最大の不安は台風!(9) ラピュタの場面 2005/9/28 [撮影7日目・台風の襲撃]
夏美(佐津川愛美)とマキ(谷村美月)の別れのシーンも同じだ、
広い倉庫を借りて撮影しては全てが台無しだ。
高尾山の頂上にあるあの場所。
眼下に田辺の町が広がる高台。
そこで撮影するから盛り上がり、感動するのだ。
あの「天空の城ラピュタ」のような、
まるで空に浮く大きな台地のような場所。
そこで佐津川愛美と谷村美月に、全身全霊で芝居をしてほしい!
5年探して見つけた場所だ。あそこで撮影せねばダメなのだ。
それを工場や倉庫に変更しては、全く意味がなくなる!
(つづく)
最大の不安は台風(8)あの場所に理沙を立たせたい! 2005・9・23 [撮影7日目・台風の襲撃]
そして、理沙役の芳賀優里亜。
シナリオを読み、理沙が悲しいときに見つめた夕陽。イメージしてくれているだろう。
ここ数日の撮影、芳賀は「理沙そのもの」と言っていいくらい。
いや、それどころか理沙という役、シナリオを越えて成長させてくれた。
芳賀優里亜。物凄い思いで、理沙を演じてくれている!
そんな芳賀に台風が来て、外に出られないからと、
「ロケ場所は変更。体育館の中で撮影します」
なんて言えない! いや、言ってはならない!
夕陽の場面は、理沙にとって最大の見せ場。
女優・芳賀優里亜が全身全霊を賭けて、演じる場面なのだ。
台風だろうが、竜巻だろうが、別の場所で撮るなんて許されない。
あの天神崎こそが、理沙の思い出の場所なのだ!
だから、芳賀を、理沙を、絶対に、あの天神崎に立たせたい。
悲しみの場面を、演じてもらいたいのだ!
(つづく)
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最大の不安は台風(7)ロケ場所は変更できない! 2005・9・23 [撮影7日目・台風の襲撃]
最大の不安は台風(6)場所を変更する手・・・ 2005・9・23 [撮影7日目・台風の襲撃]
こう考えると、台風が来て数日撮影できないだけで、大変なことになる!
映画が崩壊する。
なので通常、雨と風で外で撮影できない場合は、場所を室内に変更して撮影したりする。
刑事ドラマなどは、よく使う手だ。
空き地で犯人を追いつめて逮捕する場面。それがクライマックスなら、
台風のために屋外で撮影できななら、廃墟とかに場所を変えて撮影する。
が、今回の「ストロベリーフィールズ」は、その手を使えない。
(つづく)
最大の不安は台風(5)作品クオリティも下がる 2005・9・23 [撮影7日目・台風の襲撃]
撮影を中断、時間が経つとスタッフもキャストも、テンションが下がる。
撮影時の勢いを取り戻すのがむずかしい。いや、まず不可能だ。
これも作品クオリティを下げる。
また、クランクアップ後に撮影をすると、何百万という追加費用がかかる。
スタッフにも、追加ギャラを払わねばならない。
製作費に、そんな余裕はない。では、どうするか?
再び営業して、僕自身が製作費を集めるか?
それにまた、何週間も何カ月もかかる。
その間に「夏」が「秋」になり「冬」になる・・・。
「ストロベリーフィールズ」は夏の物語。撮影ができなくなる。
(つづく)
最大の不安は台風(4)クランクアップも延ばせない 2005・9・23 [撮影7日目・台風の襲撃]
「撮影終了日を延ばせばいい」という意見もあるだろう。
でも、クランクアップの翌日には、別の仕事に行かねばならない俳優がいる。
それを待っていると、何日も何週間も待たねばならない。
その間。スタッフはどうするのか? 何もせずに、田辺市にいるのか?
そうもいかないので、一度、東京に戻る。交通費がかかる。
別日に来てもらうにはまた、交通費。そして、割増のギャラを払わねばならない。
さらに、スタッフだって次の仕事がある。
こうして、俳優、スタッフのスケジュールが合う日も、どんどん先になる。
(つづく)
最大の不安は台風(3) でも、休めない!2005・9・23 [撮影7日目・台風の襲撃]
台風が来たからといって、撮影を何日も休むわけにはいかない。
いや、1日、休むだけでも、大打撃なのだ。
まず、撮影をしなくても宿泊費、食費は出て行く。
休んだ日の分は、別の日に撮らなければならない。
そうなるとスケジュールがきつくなる。
深夜まで、夜明けまでの撮影になる。
時間をかけた丁寧な撮影ができなくなる。
作品レベルが下がる。
さらに・・。
(つづく)
最大の不安は台風(2)2005・9・23 最悪の事態? [撮影7日目・台風の襲撃]
幸い、撮影の第1週は、台風がロケ地である田辺を襲うことはなかった。
でも、まだ撮影7日目を終えたばかり。
まだまだ撮影は続く。
その間に台風が来たらどうなるのか?
最悪の事態となる。
ここまで5年間かけて・・。血を流し、身を削り、命がけでたどり着いた撮影。
それをズタズタにしてしまう、事態となる・・・。
(つづく)
最大の不安は台風(1)台風銀座 2005・9・23 [撮影7日目・台風の襲撃]
ロケ地の和歌山県田辺市。
紀伊半島の南に位置しており、夏の終わりになると台風銀座となる。
台風が必ず通る! 町なのだ。
昨年は8つの台風が来た。
強い風と、強い雨、波も荒れる。
何日も、そんな天気が続くこともある。
そうなると撮影どころではなくなる。
今回の撮影で、最も恐れていることである・・。
(つづく)