俳優の意思を超え、役は動き出す!(35)感性 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
芳賀優里亜は、こう答えた。
「・・・友情って・・・いいですね・・」
そんな芳賀の「感性」を受け継いで、理沙は成長したのだろう。
僕が書き作り上げた「理沙」というキャラが、
芳賀優里亜のいう子の「人生」と「感性」を得て、大きく成長した。
それが、この数日の出来事だったのだ。
よし決まりだ! 友情を感じる理沙で撮影する!
(つづく)
俳優の意思を超え、役は動き出す!(34)本読みの想い出 2001/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
撮影前。東京の衣裳会社。
いちご娘3人で、台本を見ながら、それぞれの台詞を声を出して読んで行く「本読み」というのをやった。
初めての「本読み」なのに、もの凄く盛り上がって、全員が泣きながら台詞を読み続けた。
(詳しくは=>http://t-ota.blog.so-net.ne.jp/2008-04-09)
終わったときには、涙が溢れ、ボロボロに泣いていた。そのあと、一人一人に感想を聞いた。
そのとき、芳賀はこう答えた・・。
(つづく)
今年もCS放送で「ストロベリーフィールズ」放映!(3年連続)
今回は日本映画専門チャンネル
2009年05月13日(水) 22:00
2009年05月17日(日) 25:00
2009年05月20日(水) 12:00
日本映画専門チャンネル=>http://www.nihon-eiga.com/prog/002164_000.html
俳優の意思を超え、役は動き出す!(33)理沙の言葉 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
その言葉は・・・
「女優・芳賀優里亜が、どちらの演技を選ぶか?」
という選択ではなかった。命を持ってそこに存在する理沙の気持ちだった。
「生前。美香やマキには、辛く当たっていた。でも、今、償いをしたい・・」
という理沙の言葉。
「これ以上、我慢して、心を閉ざすことはできない。みんなへの友情を表現したい・・」
芳賀が、いや、理沙からの、そんな言葉だった。
思い出したことがある。クランクイン前に本読みをやったときのこと・・。
(つづく)
俳優の意思を超え、役は動き出す!(32)理沙の心理 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
よく分からない人もいると思う。解説する。
本来、シナリオ設定通りだとこうなる。
理沙=>「美香が憧れていた先輩に会いに行くのに、同行したくない」
でも、そのあとで、考え直して、美香を応援に行く。
変更後。
「本当はマキたちと一緒に行きたいけど、こんな自分が行ってどうなる・・・」
と、自己嫌悪を感じる。でも、思い直して、
「こんな自分でも、何か美香のためにしなければ・・」
或いは本当は一緒に行きたい。でも、表面上、強がって見せてしまう。
という心理に変更しようと考えたのだ。
何より、もはや理沙はマキたちに友情を感じている。
「一緒に行きたくない」という芝居はできない。
だから、シナリオ通りの展開ではなく、理沙の「思い」に合わせて展開を変更するということだ。
が、撮影現場では、あまりない展開である。
(つづく)
俳優の意思を超え、役は動き出す!(31)理沙と芳賀 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
芳賀優里亜に、いや、理沙にこう話した。
「理沙はすでにマキや美香に友情を感じている。
マキの家のシーンからそう感じていた。
ただ、シナリオ通りの芝居してもいいし、
理沙は友情を感じているということで、芝居をしてもいい。
自分が思う方で、やってくれればいい。
それに合わせて、演出もカメラも決める・・・」
そう言うと、芳賀(=理沙)は答える。
「友情を感じている方で、やりたいです・・」
(つづく)
そんな映画「ストロベリーフィールズ」
今年もCSで放映されます!(3年連続)
今回は日本映画専門チャンネル
2009年05月13日(水) 22:00
2009年05月17日(日) 25:00
2009年05月20日(水) 12:00
俳優の意思を超え、役は動き出す!(30)理沙VS芳賀 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
俳優の意思を超え、役は動き出す!(29)理沙の成長 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
これは凄いことになってきた!
本来ならこの状況を・・.
「芳賀さん。なかなか演技力があるなあ。座っているだけなのに友情を感じる!」
と感じるか? 或いは・・。
「まだ、友情を表現するシーンではないのに、なぜか、友情を感じる。まずいなあ・・」
と解釈するか。でも、いずれにしても、何もしないのに「友情」を感じさせるというのは凄いこと。
そもそも、俳優が役を把握して、台詞を覚え、演じるだけでも大変。
なのにマキ役の谷村美月に続いて、
芳賀優里亜もまた、理沙役に命を与え、成長させ てしまったのである!
俳優の意思を超え、役は動き出す!(28)理沙の成長 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
話を戻して、芳賀優里亜演じる理沙も、成長。
そんなレベルまで、来てしまったのだ。
演じている芳賀の意思も、監督である僕の指示でも止められないところまで来ていた。
理沙は孤立。夏美たちと離れて座っているにも関わらず、その距離感は感じられない。
敵意も見ない。むしろ「美香のために自分の何かしたい!」という思いが伝わって来るのである。
理沙が命を持って、そこに存在しているようだった・・・。
(つづく)
そんな映画「ストロベリーフィールズ」
今年もCSで放映されます!(3年連続)
今回は日本映画専門チャンネル
2009年05月13日(水) 22:00
2009年05月17日(日) 25:00
2009年05月20日(水) 12:00
俳優の意思を超え、役は動き出す!(27)寅さんは生きている 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
俳優の意思を超え、役は動き出す!(26)男はつらいよ 2005/9/21 [撮影5日目(八)理沙の成長]
役が成長、シナリオに書かれた以上の魅力を発揮。
どんどん成長して行く。
俳優自身。そして監督も、止められなくなる。
役柄がもの凄い個性を持ち、1人歩きする。
「男はつらいよ」の寅さんも、そんなキャラの1人。
山田洋次監督は言う。
「次の映画で、寅さんに何をさせようか?とは考えない・・」
(つづく)