孤独を表現する方法(6)2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
あの黒沢清監督も、同じ挑戦をしている。
「アカルイミライ」では、フレームではなく、黒みの枠を作って、同じ車の中にいる2人を分けて画面に映し出した。
車内にいる2人を普通に撮影すると、親密に見えてしまう。
それを黒枠で分けることで、孤独感。理解がない関係。を表現している。
車の中という同じ空間にいるのに、別の枠内にいる。
そのギャップが悲しい。見事な表現法だった。
そういった効果。気づかぬ人は全く気づかぬもの。
だが、無意識に感じ取ることもある。
そういう積み重ねが、感動や悲しみに繋がる。
「撮影が早く済んだ方が、楽でいい!」
という発想では、できない表現である。
(つづく)
孤独を表現する方法(5)2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
孤独を表現する方法(4)2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
孤独を表現する方法(3)2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
孤独を表現する方法(2)2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
まず、日本映画でよく使う手を説明。
春美帰宅から、妹に絡むところまで。全てを見渡せる場所にカメラを置き、1カットで撮影する。
簡単にいうと、舞台中継のような感じ。
これだと位置関係が分かりやすいが、引き絵になるので、それぞれの俳優の表情が見えにくい。
が、このパターンはとてもよく使われる。時間をかけず、簡単に撮れるという側面も大きいだろう。
カットを割ると、そのたびにカメラを動かして、照明もし直す必要がある。
時間がかかり面倒。だから、このパターンを選びがち。
しかし、舞台演劇を見せるのではない。映画だ。なのに、引き絵で延々と見せる。俳優の表情も分からないなんて最悪だ。
僕が最も嫌いな日本映画の手法。同じことはしない!
(つづく)
孤独を表現する方法(1)2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
このあとの撮影。流れはこうだ。
母(吉行由実)と姉(三船美佳)。部屋に入って来る。
マキ(谷村美月)らの葬儀からの帰りという設定。2人とも喪服。
振る舞われた酒を飲み過ぎて、姉・春美はかなり酔っぱらっている。
「なぜ、そんなに酔うほど飲んだのか?」
は、すぐに説明される。
自宅に帰った春美たちを待っていたのは、妹の夏美(佐津川愛美)。
マキたちは幽霊。母たちには見えない。
酔った勢いで、春美は妹・夏美に絡む。
ここまでのシーン。それぞれの俳優を別のフレームで捉えた。
もちろん理由がある。少し専門的になるが、説明しよう。
(つづく)
タグ:映画表現の技法
再び、大人と子供たちの対比表現 2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
実力派女優VS新人女優たち(5) 2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
さて、その前に、いちご娘たちのみの場面。
ここも本日、一番で撮影したシーンと同じ形で撮影。
夏美(佐津川愛美)の背景=>緑溢れる庭。生きているので未来がある。
幽霊(谷村美月ら)の3人の後ろ=>襖とか、壁。詰まっていて、未来がないことを表現する。
それによって、俳優たちが悩んでいる芝居をするだけでなく、
行き詰まりを見る人に、伝えることができるはずだ。
そんな配置で、まず、母(吉行由実)たちが帰って来るまでを撮影する!
(つづく)
実力派女優VS新人女優たち(4) 2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
そんな場合、監督は・・。
「少し押さえ目に演技して!」
ということが多い。
あとのシーンをそれ以上に盛り上げるためには、手前のシーンは抑えめにせねば効果が出ないからだ。
でも、僕はそんなとき、逆に「いいぞ。もっといけ!」とか思ってしまう。
止めるどころか、火に油を注ぐようなことをする。
編集で「しまった・・・」と思うかもしれないが、魅力てな演技をする俳優を押さえてはいけない。
全体の構成を考える以上の効果、発揮するはずだ。
(つづく)
「ストロベリーフィールズ」写真館/夏美の家篇
=>http://pht.so-net.ne.jp/photo/strawberry-photo/albums/144754
実力派女優VS新人女優たち(3) 2005/9/21 [撮影5日目(二)夏美の家]
そこに夏美の母と姉が帰って来る。
演じるは、三船美佳と吉行由実。
映画的に言うと、ここからは「演技派女優コンビ」VS「新人俳優チーム」である。
今回の映画「ストロベリーフィールズ」。対決場面が何度もある。
先に撮影した「マキの家」では、まず「飯島大介」VS「波岡一喜」があり、
次に「飯島大介」+「波岡一喜」タッグチームVS「谷村美月」という対決があった。
ベテラン俳優 VS 若手実力派 VS 天才少女という構図。
それが火花を散らせ、盛り上がる。
谷村は、涙を流さなくてもいいシーンなのに号泣。
壮絶なシーンとなった!
(つづく)
演じるは、三船美佳と吉行由実。
映画的に言うと、ここからは「演技派女優コンビ」VS「新人俳優チーム」である。
今回の映画「ストロベリーフィールズ」。対決場面が何度もある。
先に撮影した「マキの家」では、まず「飯島大介」VS「波岡一喜」があり、
次に「飯島大介」+「波岡一喜」タッグチームVS「谷村美月」という対決があった。
ベテラン俳優 VS 若手実力派 VS 天才少女という構図。
それが火花を散らせ、盛り上がる。
谷村は、涙を流さなくてもいいシーンなのに号泣。
壮絶なシーンとなった!
(つづく)