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第2章 東京・営業篇 ブログトップ
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2002年11月7日 Pに感謝! [第2章 東京・営業篇]

 ようやく、問題が片付き、その後の作業も一段落したので状況を詳しく報告。A子の件でP(プロデューサー)から連絡が来た。
 
 「『ストロベリーフィールズ』とは別に、A子の事務所から来た企画を検討します。原作が面白く、彼女に合う話ならやりたいです。

 でも、そのときは『ストロベリー』の主演は別の人になります。主演は変わっても、作品を潰すようなことはしません! 必ず太田さんの作品で泣かせてく ださいよ!」
 
 安心した。多分、他のPなら、乗り換えていただろう。彼らのほとんどはヒットする作品を作ろう!とか、感動的なドラマを作ろうという気持ちはない。

 責任を追求を逃れ、自己保身する人がほとんど・・。ベストセラー原作もない、脚本を映画化するより、人気アイドル主演で映画を撮ることを優先するはず。

 でも、今回のPは違う。作品内を支持してくれている。こんな嬉しいことはない。今回のPに深く感謝!(つづく)


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2002年11月6日 改訂稿完成 [第2章 東京・営業篇]

 シナリオのリライト。先日、Pとの打ち合わせで上がった問題点をクリアーするため。ようやく書き上げたのでPに送る。すぐに返事が来た。

 「『ストロベリーフィールズ』改訂稿読みました。前のよりも段違いでいいですね! 何度も涙が出そうになりました。後半は感動のジェットコースターですね。
 あとシナリオ取り急ぎ、全部で5部いただきたいです。追加で送ってください。よろしくおねがいします」

 シナリオの方はとても評版がいい。何とか斬り抜けて行きたいが、A子問題が非常に心配。全てが吹き飛ぶ危険性もある・・・・(つづく)


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2002年10月29日 ヤバい! [第2章 東京・営業篇]

 本日、Pから連絡。

 「突然ですが、ちょっと複雑な状況になりました。アイドルA子の事務所の社長から電話がありまして、実はA子を使っての映画の企画があって是非お会い できないかとの電話をもらってしまいました。
 こちらも企画がある旨は伝えているのですが、先手を取られた感じです・・・」

 ヤバイ展開だ。ヘタしたら「ストロベリー」は中止で、先方の企画で行こう・・ということも有り得る。でないにしても、時間をかけ、いろんな子を候補に上げて選んだA子を諦めて別の子を探さねばならない。

  しかし、人気があって、演技が出来て、ビデオが売れて、という子は非常に少ないので、「ストロベリー」進行が厳しくなる可能性がある・・・。(つづく)


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2002年10月13日Ⅴ 船出 [第2章 東京・営業篇]

 D社のPは手帳を取りだし、公演の終わる日をチェック、連絡する日を書きこんで、こう続ける。
 
 「ストロベリーを絶対に映画にする!とは言えませんが、何らかの形にすることは約束します。責任持ってやります!」
 
 そこまで言ってくれた。本当に嬉しい。どう、感謝の気持ちを表したらいいか分からない。散々、否定され続けた作品をようやく評価してくれる人と出会え たのだ・・・。

 Pは細かい説明を始める。今回、D社の他にもう1社参加すれば製作費は*千万円。製作委員会として進めた方がいいのか?
 D社のみで製作した方がいいのか?スタッフはど うするか?具体的な話になった。
 
 2時amまで飲んで、彼と別れた。嬉しくて、深夜にも関らず何人かの友人に電話した。ズッと応援してくれている仲間に、早く知らせたくて帰り道で 携帯をかけた。が、残念ながら誰も出なかった。ま、夜中の2時だからな。 

 でも、星空を見ながら1人で思う。今までとは違い、ようやく「ストロベリー」号は船出しようとしている。大海原に乗り出そうとしていると感じた・・・。(つづく)


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2002年10月13日Ⅳ 理解者 [第2章 東京・営業篇]

 ま、若者向きの作品なので、年配者に受けても仕方がない。若い人が感動してくれることが大切。
 しかし、映画製作の決定権があるのはお年寄り。その彼らに理解されないとゴーサインはもらえない。

 おまけに、そんな世代が「これぞ感動青春ドラマだ!」と喜ぶ作品は、若い人たちは「センスねえ〜。最悪〜!」ということが多い。
 
 最近でこそ、10代20代が見て感動できる「ピンポン」のような青春ものが出て来たが、つい最近までの日本映画は明らかに老人が作ったと思うような青春ものしかなかった。
 だからこそ、「ストロベリー」のような作品を作りたいという思ったのだ。

 が、作り手のセンスと頭が古いので、若者に受け入れられる作品が出来ないこと。営業を始めてからも思い知った。
 青春ものだけでなく、SF、ファンタジー。皆、理解されない。もしかしたら、いろんな業種の中で最も遅れているのが実は映画産業ではないか?と思えるほど。

 そんな中で、今回のPは「ストロベリー」のシナリオを読み感動してくれた。方向性も理解してくれたのは本当に嬉しい!彼は続ける。
 
 「よし、A子の事務所には一緒に交渉に行きましょう!」

 彼は手帳を取りだし、公演の終わる日をチェック、連絡する日を書きこんで、こう続けた・・・。(つづく)


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2002年10月13日Ⅲ 感激! [第2章 東京・営業篇]

 居酒屋でA子ライブの話をしている内に、今回の映画「ストロベリーフィールズ」の件となる。D社のプロデュサーは言う。

 「何か太田さんの作品も、もの凄い悲しみを抱えて書いたんだと思えます。それが何か分からないけど、絵空事で書いた話ではないと思ったんです。
 だか ら、映画のラスト。草原を走る夏美やマキたちのシーンで泣かして欲しいんです・・・」
 
 そう言われた。「そんな作品をずっと作りたいと思っていた」と言われた。30代の若い彼は「ストロベリー」の本質を理解してくれていた。

 これまでシナリオを読んでくれたPたちは40代50代が中心。皆、首を傾げた。青春ファンタジーなのに、「これはホラーだよね?」と言われた。死神が登場するからだろう。

 或いは「何がなんだか分からないんだよ」「テーマがはっきりしないねえ。もう一度、イチから書き直した方がいいよ」と言われていた。何十本も映画を作って来たベテランのPたちがそう言う。

 それに対して10代20代に読んでもらうと、「感動しました!」「泣けました!」ともの凄く評版がよかった。テーマを言い当てる子もいる。
 ベテランPたちより若い子たちの方が、理解力があるように思えた・・・・。(つづく)


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2002年10月13日Ⅱ A子のライブ [第2章 東京・営業篇]

 「そのアイドルA子(15歳)のライブを見に行きませんか?」

 そんな誘いをPから受けた。もちろんOKだ。実際に見なければ分からない。写真やビデオで見ていいな!と思えても、実物を見るとかなり感じが違うこともがある。
 ライブを見る。その子は非常に繊細かつ美少女で、なかなか好感が持てた。

 そのあと、Pと飲みに行く。すでに何度か会っているが、飲みに行ったことはない。まだ、彼のことをよく知らない。
 若く、映画製作経験は少ないが、繊細で控えめ。勉強家。E社のPとはかなり感じが違う。が、まだまだ、どんな人か分からない。

 映画製作では、監督とプロデュサーが互いの事を知らないといい仕事はできない。
 テレビゲームのときも、少し前に投げ出してしまった会社もそうだが、電話だけでことを進め、直接に会わないで仕事をすると意思疎通ができずトラブルが起こる。
 相手をよりよく知ることが大切。

 ただ、僕は初対面の人にでもハッキリとものを言い過ぎて、顰蹙を買うことがある。だから、注意・・・でも、それで気に入ってもらえるらことも多い。
 が、相手が大爆発!で終わり。ということもあったので注意。緊張しながら、店に入った・・・・・。(つづく)


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2002年10月13日 主演女優選び [第2章 東京・営業篇]

  E社のときは、何週間も担当者と会うことさえできず、なかなか前へ進まなかった。が、今回のD社のP(プロデュサー)とはすぐに会えて、話ができた。
 主演にはある程度知名度のある女優を入れることを了解すると、すぐに候補者選びとなった。

 とはいえ、まだ正式にD社が「ストロベリーフィールズ」の製作を了承したのではなく、まずはPと共にある程度の材料を揃え、社の企画会議に出す。そこで承認されて始めて製作費が降りて、正式に映画がスタートする。現在はその前段階ではある。

 E社が途中で興味をなくしたので、「どうしようか?」と思っていた。だが、数日後に次ぎなる展開が待っていようとは、世の中分からないもの。希望を捨ててはいけない・・。

 そのD社Pと打ち合せで、主人公の夏美候補を決めた。人気アイドル。それでいて俳優業をメインとする子たち。そんな中から選んだ。一押しはA 子である。
(つづく)


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2002年9月30日 主演は中学生? [第2章 東京・営業篇]

 D社からのさらなる連絡があった。映画化に向けてのいろいろ提案。先方の構想はこうだ。

 制作費は数千万円クラスの。それを中堅の映画館グループで上映する。
 窪塚洋介・主演の「ピンポン」のような形態にしようというのだ。

 僕が当初、考えていたのは一千万円弱のクラス。それが数千万となると完全な企業映画。これは嬉しい展開。予想外なので戸惑いさえある。

 そして先方のリクエストは主人公たちの設定を「女子高校生ー>女子中学生」に変更してほしいということ。

 だが、15歳以下の俳優たちに、十分な演技力があるのか? 芝居の理屈がわからないのではな いか?と不安になる。

 現在、僕が演劇学校で教えている中学生も、文化祭の芝居。テレビ等で見る子役もレベルが低い子が多く、セリフ棒読みということが多い。

 「ストロベリー」は主人公とも言える4人の少女の演技に、。全てがかかっている。かなり高いレベルの演技ができないと、全てが壊れる。

 ただ「金八先生」の生徒レベルの子たちなら、何とかなるかも・・・。
 79年の第一シーズンから全て見ているけど、なかなかの子が多い。あのレベルの子たちなら中学生でも行けるかもしれない・・。

 D社の提案にはいい点が多い。捨てる神かれば、拾う神あり。

 再びチャンスは巡って来た。何とか形にしたい・・。(つづく)


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2002年9月29日 新たなる支持者! [第2章 東京・営業篇]

 一度は興味を持ってくれたのに、途中でフェードアウトしたE社。やはり、あれから連絡はなく、落ち込んでいた。

 ら、先に営業したD社のPからメール連絡がある。以下、要約したもの。

 「『ストロベリー・フィールズ』脚本、読ませていただきました。面白かったです。大林宣彦監督のようなテイストを強く感じました。個人的に好きなテー マの話です。

 ただ、主役は有名アイドルの方が、企画を通しやすいでしょう。というより、ネームバリューがないと無理だと思います。そこに有名アイドルを入れることができるのなら、実現可能な企画だと思います」

 通常、営業しても、シナリオを読んでくれることは少ない。読んでくれても「何ともできないな・・」ということがほとんど。
 或いはPが面白がってくれても、会議で潰されたりする。が、先のE社に続いて、また別の会社が手を挙げてくれた。よし、がんばるぅ!(つづく)


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