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撮影6日目(十二)美香との別れ6 ブログトップ
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続・監督の決断(7)おじさんPへの質問 2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

 
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 おじさんPに、質問を続けた。

 ーー最近、十代の女性との付き合いってありますか? 

 援助交際しているとかではなく、娘が十代とか? 学校で十代に教えているとか?

 「そんなものはないよ! うちの息子はまだ小学生だし、俺は仕事で忙しい。十代と接する機会なんて、ある訳ないだろう?」

 だとしたら、変だ・・。十代と交流がないおじさんが、なぜ・・・

「このシナリオでは、今どきの若者は感動しない!」

 そう言い切れるのか?

 十代の「考え方」や「志向」を知るチャンスがない訳だから、

 そんな意見が言えるはずがない。突っ込んでみた・・。

(つづく)

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続・監督の決断(6)おじさんの定義 2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

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 考えてみた。

 ある人がシナリオを読んだ場合、

「感動的な物語なのに感動できない=>中身を把握できてない」

 この定義、成り立つ。でも・・。

 「ダメな物語。理解できない=>だから、感動した」

 この定義は成り立たないだろう。おじさんPにそう説明したら・・。

 「そんなことは知らない。とにかく、こんなシナリオではダメだ」

 おじさんたちは、絶対的に自分が正しいと思い込んでいるようだ・・。

(つづく)

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続・監督の決断(5)矛盾する感想 2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

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 おじさんたち。言う。

 「俺は長年P(プロデュサー)をやっている。シナリオを何百冊も読んで来た。

 読み方も分かっている。その経験に基づいて、言ってるんだ。

 若い奴は読む力がないんだ。中身を把握してないだけだよ。だから、安易に感動したなんて言うんだ。

 そんな言葉で喜んじゃダメだ!」

 しかし、そのPの指摘おかしい。

 もし、若い子たちがシナリオの中身を把握できていなければ、

 感動したり、泣いたりはできないだろう・・。
 
 
 (つづく)

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続・監督の決断(4)おじさんの感想 2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

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 映画会社でP(プロデュサー)をするおじさんたち。僕のシナリオを読んでこう言う。

 「今どきの、十代はこんなじゃない!」
 
 「こんな物語に今どきの若者は、絶対に感動しない!」

 はあ?

 そんなP(プロデュサー)たちに聞いた。

 ーー十代、二十代の女の子には「泣けた!」と、好評だったんですけど?

 「若い奴らはシナリオを読む力がないんだ! ちゃんと中身を把握してないんだよ!」


 (つづく)

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続・監督の決断(3)十代の感想 2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

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  書き上がったシナリオを10代、20代の女の子に読ませた。

 「感動しました。私も夏美です・・」

 「泣きました・・・何で、監督は女の子の気持ちが分かるんですか?」

 そういう感想が多かった。

 いや、もしかしたら僕が書いたということで、気を使っている可能性がある。

 「友人のライターが書いたシナリオだけど・・」

 と言って読ませる。でも、感想は同じだった。

 やはり、10代20代の女の子たちから、長期間取材して書いたのが正解だった。

 「これは行ける!」と思って、映画会社や製作会社に持ち込む。

 しかし、40代以上のおじさんたちの感想。こうだった・・。

 (つづく)

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続・監督の決断(2)十代を取材 2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

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 以前にも書いたが、

 今回「ストロベリーフィールズ」のシナリオを書くに当たって十代、二十代に取材した。

 というのも、僕もすでに30代。

 若いと思っても、今どきの子たちとはギャップがある。

 自分が思うままの十代を書くと、自身の十代をベースに書いてしまう。

 それでは80年代に僕が見た、ダメな日本映画と同じになるかもしれない・・。

 幸いなことに、身のまわりに十代、二十代の女の子がたくさんいた。

 演劇学校で教えていたこともあり、

 劇団や俳優の卵との付き合いもあって、いろんな形で話を聞いた・・。

 (つづく)

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続・監督の決断(1)僕が十代の頃 2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

 そう考えると、単に「撮り直し」すればいいという問題ではないだろう。

 今回の映画「ストロベリーフィールズ」は、十代の少女たちの物語だ。

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 十代の感性が描かれなければならない。

 十代が見たときに、共感せねばダメだ。

 僕が十代のときに見た日本映画。1970〜80年代の映画。

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 ほとんどが大人の目から見た「今どきの十代」だった。

 或いは、加山雄三や石原裕次郎が演じていた、古い古い映画のキャラを、

 当時の人気アイドルが演じていただけだった。

 全く感動できない。まるで共感できない。

 自分が映画監督になったら、あんな映画だけは撮るまい・・と誓ったものだ。

 しかし・・。

 (つづく)


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監督の決断(10)十代の解釈  2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

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 そのとき開いた「心」。それが、美香(東亜優)との別れで、

 全開になったようにも思える。

 日頃から自分のことを心配してくれていた美香。

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 でも、マキ(谷村美月)は、その感謝を伝えていなかった。

 その「後悔」と「感謝」を込めて、叫んだように思える。

 「美香! お前の分も思い出作る。そしたら、すぐにあとを追うからな!」

 あの台詞を尋常ではない迫力で、叫んだ谷村美月。

 役になり切る、いや、役そのものになってしまう天才少女ならではの表現。

 それが十代の女優たちの「解釈」だったのではないか?

 (つづく)

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監督の決断(9)選択ではない  2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]


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 美香(東亜優)がいなくなってしまう・・。

 そう考えたとき、佐津川愛美も谷村美月も、

 演技の上で「涙ぐむ」か? 「号泣する」か?

 を選択するということより、

 友達がいなくなると思い、演技をしたら号泣してしまったというのが、

 2人の芝居ではなかったか?

 それと、谷村に関して、先の撮影で、僕はこう言った。

 「この辺から、もっとマキは心を開いてほしい」

 最初は「これが私のマキです!」と言って反発したが、

 そのあと、見事に「心を開いたマキ」を演じてくれた。

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 本人は「え? さっきと同じですけど?」と戸惑っていたが、

 まさに僕の意図した演技だった。これも関係しているだろう。

 (つづく)

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監督の決断(8)マキの解釈  2005/9/22 [撮影6日目(十二)美香との別れ6]

 谷村美月は、こう考えただろう。

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 美香(東亜優)は子供の頃からの友達。

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 夏休みには、一緒に花火をした。(回想シーンとして撮影済み)

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 今はクラスメートだ。

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 誰かとケンカすると、すぐに止めに来る。(初日撮影)

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 優等生で学級委員で、少し鼻につくけど、俺(マキは自分のことを俺という)のことを心配してくれた。

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 その美香が死神に連れられて、あの世に行ってしまう。

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 もう、二度と、この世には戻って来れない・・・。

 

 (つづく)

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