜に降りて撮影。
佐津川愛美たち。悲しい気持ちが籠ったいい芝居をした。
東亜優扮する美香の「あっ！」と言う台詞だけ、
２度撮り直したが、あとは問題なし。
このシーンは撮影終了だ！
（つづく）
海辺の撮影21／歩くコース？ 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
ただ、この場面。「気持ち」や「台詞」だけではない。
満潮で砂浜が狭い。背後にあるど派手な壁画が写るとマズい。
それが写らないコースで、
佐津川たちには、歩いてもらわなければならないのだ。
まず、リハーサルしながら、そのコースを歩く。
美香（東亜優）はあと数時間で、天国に行かねばならない。
「それまでに何か、できることはないか？」
夏美（佐津川愛美）、マキ（谷村美月）、理沙（芳賀優里亜）は真剣に考える。
そのいちご娘たちに、カメラマンを向ける三本木さん。
フレームを覗き、後ろの壁画が写らないか？を確認。
よし、何とか行けそうだ！
（つづく）
海辺の撮影20／夏美の気持ち？ 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
佐津川たちは、「役柄の気持ち」しっかり把握していた。
たぶん、昨夜もホテルに戻ってから、シナリオを開き、考えたはずだ。
「夏美はどんな気持ちだろう？」
「私だったら、どう思うんだろう」
「美香がいなくなるって、どうなんだろう？」
でなければ、質問されて即答はできない。
よし、大丈夫だ。撮影する！
（つづく）
海辺の撮影19／理解する10代 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
しかし、先に佐津川愛美に質問したとき。
即答で「悲しい」と答えた。
谷村美月たち、あとの３人の顔を見ても、皆「同感！」という表情。
「この子たち。ちゃんと撮影するシーンを理解。把握しているな・・」
「物語時間」の流れが前後するが、大丈夫だと思える。
（つづく）
海辺の撮影18／順撮り 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
このシーン。
実は本日、最初に撮影するはずだった「排水口シーン」のあとに来る。
その上、２日目に撮影した「再会シーン」のあと。順に並べると。
「排水口」＝＞「町を彷徨う（古尾、屋敷町、奇絶峡、等）」＝＞「学校」＝＞「この砂浜」
＝＞＝＞
＝＞
＝＞
＝＞
＝＞
この内、撮影しているのは「学校」だけ！
今回の撮影は、出来る限り「順撮り」（物語の順に撮影すること）で撮影している。
でも、場所を借りたり、いろんな理由で、いくつかのシーンは前後する。今回がそれだ・・・。
「佐津川愛美たち、戸惑わないか？」
心配だった。
（つづく）
海辺の撮影17／シナリオ 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
映画「ストロベリーフィールズ」シナリオ
（２４）浜辺／午後 扇が浜
海にも思い出がいっぱいある。
美香、犬を散歩させたこと。お父さんと砂の城を作
ったこと。
歩きながら、そんな思い出を噛み締める。音楽終わり、
四人は打ち寄せる海を見つめている。
マキ（谷村美月）「・・美香。何かしたいことないのか？ あと・・」
理沙（芳賀優里亜）「（夏美の腕時計を見る）三時間・・」
マキ「この世にいられるのは、たったの三時間だぞ」
美香（東亜優）「・・・・（砂時計を見つめる）」
夏美（佐津川愛美）「・・・何かないの？」
美香「・・・・・・・・・あっ！（と嬉しそうに）」
夏美「何？」
（つづく）
海辺の撮影16／10代の気持ち 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
夏美役の佐津川愛美、答える。
「悲しい・・」
僕がさらに聞く。
「みんなと、再会できたのに？」
「再会できたのは、嬉しい。けど、美香（東亜優）天国へ行く時間が近づいて来るから、悲しい・・・」
「じゃあ。その気持ちで、やってみよう」
前にも書いたが、大人が思う10代の気持ちを押し付けてはいけない。
10代の気持ち。大切にするのが、今回のテーマ。
佐津川愛美が感じる気持ちで、演じてもらう。
撮影の前に、その場面のシナリオ。紹介する。
（つづく）
海辺の撮影15／リハ開始 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
こうしてリハーサルを開始。
まず、いちご娘たちに、前後の流れを説明する。
「このシーンは先日、撮影した学校の続き。
夏美（佐津川愛美）と美香（東亜優）が学校で再会。
そのあと、マキ（谷村美月）。理沙（芳賀優里亜）とも会う。
もう二度と会えないと思ったのに、もう天国に行ってしまったのかな？
と思ったのに再会できた。
その学校の帰り、さ、どんな気持ちかな？」
佐津川愛美、一番に答えた。
（つづく）
海辺の撮影14／短い距離 2005／9／22 [撮影６日目（一）砂浜]
「そうだ。客観的な場所から見てよう！」
砂浜を離れて、堤防に登る。そこから海を見た。
「そうだ。これなら可能かもしれない！」
砂の上に飛び降りて、波打ち際に走る。
手でフレームを作って、覗きながら歩く。
「行ける！ 短い距離だが、この間だけは壁画が入らない」
その短い距離を利用し、他のショットは別から撮ろう！
そう！ 俳優たちに波際ギリギリを歩いてもらえば、撮影できる！
（つづく）
隠れた青春ファンタジーの傑作。
今年もCS放送で「ストロベリーフィールズ」放映！（３年連続）
もう二度と会えない。夏の日のファンタジー
出演・・・・・佐津川愛美、谷村美月、芳賀優里亜、東亜優
波岡一喜、三船美佳
監督＆脚本・・・太田隆文
（今回は日本映画専門チャンネル）
2009年06月02日(火) 25:00
2009年06月05日(金) 20:00
2009年06月15日(月) 27:00
日本映画専門チャンネル＝＞http://www.nihoneiga.com/prog/002164_000.html
「ストロベリーフィールズ」撮影日記＝＞http://t-ota.blog.so-net.ne.jp/2008-05-19-1
