ガンダムの世界?(21ー終)今を生きる 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
今の時代を伝える「新しい方法論」が必要。
そのひとつがハリウッド式撮影。
これだって決して新しい手法ではない。今回、挑戦するさまざまな技法のひとつ。
それと両極端の「表現」も近い日に実践するが、今という時代に相応しい感性を持った「方法論」で描いてこそ・・。
鋭い感覚のアンテナを持つ若い世代に、「感動」が届くのだ。
大切なのはスタッフが「やりやすい撮影」ではなく、今の時代を反映し、若い人に「ダイレクトに伝わる」作品を作ること。
そう考えている!
(つづく)
ガンダムの世界?(20)大切なこと 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
ガンダムの世界?(19)オールドタイプ 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
僕が20前後の頃。日本映画は昔からの「古くさい手法」と「時代遅れの感覚」で作り続けていた。
そこから感じるものは何もなく、独りよがりの映画にしか見えなかった・・。
年老いたオールドタイプの映画監督たち。感性を疑った・・。
この辺の構図。「ガンダム」の世界にとても似ているので、好例として上げた。
古い価値観で愚かな行為を繰り広げる大人たち。その犠牲になっていく子供たち。
時代を切り開いて行く「ニュータイプ」は、決して大人からは生まれて来ない。
単なるロボット・アニを超えた現実的な構図。そこにあった。
僕が若かった頃の日本映画と同じこと。やっていてはいけない! それでは大切なこと。次世代には伝えられないのだ!
(つづく)
ガンダムの世界?(18)若さ故の・・? 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
「感動した・・」「泣けた!」
若い人たちがそう言う作品、往々にして50歳以上の世代はこう言う。
「何だこれは? 訳が分からない。こんなもの映画じゃない! 」
今回の作品『ストロベリーフィールズ』。若い人たちに感動してもらいたい映画。
ということは、年老いた世代に褒められてはいけない。
これもまた今回の「映画撮影の方法論」と同じ構図。
「新しい形の映画作り」に、「ベテランの大人たち」が戸惑う。だが、「経験のない若い子たち」は問題なく受け入れる。
ここにひとつの「答え」があると思える・・。
(つづく)
ガンダムの世界?(17)否定は成功 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
ガンダムの世界?(16)シャアの言葉 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
「地球の重力に、魂を引かれた人々・・」
『Zガンダム』でシャアが何度も言う台詞。
ガンダムの生みの親・富野由悠季監督の代弁をしているように感じる。
「過去の価値観に囚われて、新しい時代に見合ったことのできない人たち」
それを差しているようだ。
話は大きく逸れたが、その構図は映画作りでも同じ。
そんな中で、今回、密かに考えていることがある・・。
(つづく)
タグ:シャア・アズナブール
ガンダムの世界?(15)時代の風 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
ガンダムの世界?(14)クロサワ式 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
次に、ベテランスタッフが言う「黒澤明だってやらない!」との指摘。
それも大間違い。限りなくハリウッド式に限りなく近いのが黒澤明監督のやり方。
複数のカメラで、何回も同じ芝居を撮るのがクロサワ式。
どうも、そのベテランのスタッフは日本式の、必要なところだけを撮影する方式から離れられないようだ。
最後には「ここは日本だ! 日本式でやるのが当然だ!」とまで言い出す。
理屈ではなく、とにかく「俺が経験していないことは嫌だ!」ということのだ。
ベテラン助監督が、そんなふう拒否反応を持ってしまう。
結局、彼にチーフをお願いするのは控えた。
そんな意味でも今回は、ベテランも戸惑うむずかしい撮影現場なのだ・・。
(つづく)
ガンダムの世界?(13)黒澤明だって 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
で、イチから説明。
「たくさん撮ってベストを選ぶ」のが、ハリウッド式であることを話す。
「そんなふうに撮るんなら、誰だって監督ができるんだよ! オレだって出来るよ! 黒澤明だって、そんな撮り方はしないぞ!」
やっぱり、分かってない! まず、ハリウッド式でやるからと言って、誰もが監督できる訳ではない。
そのベテラン助監督の発想はこんな感じ?
「使いどころを決めて、撮影することがむずかしい」=>「それをしなくていいのなら、監督は誰でもできる」
だが、使いどころを決める以外にも、監督の仕事は山ほどある。
「ハリウッド式なら、誰でも監督ができる」というのなら、
「ハリウッド監督は誰でも出来る」ということになる?
若いころから、繰り返し行ってきた方法論以外のこと。なかなか把握できないようである・・・。
(つづく)
ガンダムの世界?(12)理解不能 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
こうして、必要なところだけを撮るのが日本式撮影、
なので「使いどころ」をはっきりさせる必要がある。
だが、ハリウッド式は「使いどころ」はない。どこを使うか?は編集段階で決める。
なのに「使いどころはどこだ?」というのは変な話。
説明しても、こうだ。
「それじゃ、撮影はできないだろ?」
日本式撮影にどっぷりと浸かっているので、ハリウッド式が実感できないようだ・・・。
(つづく)
ガンダムの世界?(11)使いどころ 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
ガンダムの世界?(10)ベテランからの反論 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
今回の撮影前。ベテランの演出部と話した。
僕は次の映画も「ハリウッド式撮影をする」と話す。
芝居をいろんな方向から撮影して、編集で選ぶ。
それによりハリウッド映画のようなテンポやリズムを出し、感動やスリルを盛り上げるという方法論。
ところがベテランの演出部。反論する。
「それじゃ使いどころが、分からないだよ!」
(つづく)
ガンダムの世界?(9)脳細胞 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
ガンダムの世界?(8)経験値 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
「昭和40年代には大人に勝てなかった子供が、なぜ、今の時代は勝つことが出来るのか?」
あえて問うてみたが、答えは簡単。
昭和40年代。野球、徒競走、剣玉、将棋・・全て大人たちが、幼い日にやって来たこと。
つまり「経験」がある。だから、「経験値」の少ない子供に勝てた。
それが現代、ファミコン。テレビゲーム。昔はなかった。当然、経験値がない。
子供も大人も、スタート地点は同じ。
そこからの学習能力が問われる。その場合、脳の吸収力が高い子供に、大人は勝てないのである。
(つづく)
ガンダムの世界?(7)アムロ・レイ 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
「今の時代。子供が大人に勝てるんだ・・・」
そう痛感した。
これって「機動戦士ガンダム」の世界だ。あのドラマの設定。
未来世界。戦争兵器であるモビル・スーツ(人が乗り込んで操縦するロボットのことです)。大人より、子供の方がより上手く操縦できる。
少年であるアムロが操るガンダム。
大人たちのモビルスーツを蹴散らして行くという展開。
正規の軍人たちが、少年のアムロ・レイに勝てないのである。
友人の親子を見ていると、まさに「ガンダム」の世界が現実となったのだと感じる。
(つづく)
タグ:機動戦士ガンダム
ガンダムの世界?(6)ストリートファイター 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
ガンダムの世界?(5)昭和40年代 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
少し話が逸れるが、続けて読んでほしい。
僕が子供の頃。昭和40年代。
あらゆることで、子供は大人に勝てなかった。
走っても、難しい算数の計算をしても、漢字を書いても、将棋をしても、
剣玉をしても、ゲームをしても、徒競走をしても、野球をしても、大人には勝てなかった。
だから、大人を尊敬し、「大人って凄い!」と感じたのだ。
ところが、最近は違う。結婚し、子供がいる友人の家に遊びに行く。
意外な光景を見た・・。
(つづく)
ガンダムの世界?(4)ベテランの弱点 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
ガンダムの世界?(3)過去の経験 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
例えば左側通行の日本。そこでずっと車を運転していた人。
アメリカに行き右側通行で運転すると、戸惑いがある。
交通法規も日米の違いがある。同じように撮影も日米の違いに戸惑った。
つまり、日本での運転経験があるから、アメリカでは運転しにくい。
むしろ、日本での運転経験がない方が、アメリカでは運転しやすい。
日本の交通法規を熟知しているが故に、それが邪魔になり運転し辛い。
そんな状況なのだ・・・。
(つづく)
ガンダムの世界?(2)経験がない 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
理由のひとつ、
「ハリウッド式撮影を実際に、経験したことがない」
勉強はしているので、理屈では分かっている。でも、現場に立つと実感できなくて対応し切れないのだろう。
2つ目の理由は、「過去の経験」
日本式撮影を熟知している。それに囚われてしまい、ハリウッド式を実践できない。
理屈では分かっているが、体が着いていかない・・・。
(つづく)
ガンダムの世界?(1)戸惑いの理由 2005/9/21 [撮影5日目(六)ガンダムの世界?]
いちご娘たちの意外な反応で、考えた。
映画人たち。「踊る!大捜査線」ではないが、上の人たち努力しない。
「映画は会議室でなく、現場で作ってんだ!」
といいたくなるほど、会議室でパソコンを叩いている人たち。努力しない。
それに対して現場で働くスタッフ、努力家が多い。
新しい「機材」や「海外の情報」も常にチェック。勉強している。
当然、「ハリウッド式撮影」とは何か?も理解している。
なのに、戸惑いが見えた。
理由を考える・・。
(つづく)