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第5章 再挑戦スタート篇 ブログトップ
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2003年7月中旬 新しい映画作り・Ⅳ [第5章 再挑戦スタート篇]

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 先輩は言う。

 「とにかく、アポを取って和歌山県のフィルムコミッションを訪ねろ。次に地元に行って観光課を訪ねる。

 できれば、D社のPも連れて行けるといいんだけど、『来年、考えよう・・』という奴じゃなあ・・とにかく、お前一人でも行ってくるべきだ!」

 もともとホラードラマが終わり次第、田辺へは行くつもりだった。大林監督との約束もある。

 だが、まさか、フィルムコミッションや、観光課まで行くとは考えなかったが、その方が、より地元色が出せる素敵な作品が作れるだろう。

 それが最良の方法だと思える。

 よし。古里・和歌山県田辺市に行くぞ!

(和歌山迷走篇に つづく)


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2003年7月中旬 新しい映画作り・Ⅲ [第5章 再挑戦スタート篇]

 先輩はさらなる情報を教えてくれる。
 
 「文化庁の映画協力基金に応募するといいんじゃないか? 以前は黒澤明とか鈴木清順とかにしか援助しなかったけど、最近はそうでもない。
 特に地方で作られる作品には協力してくれるぞ!」

 その額は2000万円!!だが、簡単にもえらる訳ではない。さまざまな審査も必要だ。が、前回紹介した島根県で作られた「白い船」という映画もその基金をもらっている。

 監督が島根出身で、島根を舞台に撮った物語。まさに僕のケースと同じ!まあ、同じだからと、同じように行くとは限らない。

 が、「ストロベリー」の進め方としては、映画会社がドン!と製作費を出して作るこれまでの方式ではなく、地元の協力を得て、町の良さをアピールする作品を作る。そういう方向ではないか?と思えてきた。(つづく)


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2003年7月中旬 新しい映画作り・Ⅱ [第5章 再挑戦スタート篇]

  考えたこともない方法だった。だが、確かにそういう形で作られた映画がどんどん出てきている。小栗幸平監督の「眠る男」は群馬県が作った映画。
 「白い船」は島根県出身の監督が、島根県のある町の全面協力で作られている。 とても感動的な作品だった。

 先輩監督も、三重県で撮影。町の協力を得て、公立の中学校を借りて撮影。地元のホテルとタイアップ。
 名前をチラシ、ポスターにも載せ、ドラマ内でもホテルを登場させることで、宿泊費と食事代を全てタダにしてもらったという。

 地元企業がCMや広告ではなく、映画を使って地元を宣伝するという考え方だ。
女性Pの旦那に相談すると、同じことを言われた。

 「宿泊費、食事代は非常にウエートを占める。数百万円になる。だから、タイアップでそれが削減できるだけで、製作側はかなり助かる。地元は町やホテルをアピールできる。

 ストロベリーの場合で考えると。予算は*千万。その内半分をK社が負担するのなら、あと、残りを地元で投資してもらえれば、GOできるだろ?」

 全く考えたこともなかった発想だ。希望が見えてきた。が、まだ難しい問題はある・・・・。(つづく)


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2003年7月中旬 新しい映画作り・Ⅰ [第5章 再挑戦スタート篇]

 さて、僕の気付かなかった方法論。新しい形の映画作り。以下のものである。ホラードラマの仕事で出会ったある先輩監督から聞いた話だ。

 「今の時代、不況で企業にはお金がない。ビデオ会社もなかなかGOサインを出さない。小さな額なのに出し渋る。

 太田の作品は地方を舞台にした作品だろ?だったら、ビデオ会社なんか当てにしないで、自治体の協力を得るんだよ。

 観光課なんかに話を持って行けば、金を出してくれるところもある。映画を作れば町の宣伝になるからね? 尾道なんかは特にそういうことに力を入れてる。

 今、地方は映画を通して「町をアピールしよう!」という動きが、急速に広まっている。地元発信の作品を作ろうとしているんだ。

 あと、フィルコミッションを通せば、いろんな場所を紹介してくれるし、エキストラも集めてくれる。地方の企業とも連絡を取ってくれる。

 そんな形でやった方がいいかもよ。今回の太田の映画は、そういう方法の方がいいんじゃないか?」(つづく)


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2003年7月16日 春美候補の天才女優? [第5章 再挑戦スタート篇]

 「この子になら、あの役が出来る!! いや、この人でないないとダメかもしれない!」

 実は「ストロベリー」のある役。凄く難しくて、誰にお願いすればいいか?考えていた。その辺の女優さんでは絶対に無理。
 美しくて、狂気があって、それでいて悲しい。「赤ひげ」の香川京子のような感じ。ほんとに難しい。

 でも、彼女ならできるはずだ・・・。

 今日からは、「ストロベリー」戦線に本格的に復帰する。何とか、来年には軌道に乗るよう、準備したい。
 先はどうなるか分からないが、これを形にせずに未来はないと思っている・・・。(つづく)


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2003年7月16日 ホラー終了と天才女優 [第5章 再挑戦スタート篇]

 昨日、ホラードラマのMA(音楽や効果音を入れる作業)が終了。完成と相成った。満足度の高い作品を作ることができた。もちろん反省点はいっぱいある。不勉強で至らなかったこともある。

 けど、それは全て自分の問題。以前のホラービデオのときはPが進行の邪魔をしたり。やるべきことをせずに、それをスタッフが肩代わりしたりということが何度もあった。

 僕自身が製作を担当。小道具、役者への連絡から、弁当の手配までした・・・シナリオを書く時間も信じられない期間。そんな常識以前の異常な状況があった。

 それに比べると、今回はほんといい仕事だった。プロデュサーも理解ある方々ばかり。「いい物を作ろう!」という思いを感じた。前回のように「殺すぞぉ!」という人は誰もいなかった。

 そして出演してくれた女優さんで、本当に素晴らしい方がいた。まさに天才女優と言える。その彼女が現場で貞子の真似をしていたことがある。それを見て、閃いた!!(つづく)


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2003年7月6日 女性プロデュサーの感想Ⅴ [第5章 再挑戦スタート篇]

 大島弓子の世界なら、おじさんたちが理解できないのも当然。

 だが、一番映画を見る世代は10〜20代。その世代にウケている企画なのに、映画を作る側が理解できない。これが日本映画の構図だとすると、やり切れない。

 でも、その女性Pからこう言われた。「ストロベリー」は素敵な作品だから絶対に形にしてほしい。旦那と一緒に応援するから!と。

 そう。その旦那と翌日会うことになっていた。先日、電話で話したとき、ある質問をすると「その話はついこの間、後輩にしたところだよ!」といわれた。

 かなり、詳しく話が聞けそうだ。ストロベリー戦線に復帰したとたんに、大きな展開が始まる!(つづく)


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2003年7月6日 女性プロデュサーの感想Ⅳ [第5章 再挑戦スタート篇]

 だから、若い女性に「ストロベリー」の評判がいいのかも? 年配の男性に理解されないのも、その辺が理由だろう。

 中年の親父が大島弓子を読んで、感動したなんて話は聞かない。やはり、何を理解するにはバックグラウンドが重要なのだ。

 今回の「ストロベリーフィールズ」は女子高生4人の青春ファンタジー。となると、子供時代からファンタジーに馴染んでいないと想像できない。
 日本ではSF、ファンタジーというと未だに子供向きとバカにする風潮がある。
40代のおじさんは特に興味のない世界。

 その上、若い人と接することがない。「最近の若い奴は訳が分からない」と嘆く。そんな男性たちがPをしている・・・。(つづく)


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2003年7月6日 女性プロデュサーの感想Ⅲ [第5章 再挑戦スタート篇]

 でも、やがて40代以上の男性の想像力がないだけ(!)だと分かって来る。今回のことで余計にそう思えるようになった。

 要は年配の男性Pたちは若い人の気持ちが、もう分からないのだ。だから、若者にウケる映画が作れない。
 彼らが「これはいい!」というものはソッポ向かれるということ。前々から聞いていた話だが、それを実感する。
 
  逆に言うと、彼らが「ダメ」という作品は観客にウケるのかもしれない。女性Pには2箇所ばかり問題点を指摘されたが、大きな点ではない。「ぜひ、がんばってほしい!」といわれた。

 気に入ってもらえた点として、彼女は大島弓子の漫画が昔から好きだということがあったようだ。
 以前、先輩監督にも言われて、読んでみたが、非常に似ている。大島弓子の漫画にも幽霊ネタやタイムリミットの物語が多い。それでいて感動的。

 そう考えると僕の世界観も、その手の少女漫画に近いのもかもしれない。だから、女性の方が「ストロベリー」を理解しやすい・・・。(つづく)


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2003年7月6日 女性プロデュサーの感想Ⅱ [第5章 再挑戦スタート篇]

 だが、その女性Pの旦那(僕の先輩)に聞くと、こう言われた。

 「アイツは太田のこと。かなり評価しているよ!」

 言い方は厳しいが、実力を認めてくれていたようだ。そんなこともあり、シナリオを送らせてもらった。でも、緊張。喫茶店で会うと、こう言う。

 「太田さんがこんな作品を書くとは思わなかったな・・この作品ならどこへ持って行っても採用されますよ! 」

 こんなに業界の人に褒められたのは初めてだった。嬉しいより驚き。10−20代の特に女の子には評版がよかったが、映画関係者の批評は最悪だった。
 先日の50歳Pと同じような指摘がほとんど。
 
 ある会社で「10代には評版がいい」というと、「素人で子供だから、何も分かってないんだよ」と言われる。
 映画会社で働くベテランのPにそう言われると、反論することができなかった・・・・。(つづく)


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2003年7月6日 女性プロデュサーの感想・Ⅰ [第5章 再挑戦スタート篇]

 その女性プロデュサーは現在、ドラマ部ではないので、例え「面白い!」と言われても、「ストロベリー」をプロデュースしてもらうことはできない。
 が、以前、一緒に仕事をしたこともある。

 女性ならではの鋭い感性と、今の時代を感じる力がある方。感受性がマヒしがちな40代以上の男性より、いつも時代を反映した意見を聞かせてくれる。

 さらに座礁した「ストロベリー」号をどう、立て直せばいいか?の相談にも乗ってもらいたい。局近くの喫茶店で会う。いつも、厳しい人なので、少々緊張。以前、見てもらったオリジナル・シナリオはこう言われた。

 「まだまだって、感じね?」

 まるで映画学校の学生のシナリオを、読んだときのようなコメント。すでに脚本家の仕事をしていた時だったので、かなり傷ついたものだ・・・。(つづく)


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2003年6月  女性プロデュサー [第5章 再挑戦スタート篇]

 撮影は通常1日2本撮り。僕の場合は4本で3日。あっと言う間の撮影だった。そして編集。音楽打ち合わせを終えて、あとはMAのみ。
 監督としての仕事はほぼ終了。いよいよ、ストロベリー戦線に復帰だ。

 MAまでの間に**テレビで仕事をする女性Pに連絡。「ストロベリー」のシナリオを読んでほしいとお願いする。

 快くOKをもらったので、送る。数週間後に感想を聞かせてもらうこととなる。
(つづく)


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2003年6月6日  /ホラードラマ撮影Ⅲ [第5章 再挑戦スタート篇]

 本日が僕の担当するエピソード「スクープ」のクランクアップ(撮影終了)。同時にシリーズの撮影としても、最終日でもある。

 品川の川沿いで撮影。エキストラも大勢来てくれて盛り上がる。他のエピソードの監督たちも、その中に交じって出演。先輩たちもいるし、同業者の前での演出は緊張!

 おまけに、こんな多くのスタッフがいる撮影も僕にとっては初めて。毎日緊張の連続だった。でも、「ストロベリーフィールズ」が実現すれば、もっと多くのスタッフを率いて撮影せねばならない。

 その意味では今回、とてもいい経験となる。内容的にもいいものが出来たと思えるし、ホラーはやはり作っていて面白い! (つづく)


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2003年6月6日 /ホラードラマ撮影Ⅱ [第5章 再挑戦スタート篇]

 ホラードラマ撮影2日目。本日は石神井のお寺で撮影。なかなか、いい雰囲気の場所。とても21世紀とは思えぬ感がある。

 今日撮影するエピソードは「死神」。僕が映画化を目指す「ストロベリーフィールズ」にも登場する死神、メインキャラクター。でも、扱いがむずかしい。
 ひとつ間違うとギャグになってしまう。恐怖と威厳を表現するにはどうすればいいか? 

 挑戦でもあり、「ストロベリー」の前哨戦でもある。頭で考えるとうまく行くはずでも、現場でやってみると問題が出てくることが多い。まず、実践。

 夜には移動して、笹塚へ。ホテルを借りて別のエピソードを撮影。こちらはベテランの俳優・蛍雪次郎さんが主演!素晴らしい演技を見せてくれた。

 休憩時間に以前の出演作品「ガメラ」シリーズや「コミック雑誌なんかいらない」の話を聞かせて頂き、感激。単なる映画ファンになってしまう?(つづく)


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2003年6月3日 /ホラードラマ撮影Ⅰ [第5章 再挑戦スタート篇]

 本日はホラードラマの撮影。ロケ地は荻窪にある旅館。

 見るからにホラーにピッタリ! タイトルも「旅館」

 張り切って撮ると、予定より大幅に早く昼間のシーンを撮り終えてしまう。夜まで撮影するものがなくなり、3時間の休憩! 

 でも、その最大の理由は、主演を勤めてもらった天才的な女優・Mさんの力。絶対にNGを出さない!

   「1」言いえば「10」を分かってくれる。こんな凄い俳優さんがいたなんて驚愕。

 夜、移動して公園で撮影。なんとそこは僕のアパートから5分の距離。そこで遅くまで撮影。本日は約1.5話分を撮り終えた。(つづく)

 

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2003年6月 /ホラードラマの撮影準備 [第5章 再挑戦スタート篇]

 ホラードラマの準備が進む。3本の依頼が結局、4本担当することなる。
 シナリオを書き、キャスティング。ロケハンも済ませる。現在は絵コンテを書いている。

 今回のシリーズを担当する他の監督たちも、なかなかのくせ者ばかり。実力派。若手。感覚派。マニアック派と、いろんなタイプの監督が集結。

 負けないようにがんばらねば! (つづく)


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2003年5月  ホラードラマ [第5章 再挑戦スタート篇]

 久々の監督依頼が来た。深夜ドラマのホラーもの。シリーズで3本監督してほしいとのこと。友人のS監督の推薦が大きかったようだ。感謝。
 よっしゃー! ホラーは大好きじゃあ。

 昔はホラー作品を作ることなど絶対にないと思っていた。が、見るのは好きで、ジョン・カーペンターやジョージ・A・ロメオとか大ファン!
 「ハロウィン」「ゾンビ」「ザ・フォッグ」「悪魔の沼」「死霊のえじき」なんてドキドキして見ていた。

 それが昨今のホラーブーム。猫も杓子もホラー。ホラー! そんな中で依頼が来たのが超超低予算ホラービデオの仕事。
 その製作会社が超アホで、邪魔されてばかり。完成度の低いものしかできなかった。そのリベンジをいつか果たさねばと思っていた。

 また、その作品で実力を示すことで、「ストロベリー」へ繋げられるかもしれない。和歌山行きの準備をしていたが、当面はこれに専念。全力でかかることにする!
(つづく)


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2003年5月 おじさんの心理・Ⅸ [第5章 再挑戦スタート篇]

 それに対して、「ストロベリー」はラブストーリーではなく、敢えて分類すれば友情ドラマ。

 でも、スポーツや学園生活を通して、「友情」を育む古典的なスタイルではない。そこにファンタジーを持ち込み「友情」というより、今日的な「仲間」の話にしている。

 オジさんたちの過去にはなかったタイプの物語であり、彼らが若い頃には必要のなかったテーマを掲げた作品。だから、分からない。

 しかし、今の社会で決定権を持つのは、そのオジさんたち。だから、時代の流れが分からずに、不況から抜け出せないということにも繋がるのだろう。
 そんな世代が会社トップであり、映画会社でも決定権を持っている。そこが「ストロベリー」の不幸なところ。
 
 「猟奇的な彼女」のようにオジさんたちにも分かる、古いタイプのドラマにすれば、よかったのかもしれない。が、企画を通すために考えた作品ではないので、そーもいかなかった・・。

 そんな厳しい構図が出来上がっていたことは気付いていた。が、今回は好意的で応援してくれている50歳Pすら、同じ反応というところで、かなりショックを受けた。

 どうやって、企業の中で決定権を持つおじさんたちに理解され、支持してもらえばいいのだろうか・・・。(つづく)  


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2003年5月 おじさんの心理・Ⅷ/オレは古くない! [第5章 再挑戦スタート篇]

 おじさんたちは、時代に取り残されている。けど、感受性の鋭い子供たちは時代を感じて生きている。ギャップはどんどん広がる。

 「最近の子は、何を考えているのか分からない・・」

 そうボヤくようになる。そんなおじさん世代に「ストロベリー」が理解できないのは当然かもしれない。

 が、オジさんたち。時代からズレているとは思いたくない。だから50歳Pもこう言った。

 「でも、俺は最近の映画で『猟奇的な彼女』はおもしろいと思った。

 新しい映画も、ちゃんと理解している!

 が、お前の作品は分からなかった。それはシナリオに問題があって、おもしろくないからだろ?」

 それは比べる対象が違う。「猟奇的な彼女」を簡単にいうとビリー・ワイルダータイプの作品。映画の王道を行く、古いタイプのラブストーリー。

 当然、オジさんたちが若い頃に見ていたスタイル。理解しやすかったのだ。

 新しいタイプの映画を、彼が理解できたということではない。

(つづく)


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2003年5月 おじさんの心理・Ⅶ [第5章 再挑戦スタート篇]

 若い世代はそこに寂しい自分たちを重ねて、感動してくれた。

 が、「携帯」や「メール」、「プリクラ」がなくても生きていけるオジさんたちには、その気持ちが分からない。

 だから、「ストロベリー」が理解できないのではないだろうか?

 でも、オジさんたちにとっての「携帯」や「プリクラ」があった。それは子供の頃に友達とやってたこと・・。

 鬼ごっこをしたり、カブトムシを取ったり、

 ケンカしたり、一緒に泣いたり、笑ったり

 そうやって友達を作り、親友を見つけていった。

 それを子供たちに、伝えるべきなんだ!

 成績至上主義の時代だけど、テレビゲームで家に閉じこもる子が多いけど、オジさんたちは、その思い出を語るべきだと思う。

 それが子供たちのプラスになる!

 けど、彼らはそれに気付かない。仕事に追われてばかりで、今の時代を把握できない。

 オジさんたちは、大切なことを伝えようとしない・・・。

(つづく)

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2003年5月 おじさんの心理Ⅵ [第5章 再挑戦スタート篇]

 数年前から演劇学校で教えているので、10代、20代との接点が増えた。ここしばらくは演劇学校で小学生に教えている。そんな中で序々に気付いてきたこと。

 行き場のない時代。大人たちに理解されない現代、子供たちが理解し合い慰めあえるのは友達しかいない。
 だから、メールをしあうことで、絆を確認し、カラオケで一緒に歌うことで連帯感を持とうとする。プリクラで友達がいることを実感する。

 けど、本当はそれじゃいけない。機械や写真が介在しなければならない絆なんてホントは違うと思う。
 皆、どうやって仲間を作り、絆を育むべきかが分からないから、そんなものに頼ってしまうのだ・・・。

 本当に大切なことがある。それを伝えようとしたのが「ストロベリーフィールズ」という物語。
 孤独な少女たちが幽霊になって初めて、本当の友達ができるストーリーを僕は書いた・・・。(つづく)


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2003年5月 おじさんの心理Ⅴ [第5章 再挑戦スタート篇]

 その50歳Pに携帯やメールをどう思うと聞く。

 「そんなことなんか、考えたこともないよ・・」

 という顔・・・そしてこう言った。

 「技術が発達したから、携帯でメールするようになったんじゃない?」

 答えになっていない。聞いているのは「なぜ、メールができるようになったか?」ではない。

 「なぜ、メールをするかだ?」

 つまり、彼の中では若い世代の気持ちなんて考えたこともないということ。

 「最近の若い連中は、訳分からないからな・・」

 といういうことで終わらせていたのだと思える。すると、彼と同行してきた40代の先輩がポツリとこういった。

 「寂しいからじゃないのか?」

 僕もそう考えていた・・・・。(つづく)

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2003年5月 おじさんの心理Ⅳ [第5章 再挑戦スタート篇]

 若い世代はSFやファンタジーが好きなので、「ストロベリー」の世界に登場する死神や幽霊をすぐに理解できる。
 が、年配の男性はその種のドラマを好まないので、想像しくにくい。幽霊=ホラーと考えたりする。

 そして、もうひとつ。10代にとってはテーマが極身近なものだということ。だから、強く共感できる。でも、その種のテーマに縁遠い大人には分からない。50才Pにこう質問してみた。

 「今の学生たちが家に帰っても携帯で友達に電話したり、メールしたりするのはなぜだと思いますか?
 プリクラを手帳にいっぱい貼り付けるのは、どーしてだと思いますか?」

 そう聞くと彼は、「そんなことなんか考えたこともないよ・・」という顔をした・・・・・。(つづく)


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2003年5月 おじさんの心理Ⅲ [第5章 再挑戦スタート篇]

 その50歳Pは、僕に対する悪意はない。何年も前からお世話になっている人で、いろいろと応援してくれている。好意的にシナリオを読んでくれたはず。

 なのに、全否定の結論は何か? たぶん、本当に物語が何が何だか分からなかったのだろう。

 「テーマどころか、ストーリーもピンと来ない。しかし、難しい話でないのは分かる。
 俺は映画界で何十年も働いて、数多くの作品にタッチしてきた。その経験からして、自分に理解できないということは、テーマが打ち出せてない破綻した物語だからだろう・・・」

 そう判断したのだと思える。たぶん、35歳以上の男性は皆、同じ形で把握しようとして理解不能に陥る。
 が、10代、20代から見ると、とても分かりやすい物語なのだ・・。(つづく)


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2003年5月 おじさんの心理Ⅱ [第5章 再挑戦スタート篇]

 実はある層に「ストロベリーフィールズ」のシナリオを読んでもらうと、抜群に評版がいいい。10代、20代の男女である。

 その世代に見てほしい映画なので、彼ら彼女らにウケなければどうしようもないということはある。
 が、中にはシナリオを読んで泣いたという20代女性も多い。なのに、なぜか、年配の男性には拒否。今回の50才Pも全否定だった。

 それで思い出したの昨年の営業。そのときも35歳以上の男性に「ストロベリー」はめちゃめちゃ評判が悪かった。「つまらない」ではなく、「分からない」といわれた。話題作を何本もプロデュースした、30代後半の男性Pもこう言う。

 「時代を変える作品というのは、爆発的なパワーをもってなければなりません。が、それがこの作品には感じられませんでした」

 「時代を変える作品を作りたい」なんてい言ってないのに、何でそんな批評になるのだろう?と思った。
 それに彼のいう「爆発的なパワー」というのは、何を意味しているのか?理解できなかった。でも、そんな背景も少しずつ分かってくる・・。(つづく)


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2003年5月 おじさんの心理・Ⅰ [第5章 再挑戦スタート篇]

 以前、お世話になったフリープロデュサー(50代・男性)に時間をもらい、「ストロベリー」の相談をした。

 シナリオと企画書を読んでもらい、どう展開すべきかの意見を聞かせてもらう。が、酷評された。

 「この作品には、君のいいたいことが何も出ていない!」

 さらにこうだ。

 「もう一度、ストーリーを考えて、いろんなパターンを3種類くらい作って、それを検討しながら、イチから書き直した方がいいな!」

 んーーーーーー、申し訳ないが、まるで分かってない。いろんな趣味の人がいるので、「面白くない」「詰まらない」「好きじゃない」というのは分かる。

 でも、彼の指摘は間違っている。

 まず、僕が「何をいいたくて、この作品を作ったか?」は伝えていない。だから、「君のいいたいことが出ていない」というのは、変。

 つまり、彼はシナリオを読んで、テーマらしきものを何も発見できなかった。だから「いいたいことが何も出ていない」という推測をしたのだ。

 そしてテーマが分からなくても、物語を理解してくれればいい。

 けど、たぶん、その物語も理解できなかった。

 だから、テーマを見つけることもできなかったのだろう。

 やはり、幽霊や死神が出て来る「ファンタジー」。40代以上の男性には想像し辛いのかもしれない。というのは・・・。(つづく)


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2003年5月1日 応援メールⅡ [第5章 再挑戦スタート篇]

 さらなる応援メールが届く。最初は先輩監督。

 「作り手は表現したいものには常に貪欲なもの、回りの意見より自らのこころの声が一番大事!粘り勝ちしましょう!また連絡入れます(^^)」

 その通りだと思う。負けない!さらに役者からもメールあり。

 「ほんと、そうです!負けないでください!!って僕からは言いにくいです..。自分ががんばらないと・・・。とにかく、ほんとうの監督の力を見せ付けてやってください!」

 泣けた・・・・みんなありがとう。がんばります!(つづく)


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2003年5月1日  応援メールⅠ [第5章 再挑戦スタート篇]

 ここしばらくの件。応援してくれている友人に文章でメールすると、何通もの返事が来た。最初は友人の監督から・・。

 「大変だったと思います。安易な慰めやいたわりの言葉は無用かつ失礼だと思いますが、私も微力・無力ながら応援しています。では!幸運を!」

 こちらはアメリカ時代からの友人。

 「『ストロベリー』厳しくなってきたようですね。万一、今年ムリになったとしても、来年、再来年、いやそれ以降の実現を目指してほしいです。あのシナリオは、映画にする価値がありますから!」

 本当に嬉しい・・・・・。 (つづく)    






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2003年4月下旬 先輩の言葉 [第5章 再挑戦スタート篇]

 別の先輩に相談に乗ってもらう。こう言われた。

 「直感的に今回の企画は難しい気がする。あきらめないことは重要だけど、内容に惚れ込むだけで動くPは、なかなかいない。太田君もよく知ってることだと思う。

 Pは一度企画が暗礁に乗り上げると、すぐに諦める。一度ケチのついた企画は、それ以上進まないものだよ・・・」

 こちらの話は応えた。応援し、協力してくれる人からの、それも長年の付き合いである先輩からの意見。

 カンターパンチを食らったようで、ダウンしただけでなくリングの下まで落ちた。さらに、こう言われる。

 「まあ、オレの長年の経験から言っても、D社が降りた時点でこの企画は終わったな・・」

 尊敬する先輩ではあるが、その意見は受け入れられない・・・・。(つづく)


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2003年4月30日 投資会社からの返答 [第5章 再挑戦スタート篇]

 先輩が「ストロベリー」投資の話をしてくれた大手メーカーからの返答が来た。シナリオも読んでくれた上での返事である・・・。

 「無名監督では、有名タレントやスターが出てもヒットしない。さらに、この企画はマニアックなファンしか客の対象にならず、相当なローバジェットでなければ成立しない。

 まともな映画にしたいのであれば、バジェットを上げてでも有名監督に撮ってもらうべき企画である。
 ローバジェットで、新人監督ではほとんど作品に期待できないし、金銭的にもリスキー。バブル期ならともかく、今はどこの会社に持って行っても成立しないだろう」

 めちゃめちゃ、頭に来た。一般論を都合良く安易に掲げた批判ばかり。そして筋が通らぬ提案に憤りを感じる。しかし、これが映画製作に投資する大手企業の発想なのだ。

 「今回、筋の通らぬ否定をして、投資しなかったことを、絶対に後悔させてやるーー! 見とれよぉーーーーーーー!」

(つづく)


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