2003年7月6日 女性プロデュサーの感想・Ⅰ [第5章 再挑戦スタート篇]
その女性プロデュサーは現在、ドラマ部ではないので、例え「面白い!」と言われても、「ストロベリー」をプロデュースしてもらうことはできない。
が、以前、一緒に仕事をしたこともある。
女性ならではの鋭い感性と、今の時代を感じる力がある方。感受性がマヒしがちな40代以上の男性より、いつも時代を反映した意見を聞かせてくれる。
さらに座礁した「ストロベリー」号をどう、立て直せばいいか?の相談にも乗ってもらいたい。局近くの喫茶店で会う。いつも、厳しい人なので、少々緊張。以前、見てもらったオリジナル・シナリオはこう言われた。
「まだまだって、感じね?」
まるで映画学校の学生のシナリオを、読んだときのようなコメント。すでに脚本家の仕事をしていた時だったので、かなり傷ついたものだ・・・。(つづく)
2003年6月 女性プロデュサー [第5章 再挑戦スタート篇]
撮影は通常1日2本撮り。僕の場合は4本で3日。あっと言う間の撮影だった。そして編集。音楽打ち合わせを終えて、あとはMAのみ。
監督としての仕事はほぼ終了。いよいよ、ストロベリー戦線に復帰だ。
MAまでの間に**テレビで仕事をする女性Pに連絡。「ストロベリー」のシナリオを読んでほしいとお願いする。
快くOKをもらったので、送る。数週間後に感想を聞かせてもらうこととなる。
(つづく)
2003年6月6日 /ホラードラマ撮影Ⅲ [第5章 再挑戦スタート篇]
本日が僕の担当するエピソード「スクープ」のクランクアップ(撮影終了)。同時にシリーズの撮影としても、最終日でもある。
品川の川沿いで撮影。エキストラも大勢来てくれて盛り上がる。他のエピソードの監督たちも、その中に交じって出演。先輩たちもいるし、同業者の前での演出は緊張!
おまけに、こんな多くのスタッフがいる撮影も僕にとっては初めて。毎日緊張の連続だった。でも、「ストロベリーフィールズ」が実現すれば、もっと多くのスタッフを率いて撮影せねばならない。
その意味では今回、とてもいい経験となる。内容的にもいいものが出来たと思えるし、ホラーはやはり作っていて面白い! (つづく)
2003年6月6日 /ホラードラマ撮影Ⅱ [第5章 再挑戦スタート篇]
ホラードラマ撮影2日目。本日は石神井のお寺で撮影。なかなか、いい雰囲気の場所。とても21世紀とは思えぬ感がある。
今日撮影するエピソードは「死神」。僕が映画化を目指す「ストロベリーフィールズ」にも登場する死神、メインキャラクター。でも、扱いがむずかしい。
ひとつ間違うとギャグになってしまう。恐怖と威厳を表現するにはどうすればいいか?
挑戦でもあり、「ストロベリー」の前哨戦でもある。頭で考えるとうまく行くはずでも、現場でやってみると問題が出てくることが多い。まず、実践。
夜には移動して、笹塚へ。ホテルを借りて別のエピソードを撮影。こちらはベテランの俳優・蛍雪次郎さんが主演!素晴らしい演技を見せてくれた。
休憩時間に以前の出演作品「ガメラ」シリーズや「コミック雑誌なんかいらない」の話を聞かせて頂き、感激。単なる映画ファンになってしまう?(つづく)
2003年6月3日 /ホラードラマ撮影Ⅰ [第5章 再挑戦スタート篇]
本日はホラードラマの撮影。ロケ地は荻窪にある旅館。
見るからにホラーにピッタリ! タイトルも「旅館」
張り切って撮ると、予定より大幅に早く昼間のシーンを撮り終えてしまう。夜まで撮影するものがなくなり、3時間の休憩!
でも、その最大の理由は、主演を勤めてもらった天才的な女優・Mさんの力。絶対にNGを出さない!
「1」言いえば「10」を分かってくれる。こんな凄い俳優さんがいたなんて驚愕。
夜、移動して公園で撮影。なんとそこは僕のアパートから5分の距離。そこで遅くまで撮影。本日は約1.5話分を撮り終えた。(つづく)
2003年6月 /ホラードラマの撮影準備 [第5章 再挑戦スタート篇]
ホラードラマの準備が進む。3本の依頼が結局、4本担当することなる。
シナリオを書き、キャスティング。ロケハンも済ませる。現在は絵コンテを書いている。
今回のシリーズを担当する他の監督たちも、なかなかのくせ者ばかり。実力派。若手。感覚派。マニアック派と、いろんなタイプの監督が集結。
負けないようにがんばらねば! (つづく)
2003年5月 ホラードラマ [第5章 再挑戦スタート篇]
久々の監督依頼が来た。深夜ドラマのホラーもの。シリーズで3本監督してほしいとのこと。友人のS監督の推薦が大きかったようだ。感謝。
よっしゃー! ホラーは大好きじゃあ。
昔はホラー作品を作ることなど絶対にないと思っていた。が、見るのは好きで、ジョン・カーペンターやジョージ・A・ロメオとか大ファン!
「ハロウィン」「ゾンビ」「ザ・フォッグ」「悪魔の沼」「死霊のえじき」なんてドキドキして見ていた。
それが昨今のホラーブーム。猫も杓子もホラー。ホラー! そんな中で依頼が来たのが超超低予算ホラービデオの仕事。
その製作会社が超アホで、邪魔されてばかり。完成度の低いものしかできなかった。そのリベンジをいつか果たさねばと思っていた。
また、その作品で実力を示すことで、「ストロベリー」へ繋げられるかもしれない。和歌山行きの準備をしていたが、当面はこれに専念。全力でかかることにする!
(つづく)
2003年5月 おじさんの心理・Ⅸ [第5章 再挑戦スタート篇]
それに対して、「ストロベリー」はラブストーリーではなく、敢えて分類すれば友情ドラマ。
でも、スポーツや学園生活を通して、「友情」を育む古典的なスタイルではない。そこにファンタジーを持ち込み「友情」というより、今日的な「仲間」の話にしている。
オジさんたちの過去にはなかったタイプの物語であり、彼らが若い頃には必要のなかったテーマを掲げた作品。だから、分からない。
しかし、今の社会で決定権を持つのは、そのオジさんたち。だから、時代の流れが分からずに、不況から抜け出せないということにも繋がるのだろう。
そんな世代が会社トップであり、映画会社でも決定権を持っている。そこが「ストロベリー」の不幸なところ。
「猟奇的な彼女」のようにオジさんたちにも分かる、古いタイプのドラマにすれば、よかったのかもしれない。が、企画を通すために考えた作品ではないので、そーもいかなかった・・。
そんな厳しい構図が出来上がっていたことは気付いていた。が、今回は好意的で応援してくれている50歳Pすら、同じ反応というところで、かなりショックを受けた。
どうやって、企業の中で決定権を持つおじさんたちに理解され、支持してもらえばいいのだろうか・・・。(つづく)
2003年5月 おじさんの心理・Ⅷ/オレは古くない! [第5章 再挑戦スタート篇]
おじさんたちは、時代に取り残されている。けど、感受性の鋭い子供たちは時代を感じて生きている。ギャップはどんどん広がる。
「最近の子は、何を考えているのか分からない・・」
そうボヤくようになる。そんなおじさん世代に「ストロベリー」が理解できないのは当然かもしれない。
が、オジさんたち。時代からズレているとは思いたくない。だから50歳Pもこう言った。
「でも、俺は最近の映画で『猟奇的な彼女』はおもしろいと思った。
新しい映画も、ちゃんと理解している!
が、お前の作品は分からなかった。それはシナリオに問題があって、おもしろくないからだろ?」
それは比べる対象が違う。「猟奇的な彼女」を簡単にいうとビリー・ワイルダータイプの作品。映画の王道を行く、古いタイプのラブストーリー。
当然、オジさんたちが若い頃に見ていたスタイル。理解しやすかったのだ。
新しいタイプの映画を、彼が理解できたということではない。
(つづく)
2003年5月 おじさんの心理・Ⅶ [第5章 再挑戦スタート篇]
若い世代はそこに寂しい自分たちを重ねて、感動してくれた。
が、「携帯」や「メール」、「プリクラ」がなくても生きていけるオジさんたちには、その気持ちが分からない。
だから、「ストロベリー」が理解できないのではないだろうか?
でも、オジさんたちにとっての「携帯」や「プリクラ」があった。それは子供の頃に友達とやってたこと・・。
鬼ごっこをしたり、カブトムシを取ったり、
ケンカしたり、一緒に泣いたり、笑ったり
そうやって友達を作り、親友を見つけていった。
それを子供たちに、伝えるべきなんだ!
成績至上主義の時代だけど、テレビゲームで家に閉じこもる子が多いけど、オジさんたちは、その思い出を語るべきだと思う。
それが子供たちのプラスになる!
けど、彼らはそれに気付かない。仕事に追われてばかりで、今の時代を把握できない。
オジさんたちは、大切なことを伝えようとしない・・・。
(つづく)